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| 未来のコルベットが3台揃い踏み |
それでもまだ「未来のコルベット」がどうなるかは”神のみぞ知る”
今春、シボレーは新設された英国のデザインスタジオが考案した”未来の”コルベットのコンセプトカーを発表し、先月にはカリフォルニアチームによる第2弾を公開済み。
そして今回、モントレー・カー・ウィークの「ザ・クエイル」で、3部作(実質的には4台)の最後となるコンセプトカーがお披露目されています。
このコンセプトカー「コルベットCX(Corvette CX)」と、そのレーシングバージョン「CX.R バージョン・グランツーリスモ(CX.R Vision Gran Turismo)」は、ミシガン州ウォーレンにあるシボレー・パフォーマンス・スタジオのチームによって設計・製作されたもので、「出揃った」3台のコルベットは世界中の、そして異なる拠点が独自に考案したそれぞれのコルベットということになりますね。
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もともと「量産を前提としない」のが今回の一連のコルベットである
なお、シボレーはこれら「3部作」を公開するにあたり、これらは「具体的な未来の、そしていずれかの世代のコルベット量産モデル開発計画の一部ではなく、完全に独立したプロジェクトであり空想上の産物にすぎない」としていますが、今回シボレーのデザイン担当エグゼクティブ・ディレクター、フィル・ザック氏は、以下のように語っており、今回の成果物が「未来のコルベット」に及ぼす影響を否定しておらず、実際にC9コルベットが登場した際には今回の一連の「3部作」との比較を行ってみても面白いかもしれません。
「CXコンセプトによって、我々のチームは量産車の制約から解放され、創造性を解き放つことができたました。その結果、これまでの2つのコンセプトカーよりもコルベットらしさを感じさせ、かつ未来的すぎない、10年後のC9コルベットを想像させるデザインが生まれたのです。少なくとも、今後のコルベットのデザインの方向性を決定づける要素を持つことは間違いありません」
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ロードカー:コルベット CX
まず、ロードカーとしてのコルベット CXは、シャシーに搭載された90kWhのリチウムイオンバッテリーパックと、各ホイールに配置されたエレクトリックモーターによって合計2,000馬力以上を発揮します。
このパワートレインはアクティブ・エアロダイナミクスや、ボディワークを通して空気を吸い込んでダウンフォースを生成する真空ファンシステムなど、究極のパフォーマンスを追求するための「最大限のデザインの自由度」を提供するために選ばれており、しかしシボレーはCXの全長を明らかにしておらず、ただし全高は41インチ(約104cm)未満であることが明かされています。
その他の特徴として戦闘機にインスパイアされたキャビンデザイン(さすがにこのキャノピー形状は市販車に採用されないであろう)、そしてコルベットの象徴である「チャイン」ラインがボディ上部と下部を分け、サイドに沿ってドラマチックに続いています。
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革新的なキャノピーとインテリア
CXには通常のドアはなく、上述のキャノピー(ルーフ、ボンネット、上部ボディパネル全体が一体化している)が開閉する方式で、ドライバーが近づくと自動的に前方に持ち上がり、文字通り戦闘機のキャノピーのような開閉システムを採用しています。
インテリアもコルベットらしさを感じさせつつ、極めて未来的なデザインを持っており、ダッシュボードとセンターコンソールのラップアラウンドデザイン、ウィング型のステアリングコラムなど、随所にコルベットのDNA(エンブレムの形状がダッシュボードやステアリングホイールに再現されている)が見られます。
内装のほとんどは「インフェルノ・レッド」の「バリスティック・テキスタイル」で覆われていますが、鍛造カーボンファイバー、削り出しアルミニウム、高級シリコンレザーのアクセントも施され、高い質感を追求しているようですね。
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レースカー:コルベット CX.R
CXのレーシングバージョンである「CX.R Vision Gran Turismo」は、FIA世界耐久選手権やIMSAスポーツカー選手権に参戦する現行のZ06 GT3.Rレースカーに相当する存在として描かれていますが、このコンセプトカーは、長年コルベットのレーシングカーを彩ってきたイエローとブラックのカラーリングをまとっており、やはり「コルベットのDNAを感じさせる」仕上がりに。
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CX.Rは、(レーシングカーということもあって)CXよりも車高が低く軽量化されているという設定ではありますが、特筆すべきはそのパワートレインで、ロードカーのCXが4モーターのEVであるのに対し、CX.Rはミッドシップに搭載された2.0リッターのツインターボV8エンジンを搭載していること。
このV8エンジンは15,000rpmまで回り、単体で900馬力を発揮するというスペックを持っていて、さらに3つのエレクトリックモーターを組み合わせることで合計2,000馬力という驚異的な出力を実現しています。
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バーチャルワールドでレースを体験
このコルベット CXとCX.Rは、モントレー・カー・ウィークで展示されている実車コンセプトカーに加え、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの提供する『グランツーリスモ7』でバーチャル世界でも運転可能となる予定。
シボレーのエンジニアは、ポリフォニー・デジタルと協力し、空力、シャシー、パワートレインの設計図を用いることでバーチャルなCXを可能な限り正確に再現したといい、この2つのバージョンは、今月中にゲーム内で利用可能になる、とアナウンスされています。
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コルベット CX / CX.Rを紹介する公式動画はこちら
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