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最新調査にて判明した「最も優れたシートを持つクルマ」はBMW Z4。セグメント別ランキングも公開される

最新調査にて判明した「最も優れたシートを持つクルマ」はBMW Z4。セグメント別ランキングも公開される

Image:BMW

| シート品質に関する不満が増加 |

米国での「シートに関する満足度調査」詳細が公開

どんなクルマに乗っていてもシートの快適性はドライビング体験を大きく左右することとなり、そのため各自動車メーカーが力を入れて改良を続けるパーツのひとつが「シート」です。

ただしJ.D.パワーの最新調査によると、2024年以降、新車オーナーのシートに関する不満がわずかに増加しており、過去9年間で初めて「車両における不具合の比率が上昇」したことが明らかに。

ただ、主な不満点は以下の通りで、全体を見ると「デザイン起因の問題が全体の80%を占める」というので、人々の関心は「機能」よりも「デザイン」に移りつつあるのかも。

  • シート調整範囲の不足
  • ヘッドレストの快適性
  • 素材の擦れや汚れやすさ
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しかしながら、こういった状況について考えを巡らせるならば、「シートの機能や快適性については、ほぼ改良の余地がないほど改善されており、消費者がそこに不満を述べることはなくなった」「自動車メーカーとしても、できる限りの機能・快適性の改良をやりつくし、しかし他メーカーとの(車両全体での)競争に打ち勝つため、シートに”デザイン”という新しい要素を盛り込んだ結果、そこに思わぬ、そして新たな不満が生じてしまった」という状況も推測することが可能です。

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J.D.パワー「シート品質・満足度調査」とは

そこで今回公開された調査内容を見てみたいと思いますが、シートやパワートレインはオーナー満足度に直結する要素であり、自動車メーカーにとっては販売やブランド評価に大きな影響を与える指標として解釈されています。

調査名:2025年米国シート品質・満足度調査

  • 調査期間:2024年6月〜2025年5月(11か月間)
  • 対象:92,644人の新型2025年式車両購入者・リース利用者
  • 測定方法:納車後90日間の不満を集計し、「PP100(Problems Per 100 vehicles)」スコアとして評価
    • 数値が低いほど高品質・高満足度
    • 数値が高いほど不満が多い
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2025年「最優秀シート」モデルはBMW Z4

今回の調査で全体トップとなったのはBMW Z4ロードスター。

  • PP100スコア:3.2(全車種中最少)
  • 100人中わずか3.2人が不満を報告

特筆すべきは、シートレールが従来比で約1インチ延長され(体が大きな人が多い米国では重要な要素なのだと思われる)、より幅広い調整が可能になった点であり、さらにMスポーツシートでは、電動調整式のバックレストや横方向サポート強化機能を備え、高速コーナリング時の快適性と安定性を両立しています。

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Image:BMW

セグメント別「ベストシート」一覧

以下はカテゴリごとのトップモデル。

メーカー別に見ると、ポルシェと起亜が最多の4モデルずつランクイン、次いでスバルとトヨタが3モデルずつ、シボレーとフォード、現代が2モデルずつという結果となっています。

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  • 小型車(普及価格帯)
    • スバル・インプレッサ(8.5 PP100)
    • トヨタ GR86(8.5 PP100)
    • トヨタ・カローラ(8.7 PP100)
    • トヨタ GRカローラ(8.7 PP100)
  • 中型・大型セダン
    • ヒョンデ・ソナタ(6.5 PP100)
    • スバル・レガシィ(6.5 PP100)
    • 起亜K5(7.5 PP100)
  • 小型SUV
    • フォード・ブロンコスポーツ(5.7 PP100)
    • フォード・エスケープ(6.6 PP100)
    • 起亜・スポーテージ(6.6 PP100)
  • 中大型SUV
    • シボレー・トラバース(7.3 PP100)
    • 起亜テリュライド(7.5 PP100)
    • 起亜ソレント(9.3 PP100)
    • スバル・アウトバック(9.3 PP100)
  • トラック/バン
    • GMCキャニオン(4.0 PP100)
    • ヒョンデ・サンタクルーズ(5.6 PP100)
    • シボレー・シルバラードHD(5.7 PP100)
  • プレミアムカー
    • BMW Z4(3.2 PP100)
    • アウディA5(5.1 PP100)
      ポルシェ911(5.3 PP100)
    • ポルシェ・タイカン(5.3 PP100)
  • プレミアムSUV
    • ポルシェ・カイエン(4.0 PP100)
    • ジャガーF-PACE(4.5 PP100)
    • ポルシェ・マカン(5.1 PP100)
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シート選びは健康にも直結

長時間運転は腰や背中への負担が大きく、シートの快適性は健康に直結し、こうした点は購入前の試乗で必ずチェックしたい要素です。

  • 腰椎サポート(ランバーサポート)が調整できるか
  • シートの調整範囲が十分か
  • マッサージ機能や「アクティブエルゴノミクス」機能の有無
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ただし「シートとドライバーとのマッチング」については、そのクルマの用途や乗員の体格(身長・体重含む体型など)によっても大きく変わってくるため、定量的に「このシートが優れる」と判断できないのが難しいところ(よって、各自動車メーカーとも指標の設定に悩んでいるのだとも思われる)。

参考までに、ぼくの経験上だともっとも「優れる」と感じているのがポルシェとホンダのシート。

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一方でBMWのシートだと、ぼくの体重では「体が沈み込まず」姿勢を安定させることが難しいと考えており、トヨタも(ぼくの体格だと)イマイチ安定せず。

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なお、フェラーリについては「シートそのものは優れる」ものの、下半身が「車両中央側を向く」という昔のイタリア車っぽいドライビングポジションのため「座り方」を色々と試している途中です(これはミドシップモデルのみの問題だと思われる)。

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参照:JD Power

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