コンセプトカーは格好良くてもインフィニティはなかなか現実に発売しない
インフィニティがデトロイト・モーターショー(ノースアメリカン・インターナショナル・オートショー=NAIAS)で発表する新型コンセプトカー、「QXインスピレーション・コンセプト」を公開。
このQXインスピレーション・コンセプトは現段階で「デザインスタディ」との位置付けとなり、しかしながらニンフィニティの未来を示すものだとしています。
インフィニティの未来は「エレクトリック」にある
なお、インフィニティはすでに「エレクトリック化を進める」ことを発表していて、これまでにもいくつかのエレクトリックコンセプトを発表。
そしてインフィニティの目指す「エレクトリック」は「エコ」よりも「パフォーマンス」としての側面が強く、直近だとシングルシーターのスピードスター「プロトタタイプ10」を公開しています。
この「プロトタイプ10」については「EVでも運転を楽しめる」ということを視覚化したコンセプトカーだと紹介され、インフィニティとしては「EV=エコ」「運転が楽しいのはやっぱりガソリンエンジン」というイメージを覆したく、そのために「EVではあるものの、走りを予感させる」デザインを採用したのでしょうね。
なお、このコンセプト10からデザイナーが交代しており、BMW出身のカリム・ハビブ氏へ(それまでのアルフォンソ・アルバイサ氏は日産本体へと異動)。
カリム・ハビブ氏はBMW→メルセデス・ベンツ→BMWという経歴を持ち、2012年にはBMWのチーフデザイナーへと就任しています。
BMW在籍中はエイドリアン(アドリアン)ホーイドンク氏の部下として手腕を発揮し、代表作はBMW 7シリーズ(F01)、BMWコンセプトCS、メルセデス・ベンツCクラス(W205)、BMW X2コンセプト、BMW 3.0CSLオマージュ・コンセプト等。
そして今回のQXインスピレーションについては「インフィニティの新しい時代の幕開け、そしてインフィニティがどこへゆくのかを示したもの」とカリム・ハビブ氏が語っているとおり、実際にこれまでとは異なる、新しいデザイン言語をいくつか採用しているようですね。
見たところ大きなホイールアーチにコンパクトなキャビンという「SUVをスポーティーに見せる」手法、さらにヘッドライトやテールランプもミニマムに抑えて車体を大きく見せたり、EVだと一目見てわかる「グリルレス」デザインなどが特徴のようです。
なお、ボディにカメラやセンサーが見えないところを見ると「自動運転」はあまり考えていないのかもしれません。
ちなみに「自動運転」は一時期ほど魅力的な要素ではなくなってきているようで、最新のコンセプトカーであっても自動運転を取り入れていないものも多く見られます。
今後インフィニティは大きくブランドシフトを行う?
現時点では今後インフィニティがどのような車を出してくるのかは明らかではなく(現行車種とコンセプトカーとの乖離が大きすぎる)、しかしエレクトリック重視と同じくらい「中国重視」という姿勢も鮮明で、となると今後はこのQXインスピレーション・コンセプトや、「Qインスピレーション・コンセプト」のようにSUVやセダンを中心に発売することになるのかもしれません。