みんな、EV専用スペースにEVでないクルマを駐車しすぎ
中国で、「テスラ専用の充電スペース(パーキングロット)に、テスラ以外のクルマを置くことができないようにする」物理的バーが中国にて設置されることに。
テスラは「スーパーチャージャー(つまり急速充電器)」という独自企画の充電機を世界各地に設置しており、これは一定時期までの(テスラ車)購入者であれば「無料」で使用が可能となる便利なもの(それ以降であっても、一定流量までは無料)。
さらにテスラ以外のクルマだとコネクタ形状が合わないので、ここにテスラ以外のEVを駐車しても充電はできず、よってここに駐車する意味はなさそうなものですが、「駐車場がいっぱいで」、かつスーパーチャージャー充電スペースが空いているとそこへ停めてしまう(テスラ車以外の)オーナーが多数いるのが事実です。
これは世界中で新たな問題に
そしてこれは中国だけの問題ではなく、アメリカでも「ICEing」と呼ばれ問題となっているよう模様。
この「ICE」は「Internal Combustion Engine」の略で、その意味は「内燃エンジン」。
つまりガソリン車やディーゼル車が「EV専用スペース」に駐車し、EVが充電できなくなるという状態を指す新しい言葉ですね。
テスラ専用だろうがテスラ専用でなかろうが、EV充電スペースに駐車されてしまうとEVがそこで充電できなくなり、充電できないということは走行できないということになり、つまり「EVにとっては死活問題」。
EV専用スペースは「物理的には」どのクルマでも駐車できる
ぼくはおよそ3年EVに乗りましたが(BMW i3。よく3年も乗ったな)、その際によく遭遇したのがこのICEingで、大阪だとエキスポシティや関西国際空港にEV専用の駐車兼充電スペースがあるものの、なぜかいつもEVやPHEVでないクルマが停まっていて「駐車できない、充電できない」ことも。
ただし、これには「悪意のない」、つまりそこがEV専用スペースだと知らない人もいるかもしれず、そして物理的な障害が無いために「知っていようが知っていまいが」ガソリン/ディーゼル車をそこへ停めようとすればいくらでも停めることができるわけですね(たいていの場合、EV専用スペースは施設の入り口に近い場所など、”いい位置”にあるので、そこに停めたい人は多い)。
ぼくはそういった場所にi3を駐車できるのを「高いお金を支払ってEVを購入した見返り」だとも考えていたわけですが、それをアテにしてその施設に行ったのに、EVではないクルマがずらりとEV専用スペースに駐車していると、さすがにちょっと頭にくることに。
そしてテスラの場合は「スーパーチャージャーの利用をあてこんで」購入した人がかなり多いと思われ、それが理不尽な理由で利用できないとなると怒り心頭となるのは容易に想像でき、その対策が今回の「パーキングブロック」。
これはテスラのオーナーが、中国で主流の「WeChat」アプリを起動してQRコード(三次元バーコード)をスキャン。
その後アクセスコードをゲットし、このバーを下げることができるというもので、テスラオーナー以外は駐車できない物理的障害を設けているわけですね。※これがテスラが行った対策なのか、駐車場独自の対策なのかは不明、とのこと
現時点では「EV専用スペースにガソリン/ディーゼル車を駐車」するのは違法ではなく、よって処罰の対象にならないのでこういった方法を用いるしかないということになりますが、今後EVが普及し、充電スポットが増えるにつれ、大きな問題となってくる(そしてあおり運転同様、トラブルの火種になる)可能性もありそうで、早々に行政の介入が望まれる、と考えています。
VIA:INSIDE EVs