| 正直、イーロン・マスクCEOのセクハラ疑惑にはちょっと困った |
相変わらずテスラ株は上下が激しい
さて、先日話題となった「カリフォルニア州にて、納車されて間もないテスラ・モデル3が炎上した」という案件。
幸いオーナーは無事に脱出できてけが人もなく、しかし車両の方は全損となり、オーナーはテスラの保険に加入していたものの、新しいクルマを受け取ることができるのは10月だとも報じられています。
現在事故の原因については調査中となっていますが、このオーナーによると、モデル3を屋外に駐車して家の中にいたところ、テスラのアプリから警告通知が届き、クルマを見に行った時点で「燃えているモデル3」を発見したようですね。
テスラの発火率は年々下がってきてはいるが
そこでこのオーナーは煙が出ている車両後部座席のドアを開けてみると、どうやら2列めチャイルドシートの下から発火したようで、チャイルドシート、さらにはベビーカーや粉ミルクなどもすべて燃えていた状況だったといいます。
誰も乗っておらず、運転中に発火しなかったのは幸いとしかいいようがありませんが、駆けつけたカリフォルニア市消防局(EVの消火訓練を受けていたので)が迅速に鎮火したものの、熱暴走による再発火の可能性があるためすぐにはクルマを移動できなかったとも報じられています。
なお、テスラは度重なる改良によって車体そのものやプログラム、バッテリーの科学特性を改善して「燃えにくい」クルマを作ることができるようになっていますが、「統計上、新車購入から2年以内のEVは(テスラ含めて全般的に)燃える確率が高い」というデータもあるそうで、今後EVが急速に普及するに際し、様々な問題が出てくるのかもしれません(アメリカでは、このほかにもテスラ、そしてルシードのクルマが一台づつ燃えている)。
テスラが炎上する動画はこちら
テスラ株はイーロン・マスクCEOの「セクハラ疑惑」で大きく下落
そしてテスラの受難はまだまだ続いており、数日前に報道されたイーロン・マスクCEOのセクハラ報道によってテスラ株は大きく下落。
これはどういったものかというと、ビジネス・インサイダー誌が「イーロン・マスクCEOが、2016年にスペースX社のプライベートジェットにて移動中、キャビン・アテンダントに自分の性器を露出して見せた」と報じたもの。
イーロン・マスクCEOはこれに対して疑惑を否定する声明を出していますが、ビジネス・インサイダー側は「この情報は、信頼できる筋から得たもの」だと主張し、さらに「2018年にはキャビンアテンダントとの間で和解金25万ドルを支払うという契約が交わされた」こと、これについてイーロン・マスクCEOが否定を行っていないことを根拠として実際にセクハラが行われたと主張しているわけですね。
Tesla is building a hardcore litigation department where we directly initiate & execute lawsuits. The team will report directly to me.
— Elon Musk (@elonmusk) May 20, 2022
Please send 3 to 5 bullet points describing evidence of exceptional ability.
justice@tesla.com
そしてイーロン・マスクCEOは「このような訴訟に対処するためのハードコアな対策部門を設立する」ともツイッター上でコメントしており、セクハラ疑惑の真偽は別として、こういった宣戦布告はビジネス・インサイダーのみではなく、全メディアに対するものと同じであり、世界で最も裕福な人物であるイーロン・マスクCEOとの法廷闘争を避けるため、今後イーロン・マスクCEOに対する個人攻撃や暴露が減少するのでは、と見る向きもあるようです。
一方で上海の生産水準は順調に回復
なお、こういったスキャンダルとは別に「テスラ車の生産」は好調に推移しており、稼働再開が報じられた上海ギガファクトリーの生産水準がコロナウイルスの影響によるロックダウン前の水準にまで回復しつつあるもよう。
具体的には、1日当たりの生産台数を、工場生産再開直後の1000台から2600台に増加させているといい、5万台近くを失ったロックダウンによる工場閉鎖の損失のカバーに向けて急速に動いているようですね。
ちなみにロックダウン前は3交代、つまり24時間工場をフル稼働させていたそうですが、現時点では出荷(輸送手段)そしてワイヤーハーネスなど一部パーツが不足しているという報道もあり、完全に以前と同じペースに戻るには時間がかかるのかもしれません。
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