| その名はヴァーダント・テーマ GT バイMSO、内外装ともグリーンづくし |
「765T」を発表したばかりのマクラーレン。
今回その765に加え、”スペシャルカラーにペイントされた”GTを公開しています。
これは「ヴァーダント・テーマ GT バイMSO」と題された特別仕様車で、もちろんマクラーレンのカスタマイゼーション部門、MSOによって製作されたもの。
そのエクステリアはサテン仕上げの3トーングラデーションにて仕上げられていることが特徴で、Verdant=緑が生い茂る大地をイメージした、と紹介されています。
実車を見ると相当にインパクトがありそうだ
ボディカラーに使用されるグリーンは「Horsell Green」「Arbor」「Steppe Green」の3つで、Horsellはマクラーレン本社近くにある緑豊かな村の名を指し、Arborはツタなどが表面を覆う建物、Steppeは大草原を意味し、ネーミングからするに、いずれもこのマクラーレンGTのために調合されたカラーなのかもしれません。
なお、このグラデーションを再現するには430時間をかけているとのこと。
加えてボディアンダーやスプリッターのエッジ、ブレーキキャリパーはネイピア・グリーンにペイントされています。
一方でホイール、テールパイプ、そしてウインドウサラウンドはブラックに塗装され、これらグリーンを引き立たてているようですね。
なお、このヴァーダント・テーマ GT バイMSOは1台限りのワンオフだそうですが、マクラーレンがこういったモデルを公開するのは「自社のMSOでは何ができるのかを示すため」、そして「顧客にインスピレーションを与えるため」。
マクラーレンはじめスーパーカーはホイホイと台数が出るクルマではなく、いかに一台あたりの利益を最大化できるかが重要だと言えます。
つまりは販売台数が同じであっても、一台あたりの販売単価を増やせば利益が増えるということで、そのために現在各社ともこういったカスタムプログラムを拡大中。
その先駆けはマクラーレン「MSO」と断じてもいいほどだと考えていますが、顧客はそもそもマクラーレンがどういったカスタムができるのかを予め把握するのが難しく、しかしこうやってサンプルを見せると、「こんなこともできるのか」と知った顧客が、これと同じであったり、さらにアレンジしたカスタム仕様をオーダーすることになり、マクラーレン(本社、そしてディーラーにも)にお金が入り、購入した人もワンオフ仕様に乗れて大満足ということに。
ただ、マクラーレンをカスタムする人は「コントラストが強い」カラーリングや、レーシングカーにインスパイアされたカラー、ネイキッドカーボンにカラークリア塗装といった仕様を選ぶ場合が多いようで、こういった「グラデーション」はかなり少ないようにも感じます。
ヴァーダント・テーマ GT バイMSO のインテリアはこうなっている
そしてヴァーダント・テーマ GT バイMSOについて、エクステリアが特別ならばインテリアも特別製。
内装に使用されるレザーはダークグリーンにブラック、そしてローレルグリーンで、シートにはローレルグリーンのマイクロパイピング(パイピングが二重になっている)が採用されています。
なお、マクラーレンのクルマとしてははじめてインテリアに「カシミア」が使用され、これはシート表皮の一部、ドアインナーパネル、サンバイザー、ダッシュボード下部に用いられています。
現在は(世界情勢的に)スーパーカーといえど内装にレザーをふんだんに使用することがあまり好意的に受け取られず、よって各社とも「非レザー素材」を採用する方向に踏み切っていますが、マクラーレンの場合、とくにそういった傾向の強いイギリスに本社を置いているということも関係しているのかもしれません。
そのほか「MSO」が手掛けたことを示すプレートが装着されたり、ペダルにすらカスタムが施されることになり、その特別感を加速させる仕掛けがふんだんに用いられているようです。