さて、ランボルギーニ・ウラカンのドア。
これは非常に長く大きく分厚く、乗降に苦労する部分でもあります。
こちらについても「実用的かどうか」尋ねられることがあり、ここでその「実際」を見て見ましょう。
まず、ウラカンのドアは「二段階」に開きます。
スポーツカーでは三段階に開くものや無段階に開くものがあり、中にはアストンマーティンのように「意図したところでどこでも(開いた)ドアが止まる」ものも。
また、かつてのトヨタ・ソアラ、そのレクサス版のように「一旦ドアが外に出てから開く(狭いスペースでも乗降可能なように配慮)」ものも。
ただしウラカンの場合、そのプライオリティとして「日常生」は高くはなく、したがってドアもそこまで親切設定ではありません(しかし特に不親切でもなく、スーパーカーとしては一般的な範囲)。
下の画像は前から見て、「ドアを最大に」、つまり二段階開いたところ。
駐車場の枠の真ん中に停めていますが、ドアの端がその枠を大きく超えているのがわかります。
後ろから見るとこんな感じ。
ドアを開いたところに立つとこう。
二段階ドアを開くことができれば乗降に全く問題はない、と考えています。
ただし、ドアをフルオープンにするには車両からさらに「95センチ」のスペースが必要に。
一方、ドアを一段階だけ開いた状態。
後ろから見たところ。
正直、これで乗り降りはかなりキツい、と言えるでしょう。
ドアを開けたスペースに立ったところ。
ここから乗り込もうとなると、まずは右足を室内に入れて・・・
右足をフロアにおろして踏ん張った状態にて車内に半身を入れ、そこからシートに腰をおろします。
そこから残った左足を室内へ。
ただしこれが結構難しく、ウラカンはサイドステップが出っ張っているので、これに当たらないようにする必要があります。
なお、ドアを一段階のみ開いた状態で必要な距離は「55センチ」。
この空間のみで出入りを行うには相当にアクロバティックな体勢が要求されることになります。
なおウラカンのドアは先端が尖っているので周囲の車に対する攻撃力は相当に高く、横に車が停まっているときはかなりな注意が必要。
ちなみに一般的な駐車場の幅は2.5メートルとのことで、ウラカンの幅が1.93メートル。
駐車スペースの真ん中に停めると片側28.5センチしかなく、隣の車の幅が1.8メートルだとした場合(かつ隣の車が駐車スペースの真ん中に停まっている場合)は隣の車まで63.5センチしか隙間がない、ということに。
となるとドアを一段階開いてようやく外に出ることができる、という状況ですね。
もしも助手席側が「壁」であって車がいなければ、先に助手席の人を(乗っていれば)降ろして壁ギリギリに駐車するという方法もありますが、出先の駐車場では壁側を確保できるケースの方が少なそう。
なおマクラーレン540C/570S/650S/720S、ランボルギーニ・アヴェンタドールのような「ディヘドラル・ドア」採用車の場合、開閉に必要な幅は「40センチほど」とされており、いわゆるガルウイングドア採用スーパーカーの方が一般の駐車場において乗降は容易なのかもしれません(ただし高さは2メートルほど必要ですが)。
アストンマーティンはドアがちょっとだけ上に持ち上がる「スワンスイング」ドアを採用していますが、これは狭い空間でも足の出し入れがしやすく、かなり便利な構造だと思います。
ちなみにメルセデスAMG GTはスーパーカーとして異例にドアが短く、これは狭い場所での乗り降りがかなり容易な車の一つ、と言えるでしょう(フロントウインドウがかなり後ろに位置することに起因している)。