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【完全解剖:フェラーリの心臓部】自然吸気V12からターボチャージャー、塀ブリッドを経て驚異の次世代EVへと至るパワートレインの進化論【動画】

フェラーリ296GTBのエンジンルーム

| フェラーリは過去の栄光にすがらず、常に進化する |

この記事のポイント(要約)

  • フェラーリの進化の歴史:自然吸気、ターボ、ハイブリッド、EVへの軌跡を解説
  • 伝説のV12エンジン「125 S」から最新「12チリンドリ」が誇る圧倒的な高回転・高出力性能
  • F1技術の結晶「E-ターボ」がもたらす、ターボラグ・ゼロの衝撃(最新モデル「F80」搭載)
  • モーターとエンジンの融合が実現する、かつてないリニアなドライビング・ダイナミクス
  • 重心最適化による次世代EVの驚くべき可能性(最高時速310km、0-100km/h加速2.5秒)

フェラーリのパワートレインは「常にフェラーリによって設計され、製造されるべき」

多くの人にとって、フェラーリの魅力といえば、官能的なエンジン音と圧倒的なパフォーマンスではないかと思われます。

しかし、フェラーリは決して過去の栄光にすがるブランドではなく、創業者エンツォ・フェラーリの「ノスタルジーの重みに囚われず、常に進化し続ける」という哲学のもと、彼らは常にクルマの心臓部である「パワートレイン」に革新をもたらしてきた、という歴史が存在するのもまた事実。

フェラーリとのコラボによるモンブランのインク「エンツォ・フェラーリ」とミニカー

そして時代は「電動」へとシフトしつつあるものの、フェラーリは多くの自動車メーカーがそうであるように、「エレクトリックモーターをサプライヤーからの供給に頼る」のではなく自身で製造する道を選んでおり、それは「常にクルマの心臓部(パワートレイン)はフェラーリ自身が自ら作るべきだから」。

パワートレインの形式は、単に動力を生み出すだけでなく、クルマの重心やドライビングの特性(キャラクター)を決定づける極めて重要な要素でもあり、ここで「フェラーリのパワートレイン」について見てみましょう。

フェラーリのパワートレインにはこんな種類がある

今回フェラーリは「公式解説シリーズ、Ferrari Unpacked」のエピソード3を公開しており、その内容がズバリ「パワートレイン(Powertrain)」。

動画内では、「燃焼から磁場へ(つまりガソリンエンジンからエレクトリックモーターへ)」というテーマにて、フェラーリのパワートレイン技術がどのように進化してきたかが語られており、90年以上にわたるモータースポーツの世界で培われた最先端の技術(F1やル・マンで活躍する499Pのノウハウなど)が、いかにして惜しみなく市販車へとフィードバックされ、次世代のハイブリッドやEV(電気自動車)へと繋がっているのかが、非常に論理的かつ情熱的に解説されています。

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自然吸気(NA)エンジンの芸術

フェラーリの伝説は自然吸気エンジンから始まっており、シリンダー内で空気を圧縮し、爆発させる一連のサイクル(ボイルの法則に基づく)の中で、エンジン構造への負担を減らしつつ高回転を実現するために導き出されたのが「シリンダーをV字型に配置するレイアウト」。

最初のモデルである「125 S」に搭載されたV12エンジンは、力を分散させることで極限のパフォーマンスを引き出すことに成功し、最新の「12チリンドリ(Dodici Cilindri)」では、最高回転数9,500rpm、830馬力という途方もないパワーを誇ります。

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ターボエンジンによる革新と「E-ターボ」の誕生

排気ガスのエネルギーを再利用するターボチャージャーは、同じ排気量でより多くのパワーを生み出します。

しかしターボ普及当初は「ターボラグ(パワーが遅れて急激に立ち上がる現象)」という課題が立ちはだかり、それでもフェラーリは1984年にグループBラリー参戦のために開発されたV8ツインターボ搭載の「GTO」などを通じ、そして電子制御技術の発展によりラグをほぼ解消させることに成功するわけですね(最新のV8ツインターボでは、ギアによって過給圧を変更するなど、細かい制御を行っている)。

