| ただし「ミニ」というブランドは圧倒的 |
ミニ初の量産ピュアエレクトリックカー、ミニクーパーS Eの北米価格と仕様が決定し、「30,750ドル、2020年3月からデリバリー」になると公表に。
スペックとしてはバッテリー容量が32.6kWh、フロントに搭載されたモーターは181馬力を発生。
現時点ではEPAにも続いた航続可能距離の提示はなく、しかしミニによると「180キロくらい」を予想している、とのこと。
0−100km/h加速は6.9秒、最高時速はリミッターによって制限されるため150km/h。
内蔵されたACチャージャー使用だと満充電にかかるのは4時間、DC充電(50kW)だと80%までを35分で充電可能だと公表されています。
ミニクーパーS Eの装備は充実している
そのほか、特筆すべきは「フロアにバッテリーを敷き詰めているため」ガソリンエンジン/ディーゼルエンジン搭載のミニに比較して最低地上高が18ミリ高く設定され、しかしリアのトランクスペース(211リッター)はまったく犠牲になっていないということ。
標準装備としては6.5インチサイズのディスプレイを持つカーナビゲーション一体型インフォテイメントシステム、そしてシートヒーターも。
そのほかにはレインセンサーつきワイパー、LEDヘッドライト、ヒーター付きミラーが与えられているようですね。
なお、「シートヒーター」については、おそらく冬季にバッテリーを暖めるためのヒーターと一部を共有するのだと思われ、「ついで」として装備されているのでは、と考えています。
ミニクーパーS Eの(既存のミニ・3ドアハッチバックとの)外観上の相違としては上述の「車高」のほか、カバー付きのフロントグリル、専用デザインのホイール、イエローアクセント、助手席側の充電ポートなど。
今のところカーコンフィギュレーターが公開されておらず、用意されるボディカラー、オプションなどは不明です。
ミニクーパーS Eの競争力は?
今年に入って各社とも普及価格帯のEVを投入していますが、中心価格帯はおおよそ350万円前後、といったところ。
コストパフォーマンスが高いのは日産リーフとフォルクスワーゲンID.3で、ホンダeとミニクーパーS Eは走行距離と価格とのバランスからするとちょっと不利。
おそらく(今のところ走行可能距離・価格が発表されていない)マツダMX-30もホンダeと同じくらいの(一回の満充電当たり)航続可能距離と価格になると思われ、コストパーフォーマンスだけを考えるとちょっと競争力に欠けるといったところですね。
ただ、ボディ形状だとマツダMX-30のみが「SUV」ということで一歩(容量的に)リードしており、ほかはコンパクトハッチバックなので50歩100歩。
そして後部ドアが独立しているのは日産リーフとID.3そしてホンダe、観音開きなのはマツダMX-30とBMW i3、3ドアハッチバックはミニクーパーS Eのみ。
こうやって考えると、ミニクーパーS Eは走行距離と価格とのバランス、ユーティリティから見ると「少し苦しそう」で、”ミニ”というブランド力をもってライバルと勝負することになるのかもしれません。
車名 | バッテリー容量 | 走行可能距離 | 価格 |
日産リーフ | 40kWh | 322km | 324万円 |
日産リーフe+ | 62kWh | 458km | 416万円 |
ホンダe | 35.5kWh | 220km | 邦貨換算350万円 |
VW ID.3 | 45kWh | 330km | 邦貨換算340万円 |
BMW i3 | 42.4kWh | 360km | 543万円 |
ミニクーパーS E | 32.6kWh | 183km | 邦貨換算335万円 |
マツダMX-30 | 35.5kWh? | ? | ? |