| フェラーリがワークスとしてル・マンに復帰することを期待したい |
一時は「計画倒れ」となりそうだったル・マンふくむWEC(FIA世界耐久選手権)のハイパーカークラス創立プロジェクト。
せっかくカテゴリを作ったところで参加車がいないのではないかと思われたものの、今回アストンマーティンが2020−2021シーズンに「少なくとも」2台のヴァルキリーを走らせると公表。
このハイパーカークラスは現在のLMP1クラスの置き換えになる予定ですが、ヴァルキリーのような市販車が参加できるとなると、LMP1とはかなり性質が異なるものとなりそうですね。※LMP1はル・マンの最上位クラスで、ポルシェ919ハイブリッド、トヨタTS050ハイブリッドもここに属する
アストンマーティンは「ハイパーカークラス」参戦を表明
現在のところFIAは少しだけこの「ハイパーカークラス」の条件について触れており(その多くは調整中なのだと思われる)、アクティブエアロ解禁そして最低車両重量は980キロ、というのがその内容。
ハイブリッドシステムの基準や4WDの可否についてはいまのところわかっておらず、しかしハイパーカーの多くが「ハイブリッド/4WD」を採用しているため、このあたりは調整が必要となりそうですね。
アストンマーティンについてもハイブリッドシステムを使用するかどうかはわからないとしながらも、そのエンジンについては「(もともとヴァルキリーに採用される)自然吸気V12になるとしており、もはやメジャーなレースでは見られなくなった自然吸気V12エンジンには期待したいところですね。
なお、今年はアストンマーティンが1959年にDBR1にてル・マンでの勝利を収めた60周年記念にあたり、今回の「ハイパーカークラス」参戦意思表示も当然それにあわせたもの。
トヨタもハイパーカークラスへの参戦を表明
そして時を同じくし、トヨタもハイパーカークラスへの参戦を表明。
LMP1がこのハイパーカークラスに置き換わるのにあわせ、トヨタは現在参戦しているTS050ハイブリッドを「GRスーパースポーツ」ベースのレーシングカーに置き換えると発表しており、一枚の画像も公開しています。
GRスーパースポーツはそもそも「レーシングカー」だとトヨタは語っているのでこの決定は合点がゆくもの。
なおル・マンに出場するGRスーパースポーツベースのレーシングカーは(欧州ではなく)日本のトヨタによって開発されるとも発表しており、トヨタはそのモータースポーツ活動をGazoo Racingに集約するとともに、その拠点を欧州から日本へと移すのかもしれませんね(研究施設とサーキットも作ったことですし)。
現在「ハイパークラス」の参戦表明は多くない
なお、現在このハイパーカークラスに参戦を表明しているのはアストンマーティン(ヴァルキリー)、そしてトヨタ(GRスーパースポーツ)とスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG007)くらい。
そのほかのハイパーカーだと、エレクトリックカーですがNIO EP9、同じくエレクトリックカーのピニンファリーナ・バッティスタ、リマックC_Twoも存在。
そのほかだとケーニグセグ(ジェスコ)、マクラーレン(スポードテール/セナ)、フェラーリ(SF90ストラダーレ)、パガーニ(ウアイラ)、SSC(トゥアタラ)、メルセデスAMG ONEといったところの参戦が考えられるものの、まだまだ参加車両が少なく、今後どこまでこれが増えるかによって「ハイパークラス」の成否が決しそうですね。