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メルセデスAMG「ル・マンの”ハイパーカークラス”に参戦の予定はない。あまりに高価なクルマでレースをすることが正しいとは思えない」

2019/10/10

| 加えて、メルセデス・ベンツとル・マンは絶望的に相性が悪い |

メルセデスAMGのボス、トビアス・メアース氏が「ル・マン24時間レースに新設するハイパーカークラスに参戦する予定はない」とコメント。
この「ハイパーカークラス」は、従来のLMP1つまり最高峰のクラスに代わって2020年から新設されるもので、現在のところ明らかになっているレギュレーションは下記の通り。

・「2年以上、そして20台」生産された公道走行可能なハイパーカー
・重量は最低1,100キロ、出力は750馬力
・ハイブリッドでなくてもOK

アストンマーティンはハイブリッド「なし」、トヨタはハイブリッド「あり」

現在のところ、このル・マン24時間レース「ハイパーカークラス」について、参戦の意思を表明しているのはスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG 004)、アストンマーティン(ヴァルキリー)、トヨタ(GRスーパースポーツ)で、参戦検討中なのはケーニグセグ、そしてランボルギーニ。

そのほか参戦の可能性がある(というか参戦できるクルマを持っている)のはSSCノースアメリカ(トゥアタラ)、パガーニ(ウアイラ)、マクラーレン(セナ)、フェラーリ(FXX K Evo)あたりですが、今のところまだまだ参戦するクルマはかなり少ない、といったところです。

そして今回はメルセデスAMGが「ル・マン24時間レース”ハイパーカー”には参戦しない」とコメントしたことになりますが、これは主に「コスト」の理由。

トビアス・メアース氏自身は「それらの高いパフォーマンスが戦うシリーズには興奮を隠せない」としており、一方で「そういった高価なクルマで競うことが正しいとは思えない」というコメントも。
そして、そういったシリーズにお金をつぎ込むのは「正しいことではない」と考えているようですね。

各メーカーについて、参加するメリットとしてはそのプレゼンスを高められることになりますが、かかるコストは膨大であり、ここで優勝したとしてもそれを市販モデルの販売へと直接的に結び付けられるわけでもなく、このハイパーカークラスは「新しくスポーツカーに参入するメーカーにとって、そのポテンシャルをアピールするだけの場」になるのかも。

よって、マクラーレンやフェラーリ、メルセデス・ベンツといった、すでに十分な(レースでの)実績のあるメーカーにとって、このハイパーカークラスは「あまり美味しい話」ではないのかもしれませんね(逆に、レースで実績のないランボルギーニにとってはチャンスでもある)。

メルセデス・ベンツとル・マンとは相性が悪い

なお、メルセデス・ベンツがル・マンに参戦しない理由としては、そもそもAMG ONEの開発が遅れているということもありそうですが(このクラスの設立はあまりに急であり、他メーカーにとっても開発期間があまりに短い)、やはり「ル・マンとの相性」があるのかも。

メルセデス・ベンツは1955年のル・マンにおいて83名が死亡、負傷者180名を出すというモータースポーツ史上最大の事故を引き起こしたことがあり、その後メルセデス・ベンツはル・マンへと復帰するのに33年を要することに。

さらに復帰した後の1999年にもメルセデス・ベンツCLRが宙を舞うという事故が予選中と決勝前に2回も発生していて、その後メルセデス・ベンツはル・マンへの参戦を今に至るまで見送っているわけですね。

モータースポーツ史上、ここまでル・マンと相性の悪い自動車メーカーも他にはなく、これがメルセデス・ベンツの「ル・マン参戦」に影を落としているのは間違いないだろう、とも考えています。

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