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フェラーリCEOが自動運転を完全拒絶。「クルマの運転を楽しむのは人間であって、半導体チップではない」

フェラーリのステアリングホイール〜エンジンスターターボタン(ロッソレザー)
Life in the FAST LANE.

| たしかにフェラーリは数多くの特許を出願しつつも「自動運転」に関するものは見られない |

事実、フェラーリのロードマップには「レベル3以上の自動運転」は存在しない

「自動運転の未来? そんなものはフェラーリには必要ない」ーー。

自動車業界全体が自動運転技術やAIによる制御へと舵を切る中、イタリアのマラネロに本拠を置く跳ね馬ブランド「フェラーリ」が自らの存在意義をかけて明確な一線を示すことに。

今回、フェラーリCEOのベネデット・ヴィーニャ氏が完全自動運転車を否定し、「主役は常に人間である」と力強いメッセージを発信しており、その背景について考えてみましょう。

【要約】フェラーリ自動運転拒絶の重要ポイント

  • 「完全自動運転」への明確なNO: フェラーリのCEOベネデット・ヴィーニャ氏が将来にわたり完全自動運転(レベル3以上)のスーパーカーを開発する可能性を公式に否定
  • すべての車にステアリングホイールを: 「自分で運転しないなら、なぜフェラーリを買うのか?」と問いかけ、ドライバーが主役であり続ける「操る歓び」の死守を誓う
  • 攻めの新車ラッシュは継続: ブランド初の5人乗りEV「ルーチェ(Luce)」を発表したばかりのフェラーリは2026年から2030年末までに計20車種(年4本ペース)の新型車投入を計画中
フェラーリ296GTBのメーター
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「運転席に座るのは人間だ」ヴィーニャCEOが語る信念

フェラーリは、レーンディパーチャーワーニング(車線逸脱警報)やアダプティブクルーズコントロールといった、安全のための運転支援システム(ADAS)の進化に対しては引き続き投資を行っており、しかし、ドライバーから主導権を奪う「レベル3以上の自動運転」については、開発のロードマップにすら入っていないのだそう。

今回、オーストラリアの自動車メディア『Drive』のインタビューに対してヴィーニャCEOは次のように語り、ステアリングホイールをすべてのモデルに残し続けることを約束しています。

「私たちは完全自動運転車は作らない。はっきりと、大声で言っておく。私たちが望むのは、人間が楽しむことであって、半導体チップ(コンピューター)が楽しむことではない。ステアリングホイールがあり、その前に男性、あるいは女性が座っている姿こそがフェラーリだ。そうでなければ、なぜフェラーリを買う必要があるというのか?」

【今さら聞けない】馬力とトルクの違いって?トルクが大きい → 「押し出される感じ」馬力が大きい → 「どんどん伸びる感じ」
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フェラーリを所有するようなオーナーにとって、クルマは「移動手段(コミューター)」ではなく、週末にワインディングロードを駆け抜け、日常を忘れてエモーションを感じるための相棒です。

移動を自動化したいのであれば、彼らは他に所有しているであろう実用的なモビリティを選べばよく、フェラーリに自動運転を求めること自体がナンセンスであるというのが同社の揺るぎない結論であり、実際にこの理論は「もっとも」なところであるとも思います。

フェラーリの中期計画と2026年現在の立ち位置

フェラーリは現在、歴史的な変革期の真っ只中にあり、2025年の世界販売台数は13,640台。

エキゾチックカーブランドとしては依然として希少性を保ちつつも、2026年から2030年にかけては5年間で20車種(年間4車種ペース)という、過去に類を見ない規模でのニューモデル投入を計画しています。

その象徴として、先月2026年5月25日には、ブランド初となる100%電気自動車(BEV)であり初の5人乗り4ドアリフトバックモデルでもある「ルーチェ(Luce)」を世界初公開したばかり。

