フォルクスワーゲンが中国にて「ID.4X」の価格を大きく引き下げ「中国車に対抗」。発売開始時に比較すると30％もの値下げがなされることに

Image：Volkswagen

｜　中国では価格競争が「尋常ではないレベル」で繰り広げられている　｜

これについてゆかねば「すなわち脱落」ということに

さて、ここ最近連日のように報じられるのが「中国の自動車市場そのものは盛り上がっているが、海外の自動車メーカーがそこから押し出されようとしている」という流れ。

これは「高い割に先進性が低い」日米欧の自動車に見切りをつけ、中国のユーザーたちが「より安価で、より先進的な」中国車を購入しているためですが、いくつかの自動車メーカーはこの状況へと果敢に立ち向かっています。

フォルクスワーゲンは「価格」で中国勢に対応

なお、中国市場は「価格」に対して非常に敏感であり、消費者が「安い方へ」と流れる傾向が（ほか市場に比較して）鮮明ではありますが、そのためにテスラは柔軟な価格設定を行うことで市場をコントロールしており、そしてこれは現地の自動車メーカーも同様です。

しかしながら一般に欧州の自動車メーカーは「高い」値付けを行うことが多く、それは「利益を貪っている」からではなく、その体質が「高コストだから」。

たとえばその品質基準が中国の自動車メーカーよりも高かったり、開発にかかる手順が中国の自動車メーカーよりも多かったりして「開発と製造にコストがかかる（そのためクルマの製造原価が高くなる）」という背景があるわけですね。

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よってフォルクスワーゲンやアウディは「中国の自動車メーカーと手を組んで」中国の手法を取り入れながら低コスト車の開発を行っているわけですが、その効果が出るには（つまりコストの低い新型車が登場するまでには）時間がかかり、よって今回フォルクスワーゲンは「即効性のある対策」として既存車種である「ID.4X」の大幅値下げを行うことに。

このID.4XはSAIC（上海汽車）との合弁企業によって製造・販売されるクロスオーバーで、今回の価格改定によって13％価格が引き下げられ139,900元からの開始価格となり、これは現在の為替レートにて米ドルだと「2万ドルを切る」という衝撃プライスです。※日本円だと290万円くらい

さらには2021年の発売開始当初に比較すると30％もの大幅値下げということになり、インフレが叫ばれるこのご時世において「ここまでの値下げ」は相当に思い切った戦略といえそうですが、同様の「値下げ」はメルセデス・ベンツ、ミニにおいても実施済みであり、中国市場においては引き続きひとつのトレンドであり続けることは間違いないものと思われます。

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