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| 新型エクリプス・スポーツバックの中身は日産「リーフ」、ファンは複雑な心境なのかもしれない |
それにしてもエクリプスほど数奇な運命を辿ったクルマもないであろう
かつて1980年代から2010年代にかけて、ターボエンジンを搭載したスポーツクーペとして世界中のチューニングファンを熱狂させた名車、三菱「エクリプス(Eclipse)」。
その伝説的な名前が完全電気自動車(EV)のクロスオーバーSUVとして現代に復活することとなり、三菱自動車の北米法人が2026年6月、新型EV「エクリプス スポーツバック(Eclipse Sportback)」を2027年モデルとして今年後半に北米市場へ投入すると正式に発表しています。※北米市場では「エクリプスクロス」は投入されていないので、今回が「久しぶりのエクリプスの復活」である
しかし、かつての低い地を這うような2ドアクーペを期待していたファンにとっては少し複雑なニュースでもあり、なぜならスリーダイヤのバッジを掲げたこの新型EVの正体はアライアンス(同盟)関係にある日産の次世代「リーフ(Leaf)」をベースにした、いわゆる「バッジエンジニアリング車(姉妹車)」だから。
ここでは日産リーフとのデザイン的な違いや判明しているスペック、そしてなぜ今こうした「中身の共有」が世界中の自動車メーカーで加速しているのかという背景までを深掘りしてみたいと思います。
記事の要点
- 伝説の名がEVに: かつての人気スポーツクーペ「エクリプス」の名が北米市場向けに新型コンパクト電動SUVとして復活
- 中身は新型リーフ: 日産の電気自動車「新型リーフ」のプラットフォームや基本骨格をそのまま流用し、外観のみを三菱仕様に変更
- 独自のデザイン要素: 独自のフロントマスク、スポーティなバンパー、個性的な18インチアルミホイール、リアのLEDライトグラフィックを採用して差別化
- 今年後半に発売: 2026年後半(2027年モデル)に北米で発売予定。2027年初頭にはアウトランダーのタフなオフロード派生モデルの投入も予告
名作クーペの血統はどこへ?クロスオーバーEVとして蘇った「エクリプス」
三菱が「エクリプス」の名前をクロスオーバーに流用するのはこれが初めてではなく、すでに日本国内ではガソリン車として展開されている「エクリプスクロス」が存在し、そして今回の「エクリプス スポーツバックEV」で3度目の命名ではありますが、パワートレインが「ピュアエレクトリック」となり、「エクリプス」というクルマそのものの定義があやふやになってきているという印象も。
視覚的には、ベースとなった日産リーフのファストバック(流麗な傾斜を持つリア)シルエットを色濃く残しているものの、三菱のデザイナーは随所に独自のブランドアイデンティティを注入し、「三菱らしい」クルマへと仕立て上げているようですね。

Image:MITSUBISHI
スリーダイヤモンドを纏った「もうひとつのリーフ」
外観における日産リーフとの主な違い
- フロントフェイス: 三菱独自のフロントバンパーを採用。グリル周りや空力性能を意識した水平基調のインテーク(吸気口)が特徴的
- ヘッドライト: LEDユニット自体はリーフに近い形状ではあるものの、リーフの特徴である左右を繋ぐグロスブラックのトリムを排除し、独自のライトシグネチャーを表現
- サイドプロファイル: 基本的なドアや窓の形状はリーフと共通で、しかしフロントドアに「EV」エンブレムを配置。さらに、リーフのベースグレード(S+)譲りの3本スポーク形状を持つ18インチのエアロホイールカバーを装着
- リアビュー: テールゲートからリーフ特有の光沢のあるブラックトリムをなくし、すっきりとした造形に。LEDテールランプの内部グラフィックも専用設計となり、外側を指す矢印のようなデザインに変更
参考までに、こちらは日産リーフ。
なお、エクリプス スポーツバックのインテリア画像はまだ公開されていませんが、ステアリング中央のスリーダイヤ・エンブレムを除けば、基本的には日産リーフのレイアウトを踏襲する可能性が極めて高いと見られていて、さらにリーフにはグレードに応じて12.3インチまたは14.3インチの大型デュアルスクリーンが用意されており、これらがどう三菱仕様にアレンジされるかが注目されます。

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三菱・エクリプス スポーツバック:車種概要、性能・デザイン・スペックなどの特徴、市場での位置付け
新型エクリプス スポーツバックEVのベースとなっているのは、日産・ルノー・三菱のアライアンスが誇るEV専用プラットフォーム「CMF-EV」アーキテクチャ。
これは日産のクロスオーバーEV「アリア(Ariya)」などにも使われている実績のある骨格で、公式な詳細スペックや価格は発売が近づく数ヶ月以内に発表される予定ですが、ベースとなる新型リーフのパワートレイン構成から、以下のようなスペックになることが確実視されています。
予想される主要スペック
| 項目 | 新型エクリプス スポーツバックEV(2027年モデル想定) |
| プラットフォーム | CMF-EV(日産・ルノー・三菱アライアンス共通EV車台) |
| バッテリー容量 | 52 kWh または 75 kWh の2択 |
| 最高出力(モーター) | 標準仕様:174 hp (130 kW) 高出力仕様:214 hp (160 kW) |
| 最大航続距離(EPA) | 最大 303マイル(約 488 km ※75kWh仕様) |
| ホイールサイズ | 18インチ(3本スポーク・エアロカバー付き) |
| 北米発売時期 | 2026年 晩夏 〜 秋頃(予定) |
| 想定価格帯 | 約 31,500ドル〜(日本円換算で約490万円〜 ※米リーフの価格を基準に算出) |

