| すべての要素が新しく、EZ-6は人気が出そうなデザインを持っていると思われる |
マツダは現地の要望を取り入れ、中国市場の嗜好をうまく取り入れたようだ
さて、マツダが中国モーターショーにてミドルサイズのエレクトリックセダン「EZ-6(イージーシックス)」を発表。
なお、EZ-6のほかに「EZ-60」と命名されたPHEVバージョンも投入されており、来年以降に中国市場へと(両者ともに)投入される、とアナウンスされています。※現時点ではパワートレーン詳細についてアナウンスされておらず、しかしBEVバージョンでは航続距離600km、PHEVでは1,200kmを想定
このマツダEZ-6/EZ-60はマツダの現地のパートナー、長安汽車との共同出資にて設立された長安マツダが製造・販売するもので、現地メディアによれば長安汽車が自社にて展開しているディーパル/シェンランSL03(セダン)、S7(SUV)と同じプラットフォームを採用する、とのこと。
マツダ EZ-6はこんなクルマ
そこでまずは詳細が発表されているBEVバージョン、EZ-6について見てみると、全体的な雰囲気は「マツダ」ではあるものの、ヘッドライトやグリル、ドアハンドルなどに独自性が見られ、これは魂動デザインを電動化時代に対応させたデザインテーマ「Authentic Modern / SOULFUL + FUTURISTIC x MODERN」を採用しているため。
ボディサイズは全長4,921ミリ、全幅1,890ミリ、全高1,485ミリというけっこう大きなクルマで、駆動方式はRWD、乗車定員は5名です。
分類としては「セダン」ではあるものの、中国で好まれるクーペ風のシルエット(ドアはサッシュレス)やフラッシュマウント式ドアハンドル、細長いヘッドライトを持ち、強く現地の志向を意識したことがわかります。※ただしアウディのコンセプトカー「グランドスフィア」にちょっと似ている
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ただしマツダらしく「走り」にもこだわっており、前後重量配分は50:50、サスペンションはフロントにストラット/リアにはマルチリンク、そしてブレーキやステアリングシステムにもチューニングが施されることで「人馬一体感」を体感できるクルマに仕上がったとのこと。
ホイールはEVらしい「ディッシュ(タイヤサイズは245/45R/19)」、そして平時は空気抵抗を低減させつつも高速走行時には車両の安定性を高める電動格納式リアスポイラーが装備されています。
テールランプもマツダらしさを残しつつ、中国市場で好まれる「車両全幅に渡る」フルワイズ型、そしてフラッシュサーフェス。※2つのウイングを重ね合わせた”クロスウイング”デザインだと表現されている
そのほか、高度な運転支援を誇る「インテリジェントドライブ機能」、車外から音声操作にて車両を動かすことができるインテリジェントパーキング機能、音声、タッチ、ジェスチャーなど様々な方法での操作が可能なスマートキャビンといった「中国向け」装備が多々見られ、さらにルーフも中国ではもはや必須となったグラストップ。
マツダEZ-6の価格や発売日は?日本への導入は?
現時点で新型マツダEZ-6の価格や発売日についてはアナウンスされておらず、長安マツダ(長安マツダ汽車有限公司)によると「近日発表」。※長安汽車はすでにベースとなるプラットフォームとコンポーネントを持つため、発売までそう長く待つ必要はなさそうだ
このEZ-6は長安マツダによって開発・製造される新エネルギー車(NEV)第一弾となりますが、いまのところ「中国で発売」とだけ紹介されているために他の国や地域での発売については一切不明。
ただしマツダは中型セダン「マツダ6」の生産終了に伴いこのセグメントのクルマを持たないメーカーとなってしまうので、いずれかの形でこの後継モデルを追加せざるを得なくなるのは間違いなさそう。
ちなみにですが、マツダは欧州にて「MAZDA 6e」なる商標を出願しており、これはマツダ6の後継モデルを示す可能性が高く、かつ「e」というところからするとEVもしくはPHEVである可能性が高く、となるとこのEZ-6が欧州へと持ち込まれるのでは、とも考えられます。
もちろんマツダが(プレミアムを推進するというブランディング上)中国の自動車メーカーの「ほぼOEM」車を欧州にて販売するかどうかという問題はあるものの、現在の環境を考慮するに、時間をかけて自社で新型車を開発することはできず(これはマツダのみではなくどの自動車メーカーにとっても同じである)、背に腹を代えることはできないのかもしれません。
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そしてマツダは「創ARATA(アラタ)」なるコンセプトカーも発表しており、こちらはEZ-6に次ぐ長安マツダのオリジナルNEV第二弾で、やはりマツダらしいデザインを踏襲しつつも新しいデザインが盛り込まれた近未来的な一台です。※ドアミラーなどを見るとまだまだ市販までには多くの手直しが入りそうだ
マツダは「急速に進行しつつある中国での電動化」に対応し、より多くの顧客の要望に対応すべくこれらのEVを発売すると述べていますが、マツダの代表取締役社長兼CEO、毛籠勝弘氏はこれらについて「マツダの強みと長安汽車の持つ電動化技術を融合させたクルマ」だと表現しており、中国でのビジネスを反転させ攻勢に転じること、そしてこれまでの「走る歓び」を進化させ「生きる歓び」を提供することについても言及していて、今後はこういった展開が中国以外にも波及する可能性が感じられます(近い将来、中国で行われたデザインがワールドワイドに展開される可能性もありそうだ)。
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