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豊田章男会長が激白。「EVだけの未来が私が感じる最大の恐怖です」。独りエンジンを守り続ける“孤高のトップ”が語った本音とトヨタ内燃機関の逆襲とは

トヨタ FT-Seコンセプト(オレンジ)〜フロント

Image:TOYOTA

| 世界がEVに突き進む中、なぜトヨタのトップは「孤独」を恐れないのか |

今ようやく豊田章男氏の考えが理解されつつある

世界中の自動車メーカーが環境規制の波に押され、巨額の投資を投じて電気自動車(EV)シフトへと舵を切る中、頑なにガソリンエンジンやハイブリッドなどの「内燃機関」の可能性を信じて守り続けようとしているトップが存在し、それがトヨタ自動車の豊田章男会長です。

多くのメーカーがEV計画の減速や軌道修正を余儀なくされている現在でも、自動車業界全体の根底には依然として「最終的にはEVが未来である」という共通認識が漂っていて、しかしトヨタは「いつ、EVだけの世界が来てもおかしくない」という同調圧力に必死に抗い、ギリギリまでエンジンを存続させる構えを崩していません。

海外の自動車メディア『CarWow』の最新インタビューに応じた豊田会長は、クルマの未来に対する自身の「最大の恐怖」、そして役員室や業界内で抱えてきた「深い孤独感」について驚くほど率直に語っており、一人の熱狂的なクルマ好き(カーガイ)として、そして巨大企業のトップとして彼が見据える未来に加え、ぼくらが期待できる「これからのトヨタのスポーツカー戦略」について考えてみたいと思います。

トヨタ・プリウスのヘッドライト
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Image:LEXUS

この記事の要点

  • 「EV化」への強い恐怖: 豊田章男会長が海外メディアに対し、「全員がBEV(電気自動車)へシフトすること」が自動車の未来における最大の恐怖であると明言
  • 役員室での圧倒的な孤独: 3〜4年前からメディアに対し「エンジンの音や匂いが好きだ」「サプライヤーの雇用を守りたい」と訴え続けてきたが、業界内で「自分は非常に孤独だと感じる」と本音を吐露
  • クルマは人生の玩具: 「自動車は私の玩具(おもちゃ)だ。ガレージに置いておきたいクルマを作りたい。カーボンニュートラル(EV)だけのクルマ作りはエキサイティングではない」とクルマ好きとしての情熱を熱弁
  • 内燃機関の未来への希望: 100%EVに依存しない未来を目指し、次世代2.0Lターボを積む新型GRヤリス(マイルドハイブリッド)やノンハイブリッドのV8ツインターボ「GR GT」、新型MR2、セリカ復活など、多様な選択肢を準備中
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「全てがBEVになることが怖い」トップが漏らした本音と社内の葛藤

今回のインタビューの中で、未来の自動車社会において何が最も恐ろしいかと問われた豊田会長は、短く、そして鋭い言葉で次のように答えることに。

「誰もがBEV(バッテリーEV)へとシフトしていくこと。これが私にとって最大の恐怖です」

「3、4年前、メディアに対して『私はエンジンの匂いが好きだ、音が好きだ、エンジンそのものが大好きなんだ。そしてエンジン部品を支えるサプライヤーの雇用を守りたい』と言ったのは私だけでした。しかし、今でもそう言っているのは私一人のように思えます。本当に、とても孤独だと感じています」

この言葉は、単にEVという技術を嫌っているわけではなく、自動車が持つ本来の「官能性(音、匂い、フィーリング)」や、長年日本のモノづくりを支えてきた町工場やサプライヤーの技術・雇用が、急激な規制によって一瞬で葬り去られてしまうことへの強い危機感から来ています。

トヨタGRMNカローラ
Life in the FAST LANE.
トヨタ・ランドクルーザー
豊田章男会長「未来がEV一本になれば数百万の雇用が失われる」。かつては戯言と捉えらえていたが、今では多くの自動車メーカーの支持を集めるのかも

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また、豊田会長はトヨタの社内でも、EVシフトのスピードを巡って常に激しい議論が交わされていることを示唆しており、社内の本物のクルマ好きたち(エンジニアやテストドライバーなど)がBEV一辺倒の未来ではない「もう一つの選択肢」を残すため、今でも上層部や世論と戦い続けていることについても触れています。

今後のGR(Gazoo Racing)の動きとは

豊田会長の「利益や効率性だけで車を作るのはつまらない。自分のガレージに並べたいクルマを作る」という執念は、すでにGAZOO Racing(GR)の具体的な製品計画として形になり始めていて、しかしトヨタは環境対応を無視しているわけではなく、むしろ内燃機関を生き残らせるために、最先端の電動化技術やマルチパスウェイ戦略を組み合わせた「次世代のパフォーマンスカー」を続々と開発しています。

