>マツダ(MAZDA)

マツダが謎めいた「ヴィジョンモデル」のティーザー画像を公開。 次期MAZDA6か、それとも未来のEVか?

マツダが謎めいた「ヴィジョンモデル」のティーザー画像を公開。 次期MAZDA6か、それともEVの未来か?

Image:Mazda

| マツダはなかなか「スポーツカー」に本腰を入れない |

はじめに:東京モーターショー改め「ジャパンモビリティショー」で何が起きる?

かつての東京モーターショー、現在のジャパンモビリティショー(JMS)が常に自動車の歴史を刻む重要な発表の場となってきたのは御存知の通りで、かつては日産GT-Rのような象徴的なモデルがここで初めて公開されたように、今年のショーもまた、様々なニューモデルが登場することになりそうです。

トヨタはすでに「センチュリークーペ」「6輪レクサス」の公開を示唆していますが、今回注目を集めているのはマツダが公開した一枚のティーザー画像。

一見すると、低く構えた2ドアのスポーツクーペを思わせる流麗なシルエットではあるものの、画像を詳しく解析すると、その正体は全く違うことが見えてきます。

なんだCMの話だったのか・・・。トヨタが24日間も「引っ張った」新しい発表とは「5ブランド」CM戦略。センチュリークーペ、レクサス6輪、GRの未来とは【動画】
なんだCMの話だったのか・・・。トヨタが24日間も「引っ張った」新しい発表とは「5ブランド」CM戦略。センチュリークーペ、レクサス6輪、GRの未来とは【動画】

Image:TOYOA | 期待された「GR」「レクサス」スーパースポーツの発表はなされず | トヨタ「5ブランドプロジェクト」始動の背景:CM戦略の転換点 2023年10月13日、トヨタは(予告通り ...

続きを見る


1. ティザー画像を解析:クーペの皮をかぶった「4ドア」の正体

マツダが公開したティザー画像を注意深く見てみると、最初に受ける「コンパクトな2ドアクーペ」という印象が覆され、流れるようなルーフラインと短いリアデッキを持つシルエットは美しいクーペを連想させるものの、画像処理ツールを使用して「明るく」してみると、Bピラー(中央の柱)の輪郭と前席ドアの後端が確認でき、これはつまり、このコンセプトカーが4ドアであることを示しているわけですね。

Mazda-Vision2

近年、「4ドアクーペ」というジャンルは珍しくありませんが、マツダが発表を予告したこのモデルは、SUVやクロスオーバーが主流となる時代に、あえてセダン(または4ドアクーペ)のフォルムを追求するという、マツダらしい独自の哲学を貫いていることがわかります。

マツダはなぜ新型CX-5で大きくインテリアを変更し、これまで「物理スイッチ中心」だったものを「タッチ中心」としたのか?やはり「中国の影響」も
マツダはなぜ新型CX-5で大きくインテリアを変更し、これまで「物理スイッチ中心」だったものを「タッチ中心」としたのか?やはり「中国の影響」も

Image:Image | マツダは新型CX-5の内装において大きくインターフェースを変えてきた | ミニマリズムは正義? それとも使いにくい? マツダは先日、ベストセラーモデルであるCX-5の第3世 ...

続きを見る

デザインの注目点:カメラミラーと未来志向

デザイン面では、幅広のフロントシートとヘッドレスト、従来のガラスミラーではなくカメラを内蔵したと思われるスリムなドアミラーなど、未来的な要素も確認可能。

しかし、全体的なプロポーションやクリーンな面構成は、現在のマツダの「魂動デザイン」の美学を忠実に受け継いでおり、いわば「マツダ3の4ドアクーペ」といった印象も。

【マツダEZ-60】中国市場で若年層に大反響。「先端技術」「広い室内」が評価され、これまでのマツダの「人馬一体」が見向きもされず
【マツダEZ-60】中国市場で若年層に大反響。「先端技術」「広い室内」が評価され、これまでのマツダの「人馬一体」が見向きもされず

Image:MAZDA | 最先端HUDやスマートコックピットを搭載したマツダの新型EV、EZ-60が重慶モーターショーに登場 | マツダはもはや「マツダらしさ」を捨てるべきか 2025年6月に入って ...

続きを見る


2. パワートレインの予測:ロータリーEVか、次世代SKYACTIVか?

このヴィジョンモデル(Vision Model、まだ正式名称は公開されていない)は、デザインだけでなく、マツダの次世代パワートレイン戦略のヒントを提供している可能性があるとも推測されており、ショーのテーマが「サステナビリティ(持続可能性)」に重点を置かれていることを考えると、このコンセプトが以下のいずれかを予告しているのかもしれません。

  1. 電気自動車(EV):フルバッテリーEV(BEV)モデル
  2. Skyactiv-Zパワートレイン搭載車:マツダの次世代エンジン技術を搭載

また、マツダはカーボンニュートラル燃料や藻類ベースの燃料研究など、代替燃料技術にも積極的であるため、内燃機関(ガソリンエンジンなど)をベースとしたコンセプトである可能性も完全に排除できず、しかしいずれにせよ、マツダは「走る楽しさ(ドライビング・プレジャー)」と「クリーンな推進力」を両立させる方法を模索していることが窺えます。

マツダEZ-60が中国で異例の大ヒット:3週間で2万台の予約、「合弁EV」では過去最速ペースでの受注を達成。予約金はなんと「200円」
マツダEZ-60が中国で異例の大ヒット:3週間で2万台の予約、「合弁EV」では過去最速ペースでの受注を達成。予約金はなんと「200円」

Image:MAZDA | マツダ初の本格EV SUV「EZ-60」、中国で爆発的なスタート | 現在は「市販」に向け最終テスト中 マツダの電動SUV「EZ-60」が、中国市場で異例の注目を集めている ...

