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欧州にてEVの販売が前年比60%も伸びる。新車販売構成比だとガソリン35.8%、ハイブリッド25%、EV13%、PHEVが8%となり電動化車両が半分を占める

2023/09/03

EV

| やはり欧州では環境意識が他の地域よりもずいぶん高いものと思われる |

わずかでも環境改善に貢献する意志がハイブリッドを選んでいる?

さて、日本ではトヨタの販売台数が大きく伸びたという報道がなされていますが、その背景にあるのは「サプライチェーンの正常化(回復)」にあると言われており、つまりはパーツ不足が解消したということを意味します。

それは海の向こうでも同様だと見え、これまでの「生産したくてもできない」状況が嘘のように解消されてしまったわけですが、それは欧州でも同様で、欧州の自動車市場はここ最近ずっと上昇傾向にあり、7月の販売台数は前年同期比15.2%増を記録し、12ヶ月連続で増加しています。

BEV、PHEVの販売が大きく伸びる

そしてここで注目すべきはBEVの販売台数が昨年比で60.6%も増加したことであり、これは「新車販売全体」の伸びが15.2%であったことを考慮すると特筆すべき数値かと思います。

今回発表された統計によると、2023年7月に欧州で登録された自動車は851,156台で、最も人気のあるパワートレインは依然としてガソリン車であり、そのシェアは35.8%(30万4,903台)。

ハイブリッド車は前年同期比で31%の販売増を記録し、7月におけるシェアは25.6%(2番人気のパワートレイン)。

3番人気はディーゼルエンジン(14.1%)で、けっこう根強い人気があるということもわかりますね。

4番目のシェアを持つのがバッテリー電気自動車(BEV)で13.6%、5番手がプラグイン・ハイブリッド(PHEV)の7.9%となっています。

なお、欧州においてもっとも多くの電気自動車を販売したのは欧州最大の市場であるドイツ(68.9%増)、そしてフランス(32.4%増)とのこと。

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欧州ではあまりプラグインハイブリッドの人気がない?

今回発表された数字を見て疑問に思ったのは「PHEVの販売が意外と少ない」ということ。

その理由はナゾではありますが、環境意識の高い欧州ではPHEVといえどガソリンエンジンを積んでいるということから「ゼロ・エミッションではない」と捉えられ、敬遠ているのかもしれません。

あるいは、欧州にはサイズの小さな、そして比較的安価なEVも数多く、そして中国製EVも多数販売されており、「PHEVよりも安価に購入できるEVの選択肢が多い」からだとも推測できますが、場所が変われば売れるクルマもまた変わるということですね。

いずれにせよ、欧州ではガソリンそしてハイブリッドが最大勢力であり、そしてもっとも伸びているのはBEVという結果が鮮明となっていて、しかしBEVについては「価格」や「航続距離」はたまた「充電設備」の問題等によって購入が難しい人々がおり、そういった人々が代替案としてハイブリッドに流れているということも考えられます。※環境意識が高いため、ガソリンオンリー車を可能な限り避けたいと考える人が多いのかも

そしてこういった状況を見ると、ますますトヨタの戦略が「当たった」ように思われ、短期的〜中期的にはトヨタの販売が大きく伸びるものと思われます。

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参照:ACEA

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