
| 実際にどの程度役に立つかはわからないが、「とりあえず楽しい」ことは間違いない |
そして中国車はやはり独自の進化を遂げている
さて、BYDがDJIと提携し、世界初となる車載型ドローンステーションを発表。
このシステムを最初に採用するのはオフロードSUV「方程豹(Fang Cheng Bao / ファンチェンバオ)Bao 8」で、車両価格は39万5,800元(現在の為替レートにて約815万円)から、そして今後さらに多くのBYD車にこの技術が搭載される予定だともアナウンスされています。
参考までに、「ドローン搭載車」はこれまでにコンセプトカーとしていくつか(自動車メーカーや個人から)提案がなされており、アウディも過去にリアデッキにドローンを搭載したコンセプトを発表したことも。
しかしながらその後急速にドローン人気が衰えるに際し、日米欧からは同様のコンセプトカーが見られなくなってしまっていて、しかしいま「低空経済」に湧く中国ではこの「ドローン搭載車」がひとつのトレンドとなるのかもしれません。
BYDとDJIによる車載ドローンシステム「霊鳶(Lingyuan)」はこんな感じ
BYDは以前より、ルーフにドローン搭載ステーションを備えた複数モデルの販売許可を申請しており、対象車種には「仰望(Yangwang)U8」「方程豹(Fang Cheng Bao)Bao 5」「Bao 8」「鈦(Titanium)3(Tai 3)」「騰勢(Denza)N9」「BYD Tang L」「BYD Sealion 07 DM-i」などが含まれています。
ただし、これらの車載ドローンシステムの詳細な仕様や機能は当時公表されておらず、しかし今回ついに「正式に発表がなされた」ということに。
車載型ドローンステーションの主な要素は、ルーフ上に設置される「ハンガー」と呼ばれる装置となりますが、このハンガーは、滑らかなエッジを持つ正方形の形状を持ち、面積は0.29平方メートル、高さは215mm、そして2つのドアと3つのポジショニングセンサーを搭載しています。
この装置を使用することで、時速25kmまでの(車両)走行中において離着陸が可能となり、ドローンは最大時速54kmまでの速度において車両を追尾することが可能だとされるほか、ドローンは最大2kmの範囲内で自動的にハンガーに戻り充電を行うことができるのだそう(バッテリーは20%から80%までを30分で充電可能)。
その他の機能として、AIソフトウェアや、画像・音楽編集ソフトウェアが搭載され、ドローンは「Ling Yuan」アプリを通じて操作でき、BYDの担当者によれば、このシステムの目的は「クルマをより楽しくすること」。
現時点では「オプション」という設定となっていて、その価格は16,000元(約33万円)に設定されていますが、今後はBao8のほか上述の車種にも順次追加設定がなされるものと思われます。
動画を見るに、ハッチが開いてそこからドローンが発着する様子は「まさにSF映画」。
そしてこのドローンが自身の車両を撮影したり、行く先をカメラにて捉えることができるため、渋滞時や視界の悪い地域を走る際には「ちょっとした気晴らしや安全確保」につながるのかもしれませんね。
そして「ドローン込み」、このギミックを考慮するに、33万円といった価格も高くはないんじゃないかと考えています。
BYD×DJI「車載ドローン発着システム」を紹介する動画はこちら
合わせて読みたい、BYD関連投稿