
Image:Ferrari
| 「初回」にしてはフェラーリはけっこう多くの情報を公開してきた |
意外なのはフロアにバッテリーを敷き詰めたことである
さて、フェラーリが「初」となるEV、エレットリカ(市販時の名称は別のものとなる可能性がある)についての情報を公開。
ちなみにですが、フェラーリは伝統的に「エンジン」を重視していて、そのため新型車発表の際には「まずエンジン」から説明に入ることで知られており、そして今回のエレットリカについても、その例に漏れず「パワートレーンの紹介から」入っているのが興味深いところです。
-
-
フェラーリ、初のEVの名称が「エレットリカ(Elettrica)」となることを年次株主総会の中にて正式発表。インホイールモーター採用か
| フェラーリは「EVであっても」フェラーリらしさを忘れない | しかし、フェラーリファンを「黙らせる」EVを作ることは容易ではないだろう フェラーリは、ラグジュアリーかつスポーツ性能を極めたクルマづ ...
続きを見る
フェラーリ「エレットリカ」はこんなパワートレーンを持っている
まず、このエレットリカには「4つの独立したエレクトリックモーター」が与えられ、つまり4輪それぞれを個別のモーターで駆動するということに。
これらエレクトリックモーターには「F1からフィードバックを受けた」ハルバッハ配列を持つローターが組み込まれており、フロントアクスルだと105kW(140馬力)、リアアクスルでは310kW(421馬力)を発生すると紹介されており、これらは「1個あたり」の数字なので、前輪は284馬力、リアだと842馬力、そして合計では1,126馬力という計算に。※ただし個別のモーターでの最高出力合計がシステム合計出力になるわけではない
もちろんこれらモーターはフェラーリが独自に設計・製造するとされ、「サプライヤーからの供給を受けない」のは「パワートレーンはあくまでも自分たちで製造するべきである」というガソリンエンジン時代からの哲学に基づくもの(それはエレクトリック時代であろうとも変わらない)。
Image:Ferrari
フェラーリ「エレットリカ」のシャシーはスケートボード型
そしてこのエレットリカのシャシーは(意外なことに)スケートボード型。
この構造だとシートポジションが「どうしても高くなってしまう」ため、自ずとボディ形状が決まってくるのだとも考えられます。※フロントシートは「かなり前」に取り付けられると説明されており、よって独特のスタイリングを持つのかも
Image:Ferrari
バッテリー動作電圧は800V、85%は前後アクスルの間に、そして残り15%はリヤシートの下に取り付けているそうなので(取り外しが可能)、この時点で「リヤシートがある」ことが確定ですね。
なお、冷却効率に優れ「サーキット走行も可能」だとされるため、後席があるといえど、それは紛れもないフェラーリなのかもしれません。
Image:Ferrari
足回りにはもちろん「アクティブサス」が採用され、しかしこれはプロサングエ、F80から「進化」したもので、2kgの軽量化が達成されている、ともアナウンスされています。※後輪ステアリングも装備
Image:Ferrari
そのほか、今回公開された情報だと「0-100km/h加速2.5秒」「最高速度310lm/h」というパフォーマンスが呈示されており、これはガソリンエンジン搭載モデルと比較しても遜色のない数字です(ガソリンエンジン搭載モデルで現在もっとも加速性能に優れるのはSF90 XXストラダーレの2.3秒、最高速だとラ・フェラーリの”350km/h以上”がもっとも高い。なおF80は現在開発中でありスペックは最終的に確定していないが、目標値は2.15秒 / 350km/hである)。※航続距離は「520km以上」
Image:Ferrari
気になる「サウンド」については「フェイク」ではなく、実際に回転するパーツから降りだした音を「増幅」して乗員に届けると説明されていて、この段階で「好ましくないノイズ」をキャンセリング技術によって除去することにより”新世代パワートレーンの個性を主張するサウンド”を作り出しているのだそう。
Image:Ferrari
フェラーリはエレットリカにつき「段階的に」詳細を述べてゆくとコメントしていますが、今回は「初回にしてはけっこう多くの情報を出してきたな」という印象があり(しかも、かなり凝った日本語対応サイトを作ってきている)今後の情報提供にも期待したいところですね。
合わせて読みたい、フェラーリ「エレットリカ」関連投稿
-
-
フェラーリ初のEV「エレットリカ(Elettrica)」、中国市場での切り札に?
| フェラーリ・エレットリカは「中国市場にマッチした」条件を持っており、最大のターゲットは中国なのかも | フェラーリが中国でエレットリカを大量に販売したとしても、それがブランドイメージや中古市場に与 ...
続きを見る
-
-
【いったいなぜ?】フェラーリ初のEV「エレットリカ(Elettrica)」の公開は3段階に分割へ|フル公開は2026年春に延期
| フェラーリ初の電気自動車、ついにそのベールを脱ぐ?しかし、全貌はしばらく先に| フェラーリの新型SUVの全容がわかるまでにはもう少し待たねばならない さて、フェラーリが2025年10月9日に開催予 ...
続きを見る
-
-
フェラーリが初のEV、”エレットリカ”に「バーチャルエンジン&ギアシフト」搭載へ:感情に訴える走りを電気自動車においても再現か
| フェラーリのEVに対する人々の期待は非常に大きい | フェラーリは絶対に顧客を失望させることはできず、むしろ「期待の上」を行かねばならない さて、フェラーリは10月9日にブランド初となる電気自動車 ...
続きを見る
参照:Ferrari