
Image:Ford
| 現在、このフェイクMT(シミュレーテッドMT)は各メーカーにとっての大きな関心事である |
ただし日常的にこれを使用するとは思われず、パドルシフトのほうが有用かもしれない
さて、現在様々な自動車メーカーが導入を検討しているのが「EVへのフェイクシフト搭載」。
まずはヒョンデがアイオニック5 Nに搭載し高い評価を得ていますが、このほかにもトヨタが研究を進め、BMWが興味を示し、そしてフェラーリも関連特許を出願するなど大きな盛り上がりを見せているわけですね。
そして今回報じられているのがフォードによって出願された「EVに搭載される、クラシカルなマニュアル・トランスミッションの仕組み」です。
-
-
フェラーリがEVに関する特許を2件出願。1件は「サウンド」、そしてもう1件は「仮想シフト」に関するもので”もはや仮想シフトは無視できない”存在に
| まさがフェラーリまでもが「仮想シフト」に参入するとは | ただし今年発表されるEVにこれが組み込まれるかどうかはわからない さて、フェラーリは新しいV12エンジンに関する特許を出願するなど内燃機関 ...
続きを見る
この特許のタイトルは「電気自動車のシフターアセンブリ」
この特許は「電気自動車のシフターアセンブリ」というタイトルとともに出願されており、出願に添付された画像には「シフトレバーとボックス」が示されていますが、このシフトレバーはアクチュエーターによって動作し、電子制御ユニット(パワーコントローラー)によって管理され、特許によれば「バッテリーパックから供給される電力の流れを制御し、モーターの回転数やトルクを調整する」仕組み。
ちょっとわかりにくいのですが、つまるところ、シフトレバーを動かすとEVに搭載されるエレクトリックモーターの出力が変化し、通常のマニュアルトランスミッションのように、シフト操作(ギアチェンジ)に応じて加速が変わったり、シフトチェンジ中に出力が途切れる(トルク抜け)といった現象を意図的に発生させています。※このシフトは”シーケンシャル”、”Hパターン”両方にも対応できる
ここで興味深いのは、このシフトレバーは「単なる入力装置(スイッチ)」ではなく、シフターの基部に小型モーターを組み込み、実際に抵抗感を再現していることで、たとえば「エンジンからトランスミッション経由でシフトレバーに伝わる振動」「シフトチェンジの際の抵抗」などのフィードバックを返すことができ、ある意味ではインタラクティブと言えるかもしれません。
Image:Ford
そしてこの「マニュアル・トランスミッションとボックス」につき、使用しないときは格納できるといい、じゃまにならないように収納して「EVならではフラットフロア」を活かした快適な室内空間を楽しむことが可能です。
これらはなかなかに面白い考え方、そして試みではありますが、もちろん「出願した特許がすべて市販車に採用されるわけではなく、しかしもし実現すれば、伝統的なエンスージアスト(クルマ好き)をEVの世界に引き込むための魅力的なギミックになるかもしれません。
合わせて読みたい、関連投稿
-
-
フォードに大きな転換期が訪れる。電動版マスタング「マッハE」の販売台数がガソリン版マスタングをはじめて超え、その他の電動車がフォードの成長を支える
Image:Ford | マスタング「マッハE」が発売された当初は純粋主義者からの強い批判を浴びたものだが | いまではそのマスタング・マッハEがフォードの電動化計画を支えることに さて、2024年は ...
続きを見る
-
-
1,400台の生産台数に対し7,500人もの購入希望者が殺到したフォード・マスタングGTD。オーナーは購入時に機密契約を締結し、納車から2年間は「転売禁止」
Image:Ford | そしておそらくその「2年間」にハングリーマーケットが形成される | よって2年経過直後はとんでもない価格にて取引されることとなるであろう さて、フォード史上「もっとも速くニュ ...
続きを見る
-
-
いったいなぜ?今週末のレースにて「GT500を走ったカストロール スープラ」のカラーを再現した「カストロール マスタング」がデビュー予定
| 「カストロール スープラ」はいまや90年代、そしてモータースポーツにおける一つのアイコンである | カストロールがプロモーションを行うには、これ以上の手法はないだろう さて、今年初め、ブラッド・ケ ...
続きを見る
参照:InsideEVs