| ポルシェ911のレストモッドブームはますますその勢いを増している |
このテオン・デザインは「軽量性」をその武器にポルシェ911のレストモッドを展開中
さて、ますます盛り上がるポルシェ911のレストモッド市場ですが、米国カリフォルニア拠点のシンガー・ヴィークル・デザインに対し、英国では地元レストモッダー、テオン・デザイン(Theon Design)の存在感が日増しに強くなっています。
そして今回、そのテオン・デザインが「GBR002」と命名された最新のポルシェ911レストモッドを公開しており、このベースとなるのは1992年式(964型)のポルシェ911カレラ2。
内外装は初代911へのオマージュとも言えるクラシカルなルックスへと生まれ変わり、一方でボディパネルはすべてカーボンファイバーへと置き換えられるなど最新の技術もふんだんに盛り込まれています。
テオン・デザインGBR002のボディカラーは「オークグリーン」
なお、最新世代のポルシェでは「グリーン」は今ひとつ人気のないカラーではあるものの、初代911含む空冷世代では比較的人気があったボディカラーでもあり、ポルシェ創業者一族も「オークグリーンメタリック」「アイリッシュグリーン」などダーク系グリーンのポルシェを愛用していたことが知られています。
-
【動画】世界に一台!ポルシェ創業者の孫、ブッツィ・ポルシェに贈られた「993世代の911スピードスター」が陽の目を見る
| 本来、993世代には「スピードスター」が存在しない | どうやらポルシェ一族は濃淡の差はあれど「グリーン」がお気に入り | さて、ときどきポルシェミュージムから、ポルシェのレアなモデルを紹介してく ...
続きを見る
こうやって見るとなかなかに味わい深い表情を持っており、ぜひポルシェの純正ラインアップとしても復活を期待したいところ。
搭載されるエンジンは4リッター空冷フラットシックスで出力は406馬力、車体重量はわずか1,169kgだとアナウンスされているので、相当なパンチを誇ると考えて良さそうですね。
なお、インテークやリアバルクヘッドの処理(キルティングレザー貼り)にはシンガー・ヴィークル・デザインからの強い影響が感じられます。
トランスミッションは6速マニュアル、駆動輪は後輪のみというシンプルなパッケージングを持っており、「適度なパワー、軽量性、魅力的な操作方法」というスポーツカーのあるべき姿を見事に示していると考えていいのかも。
ボディサイドには「PORSCHE」文字、そしてホイールにはフックススタイルを採用していますが、ホイール直径はシンガー・ヴィークル・デザインのものよりも小さく見え、そのぶんややクラシカルな印象を受けるように思います。
ブレーキキャリパーはおそらくは最新のポルシェから拝借したもので、ローターは(見たところ)スチール製のドリルホールつき。
リヤゲートにもPORSCHE文字、そしてテオン・デザインのバッジも(エンジンフードの後端が軽いダックテール形状となっている)。
リヤには「バンパレット」が設けられ、テールパイプは「丸4本出し」。
テオン・デザインGBR002(ポルシェ911レストモッド)のインテリアはこうなっている
そしてこちらはテオン・デザインGBR002のインテリア。
ブラックとアイボリーの非常にシンプルなインテリアを持っていて、ウーファーやミッドレンジスピーカーが装着されていることからもオーディオにこだわっていることがわかりますが、ヘッドユニットやコントロール系はうまく隠されています。
ダッシュボードやドアインナーパネルにはウーブン(編み込み)レザーが使用され、このあたりもシンガー・ヴィークル・デザインからの強い影響を感じさせる部分です。
シート中央にも編み込みレザーが使用され、濃淡二色のグリーンが用いられているようですね。
フロントトランク内にもレザーとカーボンファイバーが取り入れられ、ストラットタワーバーにはインテリアと同じウーブンレザーが使用されています。
なお、テオン・デザインはこのポルシェ911「GBR002」についてパフォーマンスや価格に関する数字を提供していないものの、共同設立者のアダム・ホーリー氏によると「それぞれの作品が "クラシックなポルシェであることに変わりはなく、ただ性能と使い勝手が新たなレベルに引き上げられたクルマである」。
おそらく価格については(これまでの例を見るに)7000万円~8000万円程度だと思われ、しかし画像を見ただけでも「その価格に見合った」カスタムカーであることがわかります。
合わせて読みたい、ポルシェ911のレストモッド関連投稿
-
英チューナーによる新しいポルシェ911レストモッドが誕生!デュアルエアコンに電動パワステ、フロントリフター、アダプティブダンパーを備える「中身は最新」仕様
| ポルシェ911のレストモッドは最近になりずいぶん多様化してきた | 空冷時代のシンプルなポルシェ911を安心して安全に楽しみたいという需要は非常に強い さて、現在は空冷ポルシェ911のレストモッド ...
続きを見る
-
英国よりポルシェ911の最新レストモッド到着!なんとスーパーチャージャーやセミアクティブサス装着、しかし重量配分を50:50に改善したバランス追求型
| その価格は安くなく、日本円にして約6300万円 | 製作したのは英国テオンデザイン、964世代のポルシェ911を初代911風に さて、現在ポルシェ911のレストモッドは花盛といったところで、シンガ ...
続きを見る
-
ボディカラーはポルシェ911の30周年「ヴィオラ30」!英国Theon Design(テオンデザイン)による911のレストモッドが妖艶かつ美しすぎた
| シンガー・ヴィークル・デザインの影響が見え隠れするが、その方向性には相違もあるようだ | テオン・デザインでは軽量性を最重要視し、現代的な味付けも見られる さて、ポルシェ911のレストモッドは今が ...
続きを見る
参照:Theon Design