| EV戦略において、中国は絶対に外せない |
さて、ポルシェは「初」のEVとなるタイカンを発売し、現在ラインアップされるのは「タイカン・ターボS」「タイカン・ターボ」と「タイカン4S」の三種。
そして今回報道がなされたところでは、近日中に”ベースモデル”となる「タイカン」が登場する、とのこと。
現在発売されている(日本では未発売)タイカンはいずれも4WDレイアウトを採用しますが、ベースモデルは後輪駆動(2WD)となり、かつバッテリーサイズも縮小されることで”お求めやすい”価格になると報じられています。
なお、これについて語ったのはポルシェの重役でもあるミハエル・スタイナー氏であり、「居住地によって、必ずしも4WDが必要とはならない」とも。
現在のところタイカン4Sの米国価格は103,800ドル(邦貨換算で1115万円)、タイカン・ターボが153,310ドル(1650万円)、タイカン・ターボSの187,610ドル(2014万円)に設定され、しかしもちろんベースモデルの「タイカン」は、これらよりもずっと安価ということに。
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ポルシェもやはり中国重視
そしてこの報道によれば、最初にベースグレードのタイカンが投入されるのは中国となり(となると発表も中国か)、納車開始は1年以内、とも。
現時点でベースモデルのタイカンの価格設定がどれくらいになるのかは不明ですが、タイカン4Sとのバランスを鑑みるに「800万円くらい」になるのではと考えられ、そうなると現在のボトム価格が1000万円程度であるテスラ・モデルSに比較してぐっと割安感が出ることに。(ただしテスラ・モデルSのボトムである”ロングレンジ”でもデュアルモーター4WD搭載、航続可能距離610kmなので、性能面ではタイカンを上回る)。※タイカン・ターボで450km、タイカン4Sで405km
なお、今回のベースモデルについてはタイカン発表前からアナウンスされていたため、「発売したタイカンシリーズが売れないので廉価版を追加」ということではなさそうで、しかしポルシェとしては、テスラが本格的に中国を攻略してくる前に、なんとしても市場を制圧しておきたいと考えているのかも。
ちなみにテスラは現在、上海にギガファクトリーを建設してモデル3を生産中ですが、モデルSについてはアメリカ生産の車体を中国へと輸出しています。
そしてもし、将来的にテスラが中国にてモデルSを生産するようになると、中国内での関税が免除となり、ポルシェにとっては著しく不利になってしまうため(タイカンも輸入車なので関税がかかる。そしてポルシェは中国で生産を行う予定はない)、その前に中国内でのプレゼンスを高めたいのだろうということですね。
現時点でタイカンの予約台数は一部地域のみでも3万件を集めたとしており、これはけっこうな数字(それでも、テスラ・サイバートラックの”60万件”寄りはずっと少ないが、テスラの数字が異常でもある)。
そして、タイカンを注文している人の多くがテスラオーナーだとされ、ポルシェは中国市場においても、「現在のテスラオーナー」を取り込みたいと考えているのは間違いなさそうです。
VIA: Car Magazine