| 新型V6ツインターボエンジンは現在開発中 |
アストンマーティンCEO、アンディ・パーマー氏がCar and Driverに語ったところによると、「現在のV8エンジンをV6エンジンに置き換える」そして「V12エンジンはあと数年製造し続ける」とのこと。
現在アストンマーティンのエンジンラインアップはメルセデスAMGより供給を受けているV8ツインターボ、そして自社製となるV12ツインターボの二種。
ただしアストンマーティンはこのV8ツインターボについてはあまり満足していないようで、供給を受け始めた頃から「サウンドがいまいち」と評しています。
メルセデスAMGはもはやガソリンエンジンに未来を見いださない
そしてアストンマーティンはメルセデス・ベンツおよびメルセデスAMGがもはやガソリンエンジンに興味を示していないことに対しても懸念を持っており、というのも「メルセデス・ベンツはすでにガソリンエンジンの開発を終了させたから」だと思われます。
つまりメルセデス・ベンツは今後エレクトリックへと突き進むことになり、しかしアストンマーティンは「ガソリンエンジンを残したい」という意向を持っていて、つまりはお互い進む方向が異なるということに。
よってアストンマーティンは現在供給を受けているV8ツインターボについて「将来がない」ということを認識していて、これに代わるパワーユニットが必要だとも感じており、かなり早い段階から「V6エンジン」を開発しているとも伝えられます。
なお、V8ではなくV6を開発しているのは「排気量を抑えることでCO2排出量を抑え、今後長きに渡りガソリンエンジンを採用し続けること」を念頭に置いているためで、つまりはこのV6エンジンにエレクトリックモーターを組み合わせてハイブリッド化することを想定しているわけですね。
アンディ・パーマーCEOは「V6エンジンを残すことでガソリンエンジンのサウンドを維持でき、ハイブリッド化することで”失ったシリンダー”のパワーを補うことができる、とも。
ちなみに4気筒ではなく6気筒を選んだのは、「なるべく多くのシリンダーを残したかったから」だと思われ、実際に以前、アンディ・パーマーCEOは「誰がダウンサイジングした小排気量エンジンを積んだストンマーティンに乗りたいっていうんだ?」というコメントを発しており、排気量やシリンダーの多さ、ガソリンエンジンのサウンドをかなり重要視している模様(よって6気筒が”環境規制に対応できるギリギリの線”だったのかも)。
この「V6+ハイブリッド」は今後ミドシップ化される新型ヴァンキッシュにも搭載されることになりますが、アストンマーティンはミドシップカーならびにガソリンエンジンを開発するためにフェラーリやマクラーレンからエンジニアを獲得しており、おそらくは相当に高いパフォーマンスを発揮することになりそう。
アストンマーティンはガソリンエンジンを見捨てない
そしてアンディ・パーマーCEOはV12エンジンについても「もっと環境性能を高めることができる」としていて、こちらについても可能な限り存続させることを表明。
これはランボルギーニ、フェラーリとも同じ方向性もあり、ガソリンエンジン、とくにV12エンジンをブランドのコアバリューのひとつに置いているということがわかります。
世の中にはいくつかのハイパフォーマンスカーメーカーがありますが、ロータスのようにピュアエレクトリック化に未来を見出したり、ポルシェやメルセデスAMGのようにパフォーマンス向上のためにエレクトリック化を行うメーカーがある反面、アストンマーティンやランボルギーニのように、あくまでもメインはガソリンエンジンであって環境性能に関する規制に対応するためにエレクトリック化を活用するメーカーも存在し、その方向性は様々といったところですね。
VIA: Car and Driver