| おまけにこの許可証は10年しか効力を発揮しない |
こういった事例を見るに、日本は「自動車を買いやすく、維持しやすい」国だと再認識させられる
さて、日本に住むぼくらからすると信じられないことですが、世界中には「クルマを所有させないため」に様々な法律を導入している国や地域が多数存在します。
ある国は環境の観点から、そしてある国では国土面積の観点からクルマの所有を制限しているわけですが(そしてまたある国では税収の観点から高額なクルマに高い税率を課している)、その多くは関税をかけることやナンバープレート取得費用を高額に設定するといった対応がなされており、たとえば中国だとナンバープレートを取得するのに数十万円~数百万円のコストがかかることが通常です(地方によって異なる)。
そう考えると、日本はクルマに関税がかからず、ナンバープレートも僅かな金額で取得でき、支払う税金も高くはなく、もしかすると「クルマを所有するにはもっとも理想的な国」と言えるかもしれません。※純粋に維持にかかる費用についても、今の日本は世界に比較して高いわけではない
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シンガポールではクルマを所有するために約1200万円で「権利」を購入せねばならない
そして今回報じられているのがシンガポールの自動車事情であり、今回動画にてそれを報じているのはフォーミュラDの公式フォトグラファー、ラリー・チェン氏。
同氏はシンガポールを訪れ、そこで様々なミーティングに顔を出すこととなり、現地では驚きの事実に多々触れる機会があったようです。
まずラリー・チェン氏が述べたのは「自動車愛好家(エンスージアスト)の間では、シンガポール政府は個人がクルマを持たないことを望んでいるというのが一般的な見方です」。
実際のところ政府は自動車の所有を制限する方向で動いているといい、狭い国土にて自動車を増やさない(自動車保有台数をコントロールする)ためにCOE(Certificate of Entitlement)なる制度を導入しており、自動車購入希望者はこの証明書を”購入”することではじめてシンガポール国内でクルマを登録し所有する権利が与えられるのだそう(登録しないのであれば、この証明書を購入しなくても良いのだと思われる)。
さらにエンスージアストに追い打ちをかけるのは、この証明書の有効期限が10年しかなく、10年を経過するとまた新たにCOEを購入する必要があり、もしこのCOEを購入しない、あるいは購入するお金がなければ、所有していたクルマは廃車にするか、もしくは国外に売却しなければならなくなるとされています。
現在、シンガポールからは多くのクルマが流出中
そういった事情もあり、現在シンガポールからは大量のクルマが国外に流出しているとされますが(COEが導入された時期については触れられていない)、シンガポールは「右ハンドル国」なので、同じ右ハンドル国であるオーストラリアやニュージーランドへと(シンガポールのクルマが)出ていってしまっている、とも述べています。
同氏はトヨタ・スプリンター・トレノ(ハチロク=AE86)を一つの例に挙げ、かつては人々の足として多数見られたものの、現在シンガポールに残っているのはわずか5台のみだといい、流出が止まらないといった事情もあるもよう。
なお、シンガポールは全般的に(F1グランプリが開催されることでもわかるとおり)自動車とくにモータースポーツに対して非常に高い関心を持っており、町中は多くのスポーツカーやカスタムカーであふれていますが、そういった光景も今後見られなくなってゆくのかもしれません。
加えてこういったCOEの導入のみではなく、もちろん車両購入時に際しても様々な税金が課されており、シンガポールだとメルセデス・ベンツCクラス(C180アバンギャルド)の価格は315,888シンガポールドル(現在の為替レートにて約3380万円、日本だと596万円)に設定されているといい、こういった実情を見るに、あらゆる方法にてシンガポール政府は国民に対して「クルマを買うな」というプレッシャーをかけているかのように思えます。
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しかしながらシンガポールは所得に対しては非常に有利な税制を持っており、そのために世界中から多くのお金持ちが移住していて、よって「どれだけ高額であっても」高級車が売れているのもまた事実。
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文字通り「あるところにはある」のがシンガポールということになりますが、以前にシンガポールを訪れた際、現地フェラーリディーラーのスタッフと話していたときに「この国のフェラーリの価格は、普通の人が一生働いて得る金額よりも多い」「それでも飛ぶように売れる」と語っていたのが印象に残ります。
シンガポールの自動車事情を説明する動画はこちら
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参照:Hagerty