Image:BYD
| BYDは様々な手法を通じて「いかに自社の製品が優れているか」をアピールすることに長けている
消費者にその魅力が伝わらなければ「魅力を持たない」のと同じである
さて、BYDは自社のプレミアムブランド「ヤンワン(Yangwang / 仰望)より”U9”なるスーパーカーを発売していますが、このクルマは合計で1,287馬力を発生するエレクトリックモーターを搭載し、その価格168万元(現在の為替レートだと約3600万円)に設定されたスーパーカーです。
もちろんピュアEV、そして一回の満充電にて450㎞を走行するという実用性を持ち、さらには”中国でもっとも速く走るクルマ”という称号すら獲得していて、しかし最大のウリは「Disus」と命名された油圧式サスペンションであると考えられ、このサスペンションは車高を変化させるのみではなく、クルマをジャンプさせたりダンスさせることを可能としているわけですね。
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ヤンワンU9はなんと「100台」もが販売される
そこで今回BYDが発表したのが「100代目のU9を納車した」。
このU9は昨年9月にスタートしており、9月には16台、10月には17台、11月には24台、12月にも24台納車しているのですが(昨年の累計販売台数は81台)今年に入ってからもさらに好調な納車を記録し、そこで1月21日にはついに「100台目」を納車することに。
YANGWANG U9 completes first phase of #Nürburgring testing. Precision engineering meets the ultimate proving ground.#BYD #electricvehicles #evsupercar #supercar pic.twitter.com/JO1CS0htxk
— BYD (@BYDCompany) November 15, 2024
中国ではNIO、テックルールズ、紅旗など様々なブランドがスーパーカーを発売しようと目論むものの、実際に発売に至った例は非常に少なく、そして100台を販売したのはBYDが「初」。
そしてこの記録は「非常に高額な」プライシングを考慮すると驚きに値するもので、2024年に19台を納車したGAC ハイパーテック SSRの1,286,000元よりもさらに高額。
そしてこの価格の正当性を主張する装備がこの「Disus」なのかもしれません(ダンスやジャンプはスーパーカーにとって必須の機能ではないが、こういったテクノロジーが中国では求められているのかもしれない)。
Driving Into 2025: A New Chapter of Electric Innovation
— BYD (@BYDCompany) January 1, 2025
Happy New Year from BYD—where cutting-edge technology drives sustainable mobility forward.#BYD #nye #newyear2025 #EV pic.twitter.com/9Ck3Aej8wL
さらにBYDはU9に関し積極的なプロモーションを展開していて、2024年11月にはニュルブルクリンクを走行させ(そのタイムは7分17秒900)中国車としては前人未踏の”最高速度391.94 km/h”へと到達しています。
加えて、これまでにも「3輪でも走行できる」「(上述の)ダンスやジャンプができる」、最近だと「高速走行中にもジャンプでき、これによって障害物を飛び越えることができる」というプロモーションも展開していて、これはU8において「水上を航行したりタンクターンを披露する」という動画を公開したこととよく似た手法です。※クルマに本来求められる機能を満たしているのは「マスト」であり、消費者は「それ以上」を求めているのかも
つまりBYDは「製品の魅力を伝えるのに慣れている」と考えてよく、現代では「ここ」が重要なのかもしれません(メルセデスAMGはつい最近、F1直系の技術を採用した4気筒+プラグインハイブリッドにつき、消費者にその魅力を伝えることができず、よって”本当はガソリンエンジンよりも優れる”ものの、ガソリンエンジンよりも劣った印象を与えてしまったことにも言及している)。
Unmanned YANGWANG U9 Leap Test
— BYD (@BYDCompany) January 10, 2025
YANGWANG U9 pushes the boundaries of automotive engineering with its unmanned leap test.
While traveling 74.5 mph (120 km/h), it leaps over 6 meters—redefining what’s possible in high-performance #ElectricVehicles. pic.twitter.com/uIzgVDpfLt
そのほか、このヤンワンU9のスペックを見てみると、車体寸法は全長4,966mm、全幅2,029mm、全高1,295mmと「かなり大きく」、車両重量も2,475kgなので「相当に重い」部類です。
ただし0-100km/h加速は「1,287馬力、1,680Nmものトルク」を活かしてわずか2.36秒で達成し、バッテリーパックについては30%から80%までわずか10分で充電できるほか、2つの独立した充電ガンを同時に接続できる「デュアル充電」に対応するなど、「EVにしかできないこと」を強調し、かつ「利便性」にも言及がなされ、これらを総合し、今回の成功へと結びついたのでしょうね。
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