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市場での位置付けとライバル
北米市場において、3万ドル(約470万〜500万円)前後の低価格帯EVセグメントは非常に競争が激化していて、シボレー・ボルトEVの次世代モデルや、ヒョンデ・アイオニック5、テスラ・モデル3のベースグレードなどが直接のライバルとなります。
ベースとなった新型日産リーフは、米国ケリー・ブルー・ブック(KBB)の「2026年ベストニューモデル賞」や「3万5000ドル以下の優秀EV賞」を獲得するなど、非常に高い評価を得ている優等生で、そのため、中身が共通のエクリプス スポーツバックもEVとしての実力やコストパフォーマンスは間違いなく一級品であることは間違いなし。
ただ、多くの人が求める「エクリプス」「三菱車」とは乖離があり、正直なところ「なぜ出した」という印象も。
ちょっと前までの「日産、ルノー、三菱」は市場を棲み分けて競合しない戦略を取るとしており、よって三菱は東南アジア市場に向けた「コンパクトカーとトラック」に集中するとアナウンスされていたのですが、現在では少しその方針も変わってきたのかもしれません。

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最新の自動車業界のトレンドにおいて、今回の「日産製三菱車」というニュースは”手抜き”ではなく「持続可能な自動車開発のための高度な経営戦略」として分析すべきであり、ここでプラットフォーム共有の裏側を考察してみると・・・。
① 「お互いの得意分野をトレードする」ギブ&テイクの関係
日産と三菱は、日産が三菱自動車の株を約34%保有するアライアンス(アライアンス内ではルノーも含む)関係にあり、この関係性の面白いところは一方が車両を供給するだけでなく、「技術の物々交換」が行われている点です。
例えば、今回の北米市場では「三菱が日産のEV(リーフ)を借りてエクリプスとして売る」形ですが、逆に「日産が三菱のPHEV技術を借りて新型ローグ(日本名:エクストレイル)のPHEV仕様として売る」というプロジェクトも並行して進んでいて、EV開発に莫大な投資が必要な現代において、ゼロから自社開発するコストを削減し、お互いの強みを活かして素早く市場に新型車を投入するための知恵というわけですね(よって、新型パジェロも日産色がかなり強いクルマになりそう)。
これもちょっと前の計画だと「日産、ルノー、三菱は技術開発においても競合と競争を避け、それぞれが強みを持つ技術を共有することでコストを抑える」とされていて、そして実行に移されているところだと受け取ることが可能です。

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② 保証内容とディーラー網が購入の決め手になる?
クルマの中身がほぼ同じである場合、消費者は何を基準に選べば良いのかも曖昧になりがちではありますが、一般には以下のポイントが消費者にとっての「選択基準」となり、三菱は三菱で「勝算があって」の展開なのかもしれません。
- メーカー保証の差: 一般的に三菱は日産よりも長期のパワートレイン保証(10年/10万マイルなど)を北米で設定する傾向があり、もしエクリプス スポーツバックにこの手厚い保証が適用されれば、中身が同じリーフよりも「長く乗りたい人にとってはお得な選択肢」になる可能性がある
- 販売店の立地: 北米では日産に比べて三菱のディーラー網は小さく、しかし自分の住んでいる地域の近くにどちらの店舗があるか、あるいは担当営業との関係性で購入車を決めるというケースも存在する(すでに三菱のトラックに乗っている人が日産リーフではなくエクリプススポーツバックを購入するなど)。
結論:かつての「スポーツクーペ」ではないが、現実的で優秀なコミューターとしての復活
「エクリプス」という名前を聞いて、映画『ワイルド・スピード』に登場した、ライムグリーンの過激なスポーツコンパクトを思い浮かべる往年のファンにとっては、背の高い5ドアEVクロスオーバーへの変貌は少し寂しさを覚えるニュースかも。
しかしスポーツカー市場が縮小し、環境規制とSUV人気が絶対的な主流となった2020年代後半の自動車業界において、メーカーが生き残るためには「エクリプス」という知名度の高いヘリテージ(遺産)の名前を使い、最も売れるセグメントへ挑戦するのは極めて現実的で賢明な判断であるとも考えられます。
中身はすでに市場で折り紙付きの高い評価を得ている新型日産リーフであり、それに三菱らしいエッジの効いたスポーティな外観が融合した「エクリプス スポーツバックEV」は、かつてとは違う形ではありますが、手の届きやすい実力派EVとして、新しい時代を力強く走り出すことになりそうです(ただ、スポーツバックというのはアウディ独自の呼称だと理解しているので、一悶着があるかもしれない)。
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参照:MITSUBISHI











