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新型ダッジ チャージャー デイトナEVで問題視される“意図しない加速”。「バグではなく、知られざる緊急回避機能」であったことが判明し一件落着

2025/06/05

新型ダッジ チャージャー デイトナEVで問題視される“意図しない加速”。「バグではなく、知られざる緊急回避機能」であったことが判明し一件落着
Dodge

| 「知らなければ危険」、本当に「意図した設計」であったもよう |

予期せぬ加速が話題に:一体何が起きているのか?

2025年モデルのダッジ・チャージャー・デイトナ EVに関してちょっと不思議な現象が報告され、各方面にて大きな話題に。

この件を最初に報告したのは自動車メディア「エドマンズ」で、これによると「アクセルもブレーキも踏んでいないのにクルマがゆっくり加速する」。

しかも、これは一部の個体だけでなく、複数のオーナーが“意図しない加速”を報告していることから問題視されていたわけですね。

NHTSA(米国道路交通安全局)への苦情とStellantisの回答

とあるオーナーがこの現象を米国道路交通安全局(NHTSA)へと報告し、これによって該当の問題が明るみに出たわけですが、その問題について車両メーカーであるStellantis(ステランティス)が以下のように公式に説明を行っています。

  • 車両は暴走するわけではなく、毎秒1マイル(約1.6km/h)程度の緩やかな加速
  • ブレーキを踏めばすぐに停止できる
  • 「緊急用の安全機能」として意図的に設計された動作
The only four-door muscle car in its class — the 2026 Dodge Charger Daytona Scat Pack Plus shown in Bludicrous exterior color.

Image:Dodge

なぜ加速する?その正体は「ドライブ・バイ・ブレーキ」機能

ステランティスによると、問題の原因は「アクセルペダルが故障した場合でも安全に走行できるようにする、”ドライブ・バイ・ブレーキ”なるフェイルセーフ(安全確保)機構」で、この機構は以下を目的として(おそらくはアクセルバイワイヤー採用の)従来のガソリン車でも採用されてきたものではあるものの、EVだからこそ”暴走”というキーワードとともに注目されてしまったということになりそうです。

  • 車を路肩まで移動させる
  • 修理工場に“自走”で向かう

なぜドライバーに通知されないのか?

なお、この問題について実際にエドマンズは車両を用いて検証しており、テスト車両では次のようなエラーメッセージが表示されるとともに「意図しない加速」が見られ、その後、車両は低出力モード(リンプモード)に入り、アクセルを離してもゆっくり加速し、しかしブレーキを踏んで停止した後、車両を再始動すると通常状態に戻ったのだそう。

  • 横滑り防止装置の異常
  • 回生ブレーキの不具合
  • 前方衝突警告のエラー
2026 Dodge Charger Daytona, customized with Fratzog dual stripes with red trim, a new appearance option for 2026 two-door and four-door Charger Daytona models.

Image:Dodge

結論:便利な安全機能。でも“知らない”と怖い

ここで注目すべきは「この機能に関する警告表示や説明が一切なかったこと」で、たしかに「ドライブ・バイ・ブレーキ」は非常時に役立つ賢い安全機能。

しかし、ドライバーに事前に知らされていないと、不安や混乱を招く可能性があり、今後のアップデートで、ダッシュボードに分かりやすい警告や説明が表示されることが望まれます(状況によってはパニックに陥りそうだ)。

💡まとめ:EVが勝手に加速したら…それは“助けてくれている”のかも?

  • ダッジ・チャージャー・デイトナ EVの加速は「バグ」ではなく「フェイルセーフ」
  • アクセル異常時でも走行可能な安全設計
  • ブレーキ操作で停止可能なので慌てず対処を
  • ドライバー向けの情報不足は今後の課題

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参照: Edmunds, CARBUZZ

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