続きを見る


3. 現実味を帯びた「Vision Model」:次期MAZDA6の姿か?

このクルマは「Vision Model(ビジョンモデル)」として発表されるため、公式としては「コンセプトカー(マツダはコンセプトカーに「ヴィジョン」という名称を与えることが多い)」。

しかし、マツダには過去のコンセプトカーを市販車に忠実に反映させてきた歴史があり・・・。

  • 2011年の「Takeri(雄)」コンセプト → 翌年のMAZDA6(アテンザ)にほぼそのまま移行
  • 2017年の「VISION COUPE」コンセプト → 現行のMAZDA3/CX-30以降のデザインに大きな影響を与え、次期MAZDA6のプロトタイプとして長らく期待された

この実績から、今回のVision Modelも単なる抽象的なショーカーではなく、数年後のショールームに並ぶ市販車のプロポーションや意図を色濃く反映していると見て間違いなく、特に、MAZDA6(アテンザ)の後継となるFRベースのラージ商品群(直列6気筒エンジン搭載)の高級4ドアクーペのプレビューであるという見方が強いようですね。

マツダが近未来的な「EZ-6」を発表。中国にてデザイン・開発された現地企画車第一号、MAZDA6の後継として展開される可能性も
マツダが近未来的な「EZ-6」を発表。中国にてデザイン・開発された現地企画車第一号、MAZDA6の後継として展開される可能性も

| すべての要素が新しく、EZ-6は人気が出そうなデザインを持っていると思われる | マツダは現地の要望を取り入れ、中国市場の嗜好をうまく取り入れたようだ さて、マツダが中国モーターショーにてミドルサ ...

続きを見る


まとめ:マツダの「独自路線」は続く

新型CX-5のグローバルデビューや、CO2回収技術、RX-7(FD3S)、次世代燃料を用いた車両など、マツダのジャパンモビリティショーでの出展内容は非常に多岐にわたります。

そんな中、この謎めいた4ドアクーペは、SUV全盛の時代にあっても、マツダが美しいデザインとセダンフォルムにこだわり続け、そして電動化や代替燃料によって「人馬一体」の走りの楽しさを守り続けるという、同社の強い決意を示す存在そのものといえるのかもしれません。

願わくば、マツダに「スポーツカーを発売してほしい」ものですが、今はまだSUVやセダンによって「ベースを強化し財務体質を確固たるものにする」時期であるとも考えられ、現在は「忍」の一文字なのでしょうね。

合わせて読みたい、マツダ関連投稿

独立系デザイナーが自身の考えた「マツダRX ヴィジョン GT3コンセプト」を公開。マツダのオリジナル版に比較してアグレッシブなエアロパーツが与えられる【動画】
独立系デザイナーが自身の考えた「マツダRX ヴィジョン GT3コンセプト」を公開。マツダのオリジナル版に比較してアグレッシブなエアロパーツが与えられる【動画】

Heavenz Art / youtube | マツダは「RX ヴィジョン コンセプト」をトヨタと共同にて開発し、発売を計画しているとも言われているが | 現時点では確たる情報がなく、なんらかの公式発 ...

続きを見る

トヨタGR GT3コンセプトとマツダRX ヴィジョンGT3コンセプトが激似?もしかすると両社が共同にてスーパースポーツを開発するのではというウワサ
トヨタGR GT3コンセプトとマツダRX ヴィジョンGT3コンセプトが激似?もしかすると両社が共同にてスーパースポーツを開発するのではというウワサ

| たしかにこれは「他人の空似」で片付けることはできないレベル | トヨタ、マツダともにスーパースポーツを作りたいという夢を持つものの、それぞれ単独では動けず、となると両者のタッグは現実的 さて、トヨ ...

続きを見る

マツダが世界を変えるはずだった「SKYACTIV-X」とは一体何だったのか?採用車種の拡大が進まず販売比率も低いまま、米国市場には導入されておらずコストを回収できない可能性も
マツダが世界を変えるはずだった「SKYACTIV-X」とは一体何だったのか?採用車種の拡大が進まず販売比率も低いまま、米国市場には導入されておらずコストを回収できない可能性も

| もしスカイアクディブXが触れ込み通りの性能であれば、実際に世界は変わっていたのかもしれない | しかしそれでもコストが高く、総合的なコストパフォーマンスはハイブリッドに劣る可能性も さて、マツダは ...

続きを見る

参照:MAZDA

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->マツダ(MAZDA)
-, , , , ,