Image：Zeekr
｜ デザインや装備、利便性、EV性能、先進性など「いずれ」を取っても海外の自動車メーカーがこれを打ち負かすことは難しい ｜
勝てる要素があれば「安全性」「品質」くらいかも
さて、中国・吉利汽車の展開するグローバルブランド、Zeekr（ジーカー）より新型ミニバン、MIXIが中国市場にて販売開始。
Zeekrはこれまで（コンパクトクロスオーバー、”X"まで）シャープなデザインを持つことが多かったものの、ここ最近のニューモデルでは滑らかな曲線を持つデザインへとシフトしており、このMIXはその最たる例かもしれません。
見た目がまるで「コンセプトカー」のようではあるものの、これはれっきとした市販車で、5つ星の安全性、業界最高の車内スペース効率、そして手頃な価格（279900元＝現在の為替レートでは約600万円）が特徴です。
Zeekr MIXの室内利用率は93％
このMIXはジーカーだと6番目に市販されるクルマとなりますが、室内使用率（おそらくは車体サイズに比較した室内サイズ）93％という数値を持っており、これは一般的なSUVの「70％」と比較しても極めて高く、ジーカーいわく「業界最高」なのだそう。
このジーカーMIXは吉利汽車の持つSEA-Mモジュラーアーキテクチャに基づいていますが、スケートボード型シャシーの利点を活かしてモノコックシャシーにはできないであろう「観音開きスライドドア」を装備。
その結果入口の幅は1,480ミリにも達し、一方でフロアの高さを390ミリに抑えることでほかに類を見ない乗降性を確保しています。
さらには座席レイアウトにも工夫が見られ、前席は270度回転可能、さらに座席は9種類の配置に調整可能で、すべての座席を倒してベッドとして使うこともできるうえ、可動式のセンタートンネルにはテーブルや冷蔵庫が内蔵されている、とのこと。
They say eyes talk, what do you hear from the eyes of the #ZeekrMIX? pic.twitter.com/aUu4dtLzzn
— Zeekr (@ZeekrGlobal) October 23, 2024
なお、この観音開きスライドドアについては（発売前に）一部で強度に関する懸念が示されていたものの、Zeekrによると「ヒドゥン」Bピラーによて強度を確保しているといい、このBピラーは2000MPaの引張強度を持つほか、車体には7つのアルミニウム部品と一体型のダイキャストリアボディが採用され、その結果としてねじり剛性は37,600Nm/度に達し、BMW X5の31,700Nm/度を上回っていることについても言及済み。
実際のところ高い（ファイブスターの）安全性を確保するに至り、試験では時速60kmで移動する障害物との側面衝突や、2.2トンのコンテナを車の屋根に落とすテストを行ったものの、いずれのテストでも車体構造は変形せず、運転席のドアも正常に開いた、と報告されています。
Fancy a nap, a coffee or even a quick yoga session on your camping adventures? They are all available on the #ZeekrMIX. pic.twitter.com/FM5J6aFRal
— Zeekr (@ZeekrGlobal) October 18, 2024
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Zeekr MIXの車両サイズは4668mm×1995mm×1775mm、ホイールベースは3008mmとかなり大きく、しかし前輪が50度以上回転することで最小回転半径は4.95メートルに収まり、これは現行世代のミニクーパーよりも優小さい数字です。
そのほか、このMIXはルーフにLiDARセンサーを搭載しており、「Haohan 2.0」運転支援システムをサポートしていまが、このシステムは高速道路や都市部での自動運転が可能とされるもので、今後は高精度地図を必要としないNZPシステムが導入されることにより、すべての道路での自動運転が実現することについても触れられています。
なお、センターコンソールには大きなフローティングスクリーンと小型のLCDメータークラスターが配置され、AR（拡張現実）ヘッドアップディスプレイも搭載されるほか、AIを活用した音声操作機能があり、これは車内のどこからでもクルマをコントロールできるシステムなのだそう。
パワートレインは一種類のみで、リアにエレクトリックモーターを搭載し、最大出力は310kW（415馬力）、0-100km/h加速は6.8秒で、76kWhのLFPバッテリーを搭載し、航続距離は550km、さらに5.5C充電技術にも対応しており、バッテリーは10%から80%まで10.5分で充電可能。※ロングレンジバッテリーを搭載すれば航続距離が702kmまで拡大する
こうやって見ると、そのデザイン、実用性、EV性能、新規性などあらゆる面で日米欧のEVに対して優位性があるようにも思われ、このEVが「600万円で買えるとなると」中国の人々にとっては「”海外自動車メーカーのEVを買う理由”を探すことのほうが難しい」のかもしれません。
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参照：Zeekr