
Image:Ring Brothers
| リングブラザーズ、1969年マスタングを「キングピン」として蘇らせる |
リングブラザースはいまやアメ車レストモッドの「トップランナー」へ
世界的カスタムビルダー「Ringbrothers(リングブラザーズ)」が、今年のSEMAショーで驚異的な新作「キングピン(Kingpin)」を発表。
ベースとなるのは1969年型フォード・マスタング・マッハ1。
クラシックカーの魅力を残しつつ、現代のスーパーカーを凌駕する仕上がりを見せているとして話題になっています。
伝統のマスタングを超えたカスタム
リングブラザーズによる「キングピン」は、まるで死神が駆るかのようなダークで威圧的な存在感を放っていますが、 ボディは純正よりもフロントで約50mm、リアで約90mmワイド化され、全体をBASF製“ブートレッグ・ブラック(Bootleg Black)”カラーでコーティング。
Image:Ring Brothers
さらに、テールパネルやディフューザーにはカーボンファイバー製パーツを採用し、迫力あるスタイルに近代的な要素を加えて磨きをかけています。
「マスタング・マッハ1はもともとアグレッシブなデザインですが、今回は“ジョン・ウィックのラスボスが乗る車”をイメージしました。」
リングブラザース共同創設者 ジム・リング
シャシー、サスペンション、エンジンまで現代流に再構築
この「キングピン」は外観だけでなく走行性能も徹底的に見直され、ロードスター・ショップ製ラダーフレームを採用し、ホイールベースを38mm延長。
これにより、クラシックなマスタングの弱点であった剛性や操縦安定性を現代レベルにまで引き上げています。
さらに、
- 独立式リアサスペンション
- FOX製アジャスタブル・コイルオーバー
- ブレンボ製ブレーキシステム
- HRE製ヴィンテージ・シリーズ517ホイール(前19インチ/後20インチ)
- ミシュラン・パイロットスポーツ4S(リア345サイズ)
といった豪華仕様が組み込まれ、どこから見ても「死角なし」のハイパフォーマンスカーに仕上がっているようですね。
800馬力のコヨーテV8+6速MT
心臓部にはウェグナー・モータースポーツ製5.0リッターCoyote V8を搭載し、これをWhipple製スーパーチャージャーで加給。
最高出力は800馬力(810PS)にも達し、このパワーを後輪に伝えるトランスミッションはボウラー・トランスミッション(Bowler Transmissions)製”カーボン・エディション”6速マニュアル。
おそらくは過剰な電子制御は省かれているものと考えられ、アナログ感あふれるドライビング体験を実現しているのでは、と思われます。
ちなみにエンジンや補機類もブラック仕上げ、そしてヘッドには「Kingpin」のレタリング。
Image:Ring Brothers
インテリアも「悪魔的に美しい」ディテール
キャビンは「クラシックとモダンの融合」といった雰囲気で、特に目を引くのは以下の装備。
- リングブラザース製「ENYO」クラッシュドカーボン・ステアリングホイール
- 削り出しのビレットギアレバー
- Upholstery Unlimitedによる内装トリム
「芸術的」といってもいいほどの仕上げが施されているようですね。
Image:Ring Brothers
キングピンの制作費は60万ドル超え
リンブラザーズは具体的な制作費を公表していませんが、推定では60万ドル以上とされ、プロジェクト全体で5,500時間超の作業時間を費やしたといい、まさに“世界に一台”の芸術作品。
そしてこの「キングピン」は単なるカスタムカーではなく、クラシックマスタングの魂を現代に蘇らせたアートピース。
800馬力という狂気のパワーと細部に至るまでの妥協なきクラフトマンシップが融合した唯一無二の存在です。
これまでリンブラザーズは、トヨタ・タコマをベースにした「Blazer」や、アストンマーティンDBS、AMCジャベリンなどを手掛けており、その顧客名簿には多くのハリウッド俳優が名を連ねます。
「キングピン」はこれまでの作品の集大成とも言える存在ですが、果たして次はどんなクラシックをモダンモンスターへと蘇らせるのか、その興味は尽きないところではありますね。
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参照:Ringbrothers














