
| F1側も「中国資本の参加」には前向きな姿勢を示したと報じられる |
F1としても中国ほどの巨大市場を「取りこぼす」ことはできないであろう
世界最大の電気自動車(EV)メーカーの一つであるBYDが、モータースポーツの最高峰フォーミュラ1(F1)への参戦を検討していることが明らかに。
これはBYDの李柯(ステラ・リー)上級副社長が認めたもので、2026年から導入されている「電動化を重視した新レギュレーション」が、同社の技術戦略と合致するかが焦点となっている、と伝えられています。
この記事の要約
- 参戦を検討中: BYD幹部がF1首脳陣(ステファノ・ドメニカリCEO)と上海で会談したことを確認
- 3つの選択肢: 「自社チームでの参戦」「パワートレイン供給(エンジンサプライヤー)」「スポンサーシップ」を検討
- 2026年が転換点: ハイブリッドシステムの出力においてエレクトリックモーターの比率が大幅に高まる新規則が追い風に
- 技術の証明: 単なる宣伝ではなく、バッテリー技術やエネルギー管理システムの検証の場として活用する狙い
Innovation knows no borders.
— BYD Global (@BYDGlobal) April 27, 2026
From BYD Zhengzhou Circuit to the Beijing Auto Show, over 200 global media followed BYD's E-journey in new energy vehicles and intelligent manufacturing.
Here, we are touching the future of mobility. #BYD pic.twitter.com/yCpFvIvjzE
なぜBYDは「今」F1に興味を示したのか?
これまでBYDは、F1のような内燃機関主体のレースには消極的で(内燃機関を使用したレースへ参戦したとしてもBYDの販売が有利になるとは考えられない)、しかし状況を変えたのは2026年に導入された次世代パワーユニット(PU)規則です。
2026年新レギュレーションのポイント
- 電動比率の大幅アップ: パワーユニットの総出力のうち、約50%を電気システムが担う
- 100%持続可能燃料: 内燃機関にはカーボンニュートラル燃料の使用が義務付けられる
- MGU-Hの廃止: 複雑な熱エネルギー回生システムを廃止し、より市販車に近い技術への集中が可能に
この変更はバッテリーやモーター、電力制御において世界トップクラスの技術を持つBYDにとって、自社の強みを最大限に活かせる「主戦場」となることを意味している、というわけですね。
Experience the Yangwang U9 in Gran Turismo 7
— BYD Global (@BYDGlobal) April 22, 2026
The Yangwang U9 has officially arrived in Gran Turismo 7, recreated in stunning 1:1 detail for an authentic driving experience.
Available worldwide from April 23 at 14:00. Get behind the wheel and feel the performance. pic.twitter.com/Yr1yLocLWC
検討されている「3つの役割」
BYDは現在、以下の3つのパターンでF1との関わり方を模索しているといい・・・。
- ワークスチームとしての参戦: 自社で車体とエンジン(PU)を製造しフルワークス体制で挑む。フェラーリやメルセデスといった伝統的メーカーと直接対決する形に
- パワートレイン・サプライヤー: 既存のチームにハイブリッドシステムやバッテリー技術を供給。アウディやフェラーリ、メルセデスAMG、ホンダ、アルピーヌ、レッドブル・フォードと同じポジション
- 戦略的スポンサーシップ: 技術提供を含むパートナーシップを組み、ブランドイメージを高める
背景:加速するBYDの「ハイパフォーマンス戦略」
さらにBYDは現在、大衆車メーカーから「高性能ブランド」への脱皮を図っていて・・・
- 仰望(Yangwang)U9: 1,300馬力超のエレクトリックハイパーカー
- 方程豹(Fang Cheng Bao)Formula X: 2027年量産予定の次世代スーパーカー

Image:BYD
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F1への参戦検討は、これらの高性能モデルの技術的裏付け(ハロー効果)を得るため、そして消費者にBYDのハイパーカーやスーパーカーを購入させるための長期的な投資と見られており、さらに「大衆車市場」が過密になり利益を取れなくなっている状況において、BYDの上位移行は「生き残るための必須条件」なのかもしれません。
さらにいえば人気ゲーム「グランツーリスモ」への参戦も同様の理由からだとも考えられ、BYDとしては「F1参戦はお金が余っている企業の道楽」ではなく「企業としての正しい戦略」ということになりそうですね。※ギネス記録やニュルブルクリンクへの挑戦も同様の目的・戦略に基づくものだと考えられる
Experience the Yangwang U9 in Gran Turismo 7
— BYD Global (@BYDGlobal) April 22, 2026
The Yangwang U9 has officially arrived in Gran Turismo 7, recreated in stunning 1:1 detail for an authentic driving experience.
Available worldwide from April 23 at 14:00. Get behind the wheel and feel the performance. pic.twitter.com/Yr1yLocLWC
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BYDの販売規模と現状 (2025-2026)
| 項目 | 実績・データ |
| 2025年 年間販売台数 | 約460万台 |
| 2026年 第1四半期販売 | 688,939台(前年同期比 -30.5%) |
| 主な競合 | テスラ、フォルクスワーゲン、トヨタ |
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F1にとってBYD参戦のメリットは?
そして視点をF1側に移してみると、F1側にもそれなりのメリットがあり、まずは(BYDの参戦によって)中国でのF1人気が盛り上がれば入場者数の増加、ライセンス供与など様々な収入源が増えること。
とくに現在は中東情勢が不安定ということもあって「中東に代わる」市場を確保せねばならず、ポテンシャルの大きな中国市場を「さらに」拡大することは急務なのかもしれません(上海に加え、もうひとつ中国でのF1開催地を確保するなど)。
そしてBYDは豊富な資金を持っているため、BYD自身が自社のコストをもって「F1参戦」を中国市場にてプロモーションしてくれたならば、F1は「ローコストで」中国市場を最大化できる可能性も見えてきます。
F1は「EVメーカーの戦場」へ
もしBYDが参戦を決定すれば(それがいかなる形であろうとも)中国メーカー初のF1本格参戦となり、モータースポーツの歴史を塗り替えることにもなりますが、アウディの参戦、ホンダの復帰に加え、BYDという「EVの巨人」が加わればF1はもはやガソリン車のレースではなく、「世界最強のハイブリッド技術」を競う実験場へと完全に変貌することとなるのかもしれません。
正式な決定やタイムラインはまだ発表されていないものの、上海で行われたという会談は「BYDが本気で世界最速の称号を狙い始めた兆し」「本気で世界中のスーパーカー市場を狙うという決意の現れ」だと言えそうですね。
Tomorrow, Yangwang U9 Officially Debuts in Gran Turismo 7
— BYD Global (@BYDGlobal) April 22, 2026
Yangwang U9 officially arrives in Gran Turismo 7, becoming the first Chinese supercar featured in GT7. We invite players around the world to race on the digital track, immerse yourself in the precise handling and… pic.twitter.com/fLCHlGt72s
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