| 絶対的な性能を重視してきたマクラーレンがまさかの方向転換 |
マクラーレンが次に「アルティメットシリーズ」から送り出す限定モデルは「オープントップのスピードスターになる」とのこと。
なお、マクラーレンは現在そのラインアップとして、一番上に「セナ」「スピードテール」を擁するアルティメットシリーズ、次いで「720S」の属するスーパーシリーズ、「540C、570GT/570S」で構成されるスーパーシリーズを持っています(新型車「GT」がどこに入るのか、どこにも入らず別シリーズとなるのかは不明)。
これは英国Autocarが報じたもので、新型限定モデルは「より公道での走行を楽しめる設計」を持ち、「サーキットに特化した」セナ、「長距離移動に適した」スピードテールに加え、新しい方向性を示すということになりそう。
感覚的な「楽しさ」をどう表現するのか
なお、これまで「サーキットでの走行性能」や「絶対的な最高速度」という、パフォーマンスを追求してきたマクラーレンが、なぜ「楽しさ」という今までにない、感覚的な方向性を求めたのかは全くのナゾ。
もしかすると、フェラーリが「ICONA」シリーズとして発売したモンツァSP1/SP2に触発されたのかもしれませんし、「今までと同じ方向性のクルマを発売してもそうそう売れないだろう」と踏んだのかもしれません。
ちなみにこの「スピードスター」というボディ形状ですが、文字通りスピードを追求したクルマで、車体上部にある重量物つまりルーフを取っ払ってしまったボディ形状を指します(スピードスターが登場したときは、空力が重視される時代ではなかった)。
さらにはフロントウインドウすら「重い」ということで上半分を切り取ったり、ときには全部取り払うケースもあるほどの「割り切った」仕様を持っている場合も。
なお、直近だと「ポルシェ911スピードスター」が有名ですが、これはポルシェの創業年に因んだ1948台のみが発売された限定車。
そしてアストンマーティン・ザガート・ヴァンキッシュ・スピードスターは28台のみというごく少数が発売。
いずれも歴史のあるメーカーが、過去の車をモチーフとして発売するケースが多く、そしてマクラーレンについても過去のレーシングカーをモチーフにすることになると報じられ、よって現行モデルに比較して「より流麗でエレガントな」ボディラインを持ち、専用のデザインを持つコンパクトなディへドラルドア(バタフライドア)が与えられる、とも。
エンジンはマクラーレンの通例に従い4リッターV8ツインターボ(800馬力程度)、そしてハイブリッドは「ナシ」、トランスミッションはデュアルクラッチ。
車体重量は大きく削られ、1,198キロ程度に収まる、とも報じられています。
マクラーレンは過去にこういったレーシングカーも作っている
なお、マクラーレンの「オープンコクピット」レーシングカーといえば1960年代の「M1」。
いくつかのバリエーションが存在しますが、マクラーレンは過去にM1をモチーフにした「カンナム・エディション」を設定したことがあり、このデザインが反映される可能性が高そうですね。
発表時期については不明ながらも、「セナGTR」の生産が終了した後にこの新型「スピードスター」を生産開始すると言われ、となると発表はそれほど先ではないのかもしれません。