Image:Volkswagen
| それでもフォルクスワーゲン幹部はビートルのようなアイコン復活の重要性を理解しているようだ |
おそらくは「R」「GTI」の次に「余裕があれば」復活が協議されることになるものと思われる
さて、フォルクスワーゲンは同社のアイコニックなモデル「ビートル」の販売を終了させていますが、今回2024年ロサンゼルス・オートショーでの業界ラウンドテーブルの場において、このビートルの復活の可能性について言及することに。
ただし「復活する」というわけではなく、残念ながら「むしろ同社の最優先事項ではない」ことが示されており、つまりは「すぐに復活することはない」ことが明らかになっています。
「ビートルのようなモデルを再投入することは、イメージ的には非常に有益だが、ビジネス的な視点も必要です。「ビートルは発売当初非常に成功した車で、特に北米では大きな成功を収めました。しかし、こういったクルマは売上が次第に落ち込むものでもあります。」
フォルクスワーゲン北米 営業・マーケティング責任者 アンドリュー・サヴァス
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フォルクスワーゲン・ビートルは現在のフォルクスワーゲンに「適した」製品ではない
近代のビートルは1997年に再発売され、2019年に生産が終了していますが、今回の発言はビートルの復活を心待ちにしていたファンには少し残念なニュースかもしれません。
一方でGTIやRシリーズといったハイパフォーマンスモデルに注力することも明かされていて、アンドリュー・サヴァス氏は以下のようにもコメント。
「ビートルのような車が将来的に限定版として再登場する可能性はあるかもしれませんが、私は会社に対し、ビートルを復活させるよりもGTIやRブランドのようなものに注力し、ブランドを強化するように進言しています。短期的にはビートルを復活させることは私の最優先事項ではありません。今ある強力で魅力的な車を活かし、RラインやGTIといったアイコニックなバリエーションをその車に加えることこそ、私たちの強みとなるのです。」
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つまり現時点では(いくつかの自動車メーカーがそうであるように)ハイパフォーマンスモデルを投入することで他社との差別化を強化でき、ブランドを排他的な存在に押し上げることができると捉えているのだと思われ、ビートルの件は残念ではあるものの、「GTI」「R」の増強についても期待したいものですね。
一方で「感情に訴えかける製品がもっと必要」とも
こういった「GTI」「R」は一部の人々の感情に強く訴えかける存在ではあるものの、フォルクスワーゲンの幹部たちは”ブランドの象徴的な製品である”ID. Buzzについて高く評価していると語り、ビートルやタイプ2バス(ワーゲンバス)のように、人々の感情に訴える製品をもっと提供する必要があるということについても十分に認識しているとも述べています。
「ID. Buzzのような製品は、間違いなく素晴らしいハロープロダクト(ブランドの象徴的な製品)です。我々は、ブランドを構築するために北米市場にもっと多くのハロープロダクトを投入する機会を常に議論しています。これこそが私たちを差別化し、顧客に価値を提供する方法です。」
フォルクスワーゲン・パッセンジャーカー部門CEO、フォルクスワーゲングループ取締役 トーマス・シェーファー
「アメリカのカウンターカルチャーにおける象徴的な瞬間と、フォルクスワーゲンが果たした役割を思い起こしてください。これほど多くのブランドがそれを達成できるわけではなく、私たちはその点を活用するべきです。ID. Buzzのようなクルマはそれを実現しますし、もちろんGTIも同じことをしています。それこそが、人々に鳥肌を立たせるものなのです。私たちにとっては、楽しく運転できる製品であり、同時にこの素晴らしい地域の文化に深く根ざしていることが強みです。今後もその分野で努力し続ける必要があります。」
つまりフォルクスワーゲンは今後もブランドを強化するために、より感情に訴えかける製品を提供し続ける方針を最小するものの、まずは「R」「GTI」といったハイパフォーマンスモデル、そして次に「ビートル」のようなブランドの象徴のリバイバルといったことになるのかもしれませんね。
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