Image:Ford
| マスタング「マッハE」が発売された当初は純粋主義者からの強い批判を浴びたものだが |
いまではそのマスタング・マッハEがフォードの電動化計画を支えることに
さて、2024年は自動車業界にとって激動の年ではありましたが、海の向こうのアメリカではフォード・マスタングの電動版、「マッハE」の販売台数がガソリン版マスタングの販売台数をついに抜いたもよう。
フォードは2024年に44,003台の(ガソリン版)マスタングスポーツカーを販売し、その一方でマッハEの販売台数は51,745台に達し、ガソリンモデルを7,700台以上も上回るという成績を残しています。
「ガソリン版」マスタングの販売は2024年に大きな減少を見せる
なお、ガソリン版マスタングの販売は2024年に9.5%の減少を記録し、これは過去3年間で最も低い販売台数となっていて、2022年にはわずか47,566台、2023年には48,605台の販売にとどまり、特に最後の四半期ではシボレー・カマロと同様の低迷を記録することに。
フォードはマスタングの販売回復に向けた明確な対策を発表していないものの、このままでは(やはりカマロ同様に)伝説的なモデルの未来が危うくなる可能性が見えてきます。
そしてこれと対象的であったのがマスタング・マッハEの販売で、なんと2024年には26.9%の増加を見せ、その販売台数は51,745台。
この成功はディーラーインセンティブの影響もあるとも考えられ、しかしレンジャー(46,205台、+42.9%)、F-150ライトニング(33,510台、+38.7%)といったほかのフォードの主力車種をも上回る販売成績を記録しているので、実際に「人気が高い」のだとも考えてよく、このマッハEの成功はフォードにとって重要な体験となり、同時に(電動化部門の)大きな収益源となっています。
フォードのラインアップではマスタング・マッハE以外にも成長が見られ、たとえばエクスプローラーは”アメリカで最も売れた3列シートSUV”として194,094台の販売を記録し、これは前年から3.9%の増加です。
そのほかブロンコは109,172台(+3.3%)、マーベリックは131,142台(+39.4%)と順調に販売を伸ばしており、フォード全体で見ると電動車(EV)とハイブリッド車が最も大きな販売増加を見せ、EVは34.8%の増加、ハイブリッド車は40%の増加を記録しましたが、従来の内燃機関搭載車はわずか0.2%の増加にとどまっているため、フォードの販売構成そのものが大きく「入れ替わろうとしている」ということに。
参考までに、フォードブランド全体では、2024年に3.1%の販売増(1,914,094台から1,974,009台)を達成していて、もちろんこれに貢献したのは上述の電動車とハイブリッド車の成長です。
つまりフォードは、伝統的なスポーツカーであるマスタングの販売低迷にもかかわらず、電動マスタングであるマッハEの成功により全体的な成長を遂げ、特にEV市場でのプレゼンス強化が今後の成長を支える大きな要因となりそうですね(そう考えると、将来の市場を押さえるため、より多くの電動車を先行投資として投入すべきなのかもしれない)。
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