
| このヴィジョン Vには、メルセデス・ベンツの持つデザイン的資産、技術がふんだんに盛り込まれる |
さらには中国市場が好む要素も「満載」
さて、メルセデス・ベンツが、次世代ミニバンのコンセプトモデル「Vision V(ビジョン・ファイブ)」を上海で世界初公開。
このモデルは、すでに発表されている新型「VLEクラス」「VLSクラス」のデザインプレビューとなっており、従来のVクラスの後継として登場する予定だと見られていますが、サイズ感は、かつて販売されていた「メトリス(Metris)」に近いという印象です。
Image:Mercedes-Benz
レトロフューチャーなデザインが光るEVコンセプト
Vision Vは、メルセデスの**「Electric Van Architecture(EVA)」をベースとした電気自動車。
フロントフェイスは1960年代のW108型Sクラスを思わせるクロームを多用したグリル風デザインが特徴ですが、特筆すべきはその巨大さ(オフィシャルフォトでもこのグリルの大きさを強調している)。
Image:Mercedes-Benz
おそらくこれは「押し出しの強いミニバンを好む」中国市場対策であると思われますが、とはいえ、フロントの「2つの盛り上がり(フードハンプ)」や、24インチのメッキホイールが四隅に配置された「踏ん張り感」など、まるでスポーツセダンのような存在感が見られるのは「メルセデス・ベンツならでは」なのかもしれません。
さらに、Bピラーやウィンドウ周囲のクローム仕上げは、まるでマイバッハのような雰囲気を醸し出しており、このヴィジョンVは「メルセデス・ベンツのラインアップのいいとこ取り」的なデザインを持つといった感じですね。
Image:Mercedes-Benz
ラグジュアリーすぎる内装、まるで空間美術
そして内装においては、もはや「移動するラウンジ」。
Image:Mercedes-Benz
ダッシュボードにはEQXX風の“スーパー・スクリーン”ディスプレイが浮かぶように配置され、アクリル家具を思わせる透明なセンターコンソール、9セクションに分かれたクッション型シートなど、未来感と職人技が融合したインテリアが広がります。
Image:Mercedes-Benz
アンビエントライトは車内全体に配置され、ブルーの間接光で雰囲気を演出し、やはりメルセデス・ベンツらしい優雅さが満載です。
Image:Mercedes-Benz
後席はまさに“ファーストクラス”体験
最も注目すべきは2列目シートで、このラウンジ仕様の独立シートには透明なセンターコンソールが挟まれ、高級なバールウォールナット材が随所に配置されています。
さらに驚くのは、65インチのディスプレイが床から展開し、回転式スピーカーが音場を演出。
Image:Mercedes-Benz
サイドウィンドウもディスプレイに変化し、まるで360度シアターのような体験が可能です。
後席の装備には、チェックボード付きのトレイテーブル、クリスタルのチェスピース収納、カクテルシェイカーセットまで完備。バンというよりも高級サロンと呼ぶべき空間が実現されています。
Image:Mercedes-Benz
市販化も視野に、マイバッハ仕様の登場も?
メルセデス・ベンツは、(驚くべきことに)このVision Vは単なるコンセプトカーではなく、これをベースにした市販モデルを投入予定だとコメント。
「VLEクラス」が新型グランドリムジンシリーズのエントリーモデルとして位置し、「VLSクラス」が上級フラッグシップモデルとして展開され、将来的にはマイバッハバージョンの登場も期待されています。
パワートレインは未発表ながら、モジュール構造のプラットフォームによりEV/ICE(内燃機関)の両対応が可能。今後の商用&高級バンの新たな柱となりそうですね。
Image:Mercedes-Benz

このコンセプトが市販化されれば、バンというカテゴリに革命が起きるかもしれません。今後の展開に要注目。
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参照:Mercedes-Benz