中国からの車両輸出が増加中、8月では前年比39％増、1-8月においても27％増。現実的に自動車業界は中国に支配されつつある

｜　ほんの数年前までは「まさか中国がここまで勢力を拡大する」とは誰も思わなかったであろう　｜

内燃機関搭載車、EVともに中国車は世界を席巻しつつある

さて、2024年8月、中国は61万台の自動車を輸出して2023年8月と比較して前年比39%増、前月比10%増となったことが明らかになり、さらに1月から8月まで、中国は409万台の自動車を輸出し、輸出成長率が27%であったと報じられています。

なお、この成長に大きく貢献したのはロシア市場であり、705,514台を輸出していますが、これは2位のメキシコ（323,540台）に倍以上の差をつける数字です。

中国税関のデータによると、ロシアは現在中国最大の海外自動車市場へと成長していて、今年8月の中国の自動車輸出の19％以上を占め、輸出額では過去最高の16億ドルに達していることがわかっており、これは、ロシアとウクライナとの戦争によってロシア市場から外国の自動車ブランドが撤退したことによるものだと報じられています（2022年だと中国はロシアに16万台の自動車を輸出したにすぎなかったが、2023年には91万台の自動車を輸出して前年比459%増となった）。

その後に続くのはUAE（203,048台）、ブラジル（192,254台）、ベルギー（82,504台）、サウジアラビア（161,261台）、英国（137,925台）、オーストラリア（118,888台）、フィリピン（104,402台）、トルコ（95,650台）の順。

欧州が規制を導入した後も中国のEV輸出は伸び続けている

なお、興味深いことに欧州連合（EU）が中国製EVに対して高額な関税をかけたのちも欧州におけるEVの販売は減っておらず、2024年1月から8月までの中国のNEV（新エネルギー車＝BEV,PHEV、FCEV）の輸出は139万7000台で前年比25%増。

さらに2024年8月のNEV輸出量は18万台で前年比20.9%増、前月比2.9%増という数字となっており、EUが課した関税を考慮に入れたとしても「まだ中国製のEVは欧州製EVよりも末端価格が安い」のかもしれません。

参考までに、中国がNEVを輸出した国「TOP10」だと、まずベルギー（170,876台）、ブラジル（136,112台）、英国（88,933台）、タイ（81,546台）、フィリピン（69,987台）、メキシコ（61,647台）、インド（53,738台）、オーストラリア（51,843台）、アラブ首長国連邦（47,716台）、ドイツ（41,105台）という並びであり、さほど所得水準が高くない国も上位に含まれているところを見ると、「とにかく中国製EVの輸出価格は安い」のかもしれませんね。

もうひとつ参考までに、「出荷元」だと、以前は（テスラと上海汽車が車両を製造している）上海が圧倒的であったものの、これらのEU向けの輸出が減少したため、現在では広東省、陝西省、河北省、江蘇省からの輸出が増加しているのだそう（例えば、陝西省はBYDの中国最大の生産拠点の1つである）。

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