Image:Ferrari

フェラーリのEV、ルーチェのインテリア〜ステアリングホイール

Image:Ferrari

そしてこのルーチェはデザインにおける物議を醸しているというのが現在の状況ではありますが、同時に「フェラーリも今後味気のない電気自動車に移行するのか」「フェラーリからもついに運転する楽しみがなくなってしまうのか」という懸念が市場に生まれることとなってしまい、しかし今回「明確に」運転の楽しみが損なわれることはない、という宣言がなされたというわけですね。

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フェラーリの中期製品ロードマップ(2026〜2030年)

項目内容・仕様(2026年最新データ)
新型車投入計画2026年〜2030年末までに合計20車種(毎年4車種をデビュー)
先進運転支援(ADAS)衝突被害軽減やクルーズコントロールは進化させるが、レベル3以上の自動運転は不採用
初のEV「ルーチェ(Luce)」4モーター搭載、1,035馬力、0-100km/h加速2.5秒、5人乗り、LoveFrom(ジョニー・アイブ氏ら)共同デザイン
コックピット思想タッチパネルだけでなく、物理スイッチや伝統の「マネッティーノ・スイッチ」を死守
パワートレイン多様性伝統のV12自然吸気、V6/V8ターボ+ハイブリッド、そしてピュアEV(ルーチェ)を並行展開
フェラーリ
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新潮流への対応と市場での位置付け、純粋主義への「回帰」

フェラーリのこの方針は、単なる頑固な伝統主義ではなく、ラグジュアリー市場の動向を冷徹に見極めた極めて合理的なビジネス戦略に基づいています。

1. EV「ルーチェ」で見せた最新のコックピット思想

初のEVである「ルーチェ(Luce)」の発表時、世間はそのミニマルな外観に驚かされましたが、同時に注目されたのが「インターフェース」。

元Appleのデザイン責任者ジョニー・アイブ氏らのチームと共同開発されたインテリアは過度なデジタル化に背を向け、美しいメカニカルな物理ボタンやダイヤルをあえて復活させており、この「EVになっても、触覚を通じて車と対話する歓びは譲らない」という姿勢は今回の自動運転拒絶のニュースとも深くシンクロしている、と考えていいのかも。

フェラーリ ルーチェのセンターコンソールと物理スイッチ

Image:Ferrari

フェラーリ ルーチェのクロックと物理スイッチ
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2. 噂される「V12マニュアルトランスミッション(MT)」の奇跡的な復活

さらに大きな注目を集めているのがフラッグシップのV12モデル「12チリンドリ(12Cilindri)」に”限定車”としてゲート式マニュアルトランスミッション(3ペダル)が追加されるというウワサ(2026年夏以降にVIP顧客向けに発表と目されている)。

フェラーリのV12マニュアル車は2007年の「599GTB」を最後に途絶えており、もしこれが事実であれば約19年ぶりの大逆転となります。

ライバルであるランボルギーニが「テメラーリ(Temerario)」などで2ペダルのハイブリッド化を推し進め、他社がこぞってパドルシフトや自動変速へ移行する中、フェラーリはあえて「よりアナログで、人間の五感を刺激する体験」を、最上位のコレクターズアイテムとして再定義しようとしてるのかもしれません。

フェラーリ
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フェラーリ12チリンドリ
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結論

自動車の未来がどれほど電動化されようとも、フェラーリがフェラーリであるための「最後の砦」ーーそれが「人間によるコントロール(支配)」。

ベネデット・ヴィーニャCEOの「半導体チップではなく、人間が楽しむため」という言葉は、AIや自動化技術に囲まれてどこか味気なくなりつつある現代のモビリティ社会に対する、力強いアンチテーゼともいうべきもので、「ハイテクを極めた1,000馬力オーバーのEV”ルーチェ”を送り出す一方、操る歓びの原点であるマニュアル変速の復活を匂わせる」。

この「デジタルとアナログの究極の両極端」を高い次元でブレンドし、買い手を飽きさせないドラマを提供し続けることこそが、跳ね馬が世界の頂点に君臨し続ける真の理由なのかもしれず、どんな時代になっても、あの美しいステアリングホイールはぼくらの手の中に残り続けるというわけですね。

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参照:Drive

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