
| まさがフェラーリまでもが「仮想シフト」に参入するとは |
ただし今年発表されるEVにこれが組み込まれるかどうかはわからない
さて、フェラーリは新しいV12エンジンに関する特許を出願するなど内燃機関の存続をに対して最大限の注力を行っていますが、その一方で電動化に際しても内燃機関同様の革新を求めています。
これまでにもEVのパワートレーンから「振動とサウンド」を抽出する方法、バッテリーを分散し搭載することで重量配分を最適化する方法、さらには現実的に「自社でエレクトリックモーターとバッテリーパック」を製造するためのEビルディングも建設しており、フェラーリは「いつでもEVへとシフトできる」ように準備を進めているようにも見受けられます。
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フェラーリが「バーチャル・トランスミッション」に関する特許を出願
そこで今回報じられているのが「フェラーリがバーチャル・トランスミッション(仮想シフト)に関する特許を出願した」というもので、アメリカ合衆国特許商標庁に2件の特許が申請されています。
なお、これらの特許は、将来のEVにおいてエンゲージングなシフトフィールを実現するためのさまざまな方法を詳細に説明していますが、ここでその内容を見てみると、まず1つ目の特許だと「アクセルペダルの位置(踏み込み度合い)と、ドライバー手が選択した(仮想)ギアを検出し、そこからどれだけのトルクを車輪に加えるべきかを決定するシステム」について述べられていて、ドライバーが別のバーチャルギアを選ぶと、フェラーリのシステムはトルクのプロファイルを再定義し、「インパルス的で一時的な」変化をトルク供給に加えると説明され、つまりは「内燃機関におけるエンジン回転数とトルク / パワーとの関係性」を再現するということに。
要するに、フェラーリは各ギアを従来のフェラーリのガソリン車と同じようにドライバーに感じさせたいと考えているようで、様々な走行モードや設定に応じた複数のプロファイルが用意されることにより、運転体験が”より豊かに”なることが期待されているわけですね。
そしてもうひとつの特許は「EVの音響システム」で、しかしこちらは「音楽を聴くためのオーディオ」ではなく、ドライバーが感じる音のフィードバックを調整することを目的としています。
フェラーリは「ドライバーが”音と振動”によってパワートレーンの状態を表すと考えており(それは間違いない)、しかし「完全なるフェイクサウンド」にはNOという姿勢を保っていますが、実際に今回の特許においても「エレクトリックパワートレーンと機械的に接続された共鳴デバイス」から直接発せられる音を使用し、ドライブトレインの状況に「一致した」サウンドを提供することを目指していて(つまりエレクトリックモーターが低回転なのに、興奮をあおるために高回転を装うサウンドを発することはない)、これをシフト操作と組み合わせることにより、スポーツ走行時における、”より鋭いコントロール”を提供することができるとしています。
なお、フェラーリ初のEVは今年後半に発表され、2026年に市場への投入がなされると見られていますが、現時点ではその多くがナゾに包まれており、ボディ形状が「ハイライダーっぽい」と思われる以外、パワートレーンやパフォーマンスなどはいっさい不明。
そしてこれまでに出願された特許がどこまで盛り込まれるのかについてもわかっておらず、とにかくフェラーリからの公式発表を待つ以外にはなさそうですね。
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参照:CARBUZZ