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ステランティスが設立以来初の年間純損失と巨額赤字を計上する可能性。EV戦略の「巻き戻し」が招いた3.5兆円の代償とは

マセラティ

| ステランティスが抱えるブランドを見るに、ここからの巻き返しは難しいかもしれない |

EVシフト「失敗」の代償はあまりに高かった

2021年にフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とPSAグループが合併して誕生した巨大自動車グループ、ステランティス(Stellantis)。

同社は現在「歴史的な岐路」に立たされており、決算発表を目前に控えて「設立以来初となる年間赤字を計上する可能性」があるもよう。

これは「クルマが売れない」という事情ばかりではなく、急進的すぎた電気自動車(EV)シフトの修正に伴う、約220億ユーロ(約3.5兆円)という巨額の経費が経営を直撃したためだと報じられています。※決算発表前にこの情報を出したのは、決算で「いきなり赤字」を報告すると衝撃が大きすぎるためだと思われる

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この記事のポイント(30秒でわかる要約)

  • 歴史的赤字: 2025年度の通期決算において、グループ誕生以来初の営業赤字を計上する見込み
  • EV戦略の修正: EVロードマップの縮小・撤退に伴う減損処理などで220億ユーロの巨額コストが発生
  • 下半期の失速: 2025年上半期は黒字だったものの下半期に最大15億ユーロの営業損失を計上し通期で赤字へと転落
  • 新体制での再建: 2024年末に就任したアントニオ・フィローザ新CEOは2026年の黒字復帰を投資家に約束

EVへの「過賭け」がもたらした巨額の請求書

ステランティスが直面している苦境は皮肉にも環境規制への適合を急ぎすぎた結果でもあり、前CEOのカルロス・タバレス氏が進めた急進的な電動化計画は「市場のEV需要の伸び悩みと在庫の積み上がり」、そして高価格化による顧客離れを招いています。

よってステランティスはこのロードマップを「現実的な路線」へと修正するためとして工場設備の減損や開発の中止など、約220億ユーロという天文学的なコストを支払うことになったというわけですね。

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2025年度 業績予測(推計)

2025年下半期の急速な悪化がグループ全体の数字を押し下げており・・・。

期間調整後営業利益 (予想)状況
2025年 上半期5億ユーロ (約800億円) の黒字販売不振が表面化し始める
2025年 下半期12億〜15億ユーロ (約1,900〜2,400億円) の赤字EV関連の減損コストが集中
2025年 通期約7億〜10億ユーロの営業赤字設立以来初の年間赤字

新CEOアントニオ・フィローザの「2026年黒字化」公約

混乱の責任を取る形で退任したカルロス・タバレス氏に代わり、2024年後半から指揮を執るアントニオ・フィローザCEOには非常に重いタスクが課せられているというのが現状で、フィローザ氏は今月、投資家に対し以下の再建策を提示しています。

  1. 内燃機関(ICE)の有効活用: 完全なEV化を急がず、需要の高いガソリン車やハイブリッド車(PHEV)のラインナップを維持・強化
  2. 北米市場の在庫整理: 苦戦しているジープやラム(RAM)の在庫を適正化し、販売奨励金の最適化を図る
  3. コスト削減の徹底: ブランド間でプラットフォームの共有をさらに進め、開発効率を最大化

同氏は「2026年には必ず利益を出す体質に戻る」と断言しており、2025年はこの膿を出し切るための「痛みの年」と位置づけているようですね。

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業界全体のトレンド:EVの「踊り場」に苦しむ巨人たち

この苦境はステランティスに限ったことではなく・・・。。

  • フォード(Ford): EV部門「Model e」が年間で数十億ドルの損失を出し、投資を削減
  • GM(General Motors): EV生産目標を引き下げ、ハイブリッド車の再投入を急いでいる最中

かつて「EVで先行しなければ生き残れない」と言われた業界の定説は、いま「消費者が求める現実的な価格の車を提供しなければ生き残れない」という原点へと回帰しています。

フォードが決算を発表しEV部門で82億ドルの赤字を計上、しかし撤退ではなく「さらにこの道を突き進む」。これでこそフォード
フォードが決算を発表しEV部門で82億ドルの赤字を計上、しかし撤退ではなく「さらにこの道を突き進む」。これでこそフォード

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結論:ステランティスは「再起動」できるのか

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14ものブランドを抱えるステランティスにとって、この巨額赤字は深刻な警告です。

しかし、220億ユーロのコストを支払ってでも戦略を修正したことは長期的な生存のための「外科手術」とも言えるもので、アルファロメオ、マセラティ、ジープといった個性豊かなブランドがこの危機を乗り越えて「消費者が欲しくなる車」を提供し続けられるのかどうか。

2026年の復活劇に向けた、フィローザCEOの手腕に注目したいと思います(正直、損な役割を押し付けられて大変だとは思う)。

【新CEO誕生】ステランティス、苦境と波乱の中でジープCEO出身のアントニオ・フィローザ氏を新CEOに任命
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参照:Motor1

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