フェラーリ・849テスタロッサのエンジンルーム(V8ツインターボ)

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そして最新の「F80」では、F1由来の「E-ターボ(タービンの間に電動式小型モーターを配置)」を採用し、排気圧が低い状態でもモーターがタービンを回すことで「ゼロ・ターボラグ」を実現しています。

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ハイブリッドとEVがもたらす究極のダイナミクス

現代のフェラーリはガソリンエンジン(徐々にパワーが増す)とエレクトリックモーター(瞬時に最大パワーを発揮する)とを完璧に融合させており、ブレーキ時のエネルギーを回収する「KERS(運動エネルギー回生システム)」によって電力をバッテリーに貯蔵し、その電力を必要な時に放出して即座にブーストをかけることが可能です。

フェラーリ 849テスタロッサのハイブリッドシステム

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さらに完全電気自動車(BEV)であるルーチェにおいては、重いバッテリーをフロア(床面)に敷き詰めることによってガソリンエンジン車よりも圧倒的に低い重心を実現でき、これによって今まで以上にリニアで魅力的なドライビング体験が可能になっているというわけですね。

そしてこのルーチェの車体構造は、これまでのガソリン車では「車体とパワートレイン」とに分断されていたパッケージを「融合し、不可分なものとした」、あるいは「最初から融合させた状態で車体そのものを設計した」とも捉えることが可能な革新的な存在です。※電動化によって、パワートレインはそれ単体で考えるものではなくなったのだとも捉えることができる

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フェラーリのパワートレインごとの特徴、概要など

さらにフェラーリは、単に環境対応のために電動化を進めている他メーカーとは異なり、「パフォーマンスとドライビングの楽しさを最優先」してハイブリッドやEV技術を導入しています。

ここで歴代の名車と最新モデルのスペック・特徴をまとめてみると以下の通り。

モデル名パワートレインの特徴性能・スペック・市場での位置付け
125 SV型12気筒 自然吸気フェラーリ初のモデル。V12伝説の幕開け。
12チリンドリV型12気筒 自然吸気最高出力830馬力、最高回転数9,500rpm。V12の極致。
(288)GTOV8 ツインターボグループB向けに開発。近代フェラーリ初のスーパーカー(272台生産)。
296 GTBV6ターボ + リアモータードライバー中心に設計された、新世代のV6ハイブリッドモデル。
849 テスタロッサV8ツインターボ + 3モーター圧倒的なパフォーマンスを追求したハイブリッド構成。
F80V6 + E-ターボ + 3モーターF1およびレーシングカー「499P」の技術を統合。ターボラグ・ゼロを実現した最新鋭機。
Luche(ルーチェ) 完全電気駆動(EV)最高時速310km/h、0-100km/h加速わずか2.5秒。フロアバッテリーによる超低重心。
フェラーリ12チリンドリに積まれるV12自然吸気エンジン

結論

フェラーリのパワートレインの歴史は、常に「物理学の限界」と「ドライビングの歓び」への挑戦ともいえるもの。

自然吸気V12エンジンの咆哮から始まり、ターボチャージャーによるパワーの底上げ、そして現在ではF1直系のE-ターボやハイブリッド技術によって「ターボラグの完全排除」という理想を実現しています。

加えて、これから本格化するEV時代においてもフェラーリは妥協を許さず、エレクトリックモーター特有の「瞬時に立ち上がるリニアな加速」、そして床下にバッテリーを配置することによる「究極の低重心化」という組み合わせによって、内燃機関(ICE)車以上のエンターテインメント性がドライバーに提供されることになるのは間違いなさそう。

「ノスタルジーの重みに囚われない」。

この言葉通り、パワートレインがガソリン(爆発)から電気(磁場)へと変わろうとも、革新を続けるフェラーリのクルマ作りは、これからもぼくらに新しい驚きと最高の共感を与えてくれるものと信じています。

フェラーリ 296GTBに積まれるV6ツインターボエンジンとハイブリッドシステム

フェラーリが公開した技術解説動画「第三弾」はこちら

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参照:Ferrari(YouTube)

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