
Image:Volkswagen
| トゥカンはVWがフォード・マーベリックを迎え撃つ期待のニューモデル |
【この記事の4点まとめ】
- VWブラジルが新型「Tukan(トゥカン)」を発表: フォード・マーベリックのライバルとなる小型ピックアップ
- 総額52億ドルの超巨額投資: ブラジル市場への再注力を象徴する、2027年生産開始の戦略モデル
- 鮮烈な「カナリア・イエロー」の意味: ブラジルの国鳥や歴代の名車へのオマージュを込めたデザイン
- フォルクスワーゲンの命名法則:VWはこれまで一定の法則に基づく命名を行ってきた
フォルクスワーゲンが小型トラック市場を揺るがす「Tukan(トゥカン)」とは?
フォルクスワーゲン(VW)のブラジル法人が、新型小型ピックアップトラックのティーザー画像を公開し、その名は「Tukan(トゥカン)」。
北米で爆発的な人気を誇るフォード・マーベリックや、日本でも注目度が高まりつつあるピックアップ市場をターゲットにしたクルマではありますが、VWが南米市場、ひいてはグローバルなトラック戦略を再定義するための「切り札」だと見られています。
52億ドルの投資と2027年の生産開始
今回の「Tukan」発表は、VWブラジルが進める約52億ドル(約7,800億円)規模の巨額投資計画の象徴で・・・。
- 生産拠点: ブラジルのサン・ジョゼ・ドス・ピニャイス工場
- 生産開始予定: 2027年内
- 背景: FIFAワールドカップのブラジル男女代表チームの公式スポンサーシップも同時に展開。ティーザー画像にて示された鮮やかなイエローは、ブラジル代表の愛称「カナリーニョ(小さなカナリア)」とも深く結びついている
特徴的なデザインと「奇妙な名前」の由来
「Tukan(トゥカン)」という名前を初めて聞いたとき、多くの人が熱帯の鳥「トウカン(オオハシ)」を思い浮かべるかもしれません。※画像にもちょっとだけ写ってる
実際のところ、VWブラジルのフェルナンド・シウバ副社長は、「この名前は地域のアイデンティティと独自性を表している」と述べており、熱帯の鮮やかな色彩を持つ鳥のように、地域の風景に溶け込みつつ、圧倒的な存在感を放つことを目指しているのかもしれません。
フォルクスワーゲンはこんな命名法則を持っている
そこでこれまでのフォルクスワーゲンの命名法則を見てみると・・・。
1:風・気象現象が由来の名前(伝統的パターン)
VWでいちばん有名な命名ルールでもあり、この流れは1970〜90年代のVWを象徴する命名ですね。
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- Passat(パサート)
→ 貿易風(偏西風の一種) - Golf(ゴルフ)
→ メキシコ湾流(Gulf Stream)が由来という説が有力 - Jetta(ジェッタ)
→ ジェット気流(Jet Stream) - Scirocco(シロッコ)
→ サハラ砂漠から吹く熱風 - Bora(ボーラ)
→ アドリア海沿岸の強風 - Vento(ヴェント)
→ イタリア語で「風」
参考までに、「ボーラ」は中国だと「宝来(読み:ばおらい)」という文字が当てられ、非常にめでたい命名がなされていたことが記憶に残ります。
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2:SUV専用の命名ルール
SUVだと「T」を最初に用いるのが現在の通例。
はじまりは「トゥアレグ」だと思われ、この成功にあやかったのかもしれません。※欧州の人々にとってアフリカは旅愁を誘うエキゾチックな地でもあり、初のSUVを発売するに際してアフリカの民族名「トゥアレグ」を採用した
そして今回のトゥカンは「SUV枠」として、「Tからはじまる」命名を持つクルマだと捉えることも可能です。
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- Tiguan
→ Tiger+Iguana の造語 - Touareg
→ サハラの遊牧民族 - T-Roc
- T-Cross
- Taigo
- Teramont(中国)
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3:電気自動車(ID.シリーズ)
EVは完全に別ルール。
ただし今後は「これまでの車種名」と(ID.ポロのように)組み合わせられるという話も出ており、この決まりが変更される可能性が非常に高くなっています。
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なお、「ID」は” Intelligent Design / Identity / Innovation”などを意味するサブブランド名である、と設立当時にアナウンスされていますね。
- ID.3 / ID.4 / ID.7
→ 数字=車格 - ID.Buzz
→ 旧Type2(ワーゲンバス)へのオマージュ
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4:例外・ユニーク枠
VWは時々、ルールを外した名前も使います。
- Beetle(ビートル)
→ 公式名称ではなく愛称が定着 - Arteon
→ Art+eon - Phaeton(フェートン)
→ ギリシャ神話由来(かなり異色)
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こういった例を見ると、これまでにもいくつかの例外はあるものの、今回の「Tukan(トゥカン)」という命名が「ちょっと異色」ということがわかるかと思います。
ただ、フォルクスワーゲンは「ティグアン(Tiguan)」にて、「タイガー」と「イグアナ」をミックスした造語を誕生させており、意外と「動物好き」なのかもしれませんね。
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