フォーブス報じるところによると、FCAはその負債を補うため、アルファロメオ、マセラティ(マニエッティ・マレリも)を売る可能性がある、とのこと。
現時点で8500億円にものぼる負債を計上しているとのことで、このままでは解消の見込みが立たないようです。
グループのCEO、セルジオ・マルキオンネ氏は当面の打開策としてジープやラムなど、SUVやトラックを売ることで(アメリカでは人気がある)これをなんとかしようとしているようですが、反面ダッジ・ダートやクライスラー200などのミッドサイズセダンを廃版に。
お金がないので新型車や新技術の開発ができず、したがって現在は他のメーカーにとっても稼ぎ頭である中国市場を開拓することもできなくなっており、かつ将来に繋がるであろうハイブリッドやEVも開発できないため、完全に「負のスパイラル」に陥っているとも言えそうですね。
お金がないので前に進めず、しかし他社はどんどん前に進んでゆくので、その差が開く一方という感じなのかもしれません。
すでにフェラーリを上場させ、その株を売却することでお金を手にしていますが、それも「焼け石に水」だったようで、もし今回アルファロメオとマセラティを手放してしまうと将来的な収入源すら絶たれてしまうことに(もし経営が持ち直したとしても”稼げる”ブランドがない)。
仮にアルファロメオとマセラティを売却するとなると「どこが買うか」ですが、BMWやメルセデス・ベンツは自社ブランドの域性が第一なので、食指を動かしそうにありません。
アルファロメオについては過去にVWアウディグループが食指を動かしていますが、これもディーゼル不正事件発覚前のことなので、今はそんな余裕も無さそうです。
そうなると浮上するのが「中国メーカー」で、マセラティは比較的中国で人気があり、アルファロメオはさほど人気はないものの、イタリアンブランド好きの中国においては「プロモーション次第で」利益を生み出せる可能性も。
実際のところどうなるのかは不明ですが、とにかくFCAが苦しいのは間違いなく、しかも「切羽詰まっている」レベルにある、ということですね。