判明しているトヨタの次世代スポーツ・エンジン計画

車種・パワーユニット予想スペック・特徴市場での位置付け・方向性
次世代 GRヤリス新開発2.0L直4ターボ + 小型バッテリー(マイルドハイブリッド) / 最高出力:約394 hp現行の1.6L 3気筒からさらにスープアップ。環境規制をクリアしつつ、欧州のホットハッチを凌駕する性能へ。
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トヨタ FT-Seコンセプト(オレンジ)〜リア
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豊田会長の思想が色濃く反映されたこれらのモデルは、テスラをはじめとするハイパワーEVが「0-100km/hの加速力」を競い合う市場とは全く異なる価値を提供しようとしていて、直線がどれだけ速くても、変速のショックがなく、エキゾーストノート(排気音)が響かないEVでは満たされない「操る楽しさ」を求める層に向け、ポルシェやAMGといった欧州の老舗ラグジュアリースポーツブランドと真っ向から勝負できるラインアップを構築しようとしているわけですね。

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トヨタが掲げる「マルチパスウェイ」が世界標準になりつつある現実

自動車業界の最新トレンドを読み解くと、3年前に豊田会長が「孤独」の中で主張していた戦略が、今や世界的な正解(メインストリーム)になりつつあることが証明されています。

① 欧米メーカーの「EV全面降伏」とハイブリッドへの回帰

「2030年までに全車EV化」を声高に叫んでいた欧州のプレミアムブランド(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディなど)や、アメリカのフォード、GMは、EVの売れ行き失速と巨額の赤字により、次々とEV100%計画の延期や撤回を発表しています。

結果として、彼らが今こぞって投資しているのが、トヨタが四半世紀以上磨き続けてきた「ハイブリッド(HEV)」や「プラグインハイブリッド(PHEV)」の技術であり、かつて「トヨタはEV遅れ」と叩いたグローバルメディアも、今ではトヨタの「マルチパスウェイ(全方位)戦略」の先見の明を絶賛しているというのが現在の状況です。

トヨタ・プリウスのヘッドライト
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トヨタのエンブレム(GRヤリス)
世の中何が起きるかわからない。EVに関して「カメ」とされたトヨタ。一方「ウサギ」であったホンダ・VWが苦境に立たされトヨタが逆転勝利するという現実

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② カーボンニュートラル燃料(CNF)と水素の未来

豊田会長が守ろうとしているのは、化石燃料を燃やす過去の仕組みだけではなく、トヨタは現在、スーパー耐久などのレース現場を使って、ガソリンの代わりに「水素」を直接エンジンで燃やす水素エンジン車や、二酸化炭素と水素から合成される「e-fuel(イーフューエル)」といったカーボンニュートラル燃料の実証実験を繰り返しています。

これらが実用化されれば、「地球環境を守りながら、大好きなエンジンの音と匂い、そしてこれまでの自動車産業の雇用を100%守り続ける」という、豊田会長が理想とする未来が現実のものになるわけですね。

トヨタ
豊田章男会長「いかにバッテリー技術が進歩しても、電気自動車のシェアは30%にとどまり、残りはハイブリッドやFCV、水素エンジンで占められるだろう」

| 豊田章男会長の発言は年々「現実味」が増している | 現在の「EV販売減速」を見ていると、やはりEVは消費者が欲しがっている選択ではないのかも さて、なにかと電気自動車への移行の遅れを指摘されること ...

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結論:孤高のトップがもたらす希望。クルマはただの移動手段ではない

「効率だけで車を作るなら、そんな仕事はインスピレーション(感動)をくれない」

豊田章男会長が語ったこの言葉には、効率性や株主へのアピールばかりを優先し、均一化された退屈なEVばかりを量産しようとする現代の自動車業界に対する、最大のリスペクトを込めた反論が含まれています。

世界中で「エンジン禁止」のカウントダウンが叫ばれる中、トヨタのトップがこれほどまでに熱く、孤独を恐れずに内燃機関への愛を語り続けてくれることは、ぼくらクルマ好きにとってこれ以上ない「希望」なのかもしれません。

GRヤリスのマニュアル・トランスミッション(シフトノブ)
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マイルドハイブリッド化される次世代のGRヤリス、ピュアなV8サウンドを響かせるGR GT、そして開発が大詰めを迎えている新型MR2。これからのトヨタが放つスポーツカーたちにはすべて「孤高のカーガイ」である豊田章男氏の魂が宿っており、ぼくらが彼らの挑戦を支持し、そのクルマたちを愛し続ける限り、エキサイティングなエンジンの未来が潰えることは決してないのだとも考えられます。

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参照:Carwow

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