
かつてはボクもそのスタイリングに惚れ込んで購入しただけに「気になる報道」である
ジャガーに続きレンジローバーも大きな決断を下すことに
美しいデザインと英国ラグジュアリーの質感をもってプレミアムコンパクトSUV市場を牽引してきたレンジローバー「イヴォーク(Evoque)」と「ヴェラール(Velar)」。
ブランドの裾野を広げ、多くの新規オーナーを呼び込んできたこの2つのアイコンモデルが、大きな転換期を迎えているというのが今回のニュースです。
英国AutocarがJLR(ジャガーランドローバー)への取材に基づき報じたところによれば、両モデルが2027年半ばをもって生産を終了することが公式に確認されたといい、ここでは人気モデルの廃止という決断の背景にある同社の戦略、そして今後のラインナップ再編について考えてみたいと思います。
Image:Range Rover
この記事の要約
- ジャガーランドローバー(JLR)が、レンジローバーブランドのエントリーSUVである「イヴォーク」とコンパクトモデル「ヴェラール」の生産を2027年中頃に終了することを正式に認める
- 両モデルの後継車は直接開発されず、生産ラインをより高価格で収益性の高い大型モデルやEVモデルへ引き渡すことで、ブランドの更なる高級化(アップマーケット化)を推進する
- イギリスのソリハル工場およびヘイルウッド工場は、フルサイズレンジローバー、Jaguar Type 01、ディフェンダーファミリーの新型モデル(ディフェンダースポーツ想定)、レンジローバーGTの製造拠点へ移行する
イヴォーク&ヴェラール生産終了の概要
今回生産終了が明らかになったのは、現在レンジローバーのラインナップの中で最も手頃な価格帯を担う「イヴォーク」と、流麗なデザインで高い評価を獲得してきた「ヴェラール」の2車種です。
Image:Range Rover
| モデル名 | デビュー年 | 特徴・位置付け | 予定される生産終了時期 |
| レンジローバー イヴォーク | 初代 2011年 / 現行第2世代 2018年 | ブランド最小のエントリーモデル。高いデザイン性と美しいインテリア | 2027年中頃 |
| レンジローバー ヴェラール | 2017年発表(2018年モデル) | イヴォークとスポーツの中間に位置する最もスタイリッシュな中型SUV | 2027年中頃 |
イヴォークはデビュー以来17年 / 2世代にわたって高い販売実績を残し、ヴェラールもまたブランドの洗練された美学を象徴する存在として強いプレゼンスを誇ってきたモデル。
しかし、2027年の生産終了時にイヴォークは誕生から8年、ヴェラールは9年を迎えることとなり、自然なモデルサイクルの終了に合わせて直接の後継車を置かずに退役することが決まったのだと報じられています。
Image:Range Rover
生産拠点再編の詳細
両モデルの生産終了は、JLRが推し進める「イギリス国内工場の生産能力(キャパシティ)の再配置および高価格帯シフト」を目的としたもので・・・・
| 項目 | 旧体制(イヴォーク / ヴェラール) | 2027年以降の工場生産計画 |
| ソリハル工場 (UK) | ヴェラール / ジャガーF-PACE等の生産 | フルサイズレンジローバー、レンジローバースポーツ、電動高級セダンJaguar Type 01 |
| ヘイルウッド工場 (UK) | イヴォーク / ディスカバリースポーツの生産 | コンパクトなディフェンダースポーツ(仮称)、EVスポーツレンジローバーGT |
| 価格帯(北米基準) | イヴォーク(約5.1万ドル〜) / ヴェラール(約6.3万ドル〜) | 新エントリー枠:レンジローバーGT(想定8万ドル以上〜) |
Image:Range Rover
エントリー層を支えてきたモデルの生産ラインを空けることでソリハル工場では超高価格帯のフルサイズモデルや約「数千万円」規模の「Jaguar Type 01」に注力。
ヘイルウッド工場では、電動化プラットフォーム(EMA)をベースとした次世代EVや「ディフェンダー」ファミリーの派生コンパクトモデルへの投資が集中的に行われるといい、ジャガーとあわせてレンジローバー、そしてランドローバーもそのラインアップが「様変わり」するということになるというわけですね。
競合比較・市場での位置付け
近年、プレミアムブランド各社はエントリーモデルの整理と高粗利モデルへの集中を強めていて、同グループの「ジャガー」の「ボトム」が約700万円台のE-PACEから2000〜3000万円といわれる超高級EV「Type 01」へ移行するのと同様、「レンジローバー」ブランド自体もより上位のラグジュアリー領域へとシフトするということに。
ただ、このゾーンは今後アルピナなど様々なブランドから様々なモデルが投入されることが予想され、ここで「消費者に選ばれよう」となると「それなりの」強い商品力が必要であり、今後ジャガーそしてレンジローバーが「競合を打ち負かすだけの」魅力を備えることができるかどうかには興味がつきないところだと思います。
Image:Range Rover
いずれにせよ、これによってJLRグループ内の役割分担が明確化され・・・。
- レンジローバー(Range Rover): 2000万円以上の最高級ラグジュアリー・EV市場を担当
- ディスカバリー(Discovery)& ディフェンダー(Defender): 手頃なプレミアムエントリー枠および本格オフロード市場を担当(ディフェンダースポーツ等の投入)
手頃な価格で「レンジローバー」のバッジを手に入れたいユーザーにとっては選択肢が狭まることになりますが、ブランド全体の希少性とプレミアム価値を高める戦略的な判断ということになり、同社が強い意志をもってこの方向性を歩む限り、今回の決定に「揺るぎはない」ということなのかもしれません。
Image:Range Rover
補足情報
イヴォークとヴェラールがラインナップから姿を消すことで、2027年以降のレンジローバーブランドで「最も手頃なモデル」となるのは”現在予告されている”フラットなフォルムを持つ電動グランドツアラー「レンジローバーGT」になるとみられています。
しかし、そのスタート価格は約1,500万円を超えると予想されており、従来のイヴォークオーナーが気軽に乗り換えられる価格帯ではなくなってしまい、「スタイリッシュな英国SUVを50,000ドル台で手に入れる」という選択肢は「現行イヴォーク / ヴェラールの最終生産型」が最後のチャンスということに。

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結論
レンジローバー「イヴォーク」と「ヴェラール」の2027年生産終了は、一時代を築いたヒット作の終焉であると同時に、JLRが描く「超ラグジュアリー&電動化」の未来に向けた大きな舵切りを意味しています。
両モデルの退場によって空いたラインは”さらに”高次元の走りとラグジュアリーを提供する次世代モデルへと受け継がれ、レンジローバーはより孤高のプレミアムブランドへと進化を遂げていくことになる、というわけですね。
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参照:Autocar

















