| 現時点でこのトレンドをどうやっても止めることはできず、有効な対策がなされるまで既存自動車メーカーはシェアを失い続けるであろう |
そして驚かされるのは、BYD、シャオミ等が「計画通り(あるいはそれ以上)」の販売を行っていることである
2024年11月、中国のEVメーカーのグローバルにおける販売実績は(Li AutoとNioを除き)、ほとんどが好調に終わっており、Xpengは約30%増、Geelyは13%増、Xiaomiは6%増、BYDは前月比0.7%増という数字を記録したとの報道。
これは日米欧の自動車メーカーが世界中のマーケットにて販売を失っているのとは対照的で、「中国の自動車メーカーが、それら既存の自動車メーカーの販売を奪っている」一つの証明であると考えることも可能です。
ただ、このデータにはBEVのほか「PHEV」も含まれているため、これについては「注意を要する」部分でもありますね。
We’re excited to unveil the XPENG X9 at the 41st Thailand International Motor Expo!
— XPENG (@XPengMotors) December 2, 2024
Over 1,000 units of the XPENG G6 SUV have been reserved and delivered in Thailand. Let's experience the future of intelligent mobility! #CelebrateWithXPENG pic.twitter.com/zujYzhn6Hh
中国の主要メーカーにおける販売状況はこうなっている
そこで中国の主要自動車メーカーにおける販売状況を見てゆくと、まずBYDは2024年11月に504,003台のNEVを販売して前月比0.7%増、前年同月比67.2%増を記録。
2024年1月から11月の販売台数は374万台で、前年比40%増となり、2024年の最終的な販売台数は435万台に達する見込みです。※BEVの販売は198,065台(前月比4.5%増)、PHEVは305,938台(1.6%減)
Geely(吉利汽車)は122,453台を販売し前月比12.6%増、前年同月比88.3%増という大幅な伸びを記録し、2024年1月から11月の販売台数は777,029台で前年比82%増となったほか、Zeekrが27,011台を販売し過去最高を記録した、と報じられています。
In November 2024, #Zeekr delivered 27,011 vehicles. #Zeekr has achieved deliveries of 194,933 vehicles in the last eleven months with a 106% year-on-year increase. To date, Zeekr has delivered over 390,000 smart EVs to global customers. pic.twitter.com/pXygtIuGJv
— Zeekr (@ZeekrGlobal) December 1, 2024
中国は国内でサプライチェーンのほとんどが完了するだけあって「生産の遅延」という話を聞かない
そのほか長安汽車(Changan)100,000台を販売し前月比で17.6%増とLi Autoは48,740台を販売して前月比5.3%減、前年同月比18.8%増。
Xpeng(シャオペン)は30,895台を販売し、前月比29.2%増、前年同月比54.2%増となり、「この価格で利益が出るのか」と言われたMonaシリーズが特に好調だった、とのこと。
加えてシャオミは21,955台を販売して前月比6.1%増、2024年11月までの累計販売台数は112,516台となり(生産を開始したばかりなのに”予定通り”に生産と納車が行われていることには驚かされる)、Nioは20,575台を販売して前月比1.9%減となったものの前年同月比では28.9%増。
一方、SAIC-VW(フォルクスワーゲンと上海汽車の合弁会社)は14,360台にとどまっているので、確実に中国の地元振興自動車メーカーが力をつけているということがわかりますね。
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