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ブガッティ・トゥールビヨンを「もっとも詳しく」解説する動画が登場。それにしてもトゥールビヨンは見れば見るほど、知れば知るほどスゴいハイパーカーである

ブガッティ・トゥールビヨンを「もっとも詳しく」解説する動画が登場。それにしてもトゥールビヨンは見れば見るほど、知れば知るほどスゴいハイパーカーである

| ブガッティ・トゥールビヨンの真髄はそのパフォーマンスを達成するための「エンジニアリング」にある |

さらには卓越した芸術性、そしてクラフトマンシップによって「100年後にも色褪せないクルマ」に

さて、YouTube上には様々なブガッティ・トゥールビヨンを紹介する動画が存在しますが、今回はおそらく「もっとも詳しく、そしてその細部に至るまで」解説した動画が登場。

この動画を公開したのはEVOマガジン創業者にして「農夫」「ユーチューバー」という肩書を持つハリー・メトカーフ氏です(同氏はランボルギーニ・カウンタックなどクラシックスーパーカーを多数所有しており、かつ自身の足として実際に乗っている)。

Bugatti-Tourbillon (3)

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ブガッティ・トゥールビヨンの細部はこうなっていた

そこでハリー・メトカーフ氏がやってきたのはフランスはアルザスにあるブガッティ本社。

そこではトゥールビヨンの完成車に加えてベアシャーシが展示されており・・・。

Bugatti-Tourbillon (2)

その構造を見るに、ヴェイロンやシロンよりも(サーキット走行専用モデルの)ボリードに近いもよう。※スーパーカーやハイパーカーに多い「カーボンファイバー製バスタブシャシーにアルミ製モノコック」ではなく、前後サブフレームまでカーボンファイバー、かつリアセクションではそれらが一体化しているようも見える

https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/54034129994/in/dateposted/

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そしてこちらがトゥールビヨンの核でもある「自然吸気V16」。

従来のW16エンジンに比較して「数十センチも長い」そうですが、それでも重心を最適化し、車体サイズを最小限に収めるため「キャビン側にめり込む」ように取り付けられています。

Bugatti-Tourbillon (11)

ブガッティ・トゥールビヨンはもともと「W16」の予定だった。ただしコスワースの「W16は高回転自然吸気に向きません。V16で行きましょう」の一声でV16に決定【動画】
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このエキゾーストシステムの位置を見ても「どれだけエンジンが前にあるか」がわかろうというもので、しかしなぜ「上方排気」としなかったのかは不明です(そのほうがより軽くコンパクトに作ることができ、リアディフューザーの設計自由度も向上する)。

Bugatti-Tourbillon (10)

そしてリアエンドはこう。

一般的なスーパーカーやハイパーカーのように「リアアクスルの後ろからディフューザーを巻き上げる」のではなく、トゥールビヨンでは車体中央(シート下)あたりから斜めに(後ろに向かって)ディフューザーの角度がつけられており、これもボリードと同じ構造ですね(そう考えると、ボリードの開発は非常に大きな意味があった)。

Bugatti-Tourbillon (7)

ブガッティ・トゥールビヨンの設計は「既存の概念」を超えていた

フロントセクションはアルミ製サブフレームとカーボンファイバーにて構成され・・・。

Bugatti-Tourbillon (8)

これがウワサの「AIによる設計、3Dプリンタによって製造されたサスペンションアーム」。

これは米ジンガーによって開発されたもので、その創業者であるケビン・ジンガー氏は別途この技術を専門的に開発する会社「ダイバージェント」を設立し、このトゥールビヨンのサスアームもまたダイバージェントの共同開発によって生み出されたパーツです(マクラーレンもダイバージェントとの提携を発表しており、今後同様のパーツが一般化するのかもしれない)。

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そしてエンジンへとエアを送るパイプ、そしてエアクリーナーボックスは「ボディと一体化」。

こうやって見ると、トゥールビヨンのパーツは「車体構造とボディパネル」とにシームレスに結合し、その結果によって無駄なくスペースを活用し最大の機能を発揮しているようにも思えますが、このあたりが以前にブガッティのデザイナー、アキーム・アンシャイト氏が「ブガッティのデザイナーは、エアロダイナミクスなど”表面”だけではなく、車体の構造や機能などすべてについて理解しておく必要がある」と語った部分なのかもしれません。

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そしてもちろんインテリアにおける最大の特徴、「ステアリングホイールとメーター」についても解説がなされます。

Bugatti-Tourbillon (5)

ただ、ちょっと残念なのはエンジン始動プロセスが詳しく紹介されていないことで、ブガッティのいう「昔のクルマのエンジンスタートに必要であった”儀式”を取り入れた」という動作をどこかで見てみたいものですね。

Bugatti-Tourbillon (4)

ブガッティ・トゥールビヨンを事細かに解説する動画はこちら

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参照:Harry's garage(YouTube)

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