にわかに注目を浴びる防弾車両ビジネス。1台1億円以上、防弾防爆仕様のロールスロイス・カリナンが登場

｜　手榴弾が2個同時に爆発しても大丈夫らしい　｜

セレブには一般人の知り得ない苦労があるようだ

さて、ビートたけし襲撃事件によって日本でも注目を浴びるようになった防弾使用車。

欧米、そしてロシアや南米ではこういった防弾そして防爆仕様車の需要が非常に高いと言われますが、メルセデス・ベンツやアウディ、BMWは「メーカー純正オプション」として防弾・防爆仕様をラインアップしており、さらに彼の地ではサードパーティーとしても多くの「防弾仕様へとコンバートする」会社が存在します。

襲撃をさけるため「見た目は普通」

そして今回紹介するクラッセンもそういった「防弾カスタム」を行う会社のひとつですが、今回紹介するロールスロイス・カリナンの防弾仕様はなんとその価格「1億円以上」。

つまり通常のカリナンの「倍」の支出が要求されることになるものの、命を狙われる可能性がある人にとっては「価格の問題ではない」のかもしれません。

今回のカリナンはCEN1063レベル6までの保護性能を誇るといい、360度すべてを保護する装甲に加え、ルーフとフロアも保護されており、DM51手榴弾が2つ同時に爆発しても耐えることができる、とされています。

そのほかバッテリーや電子制御モジュールの保護、ドアヒンジなど構造部分の強化、サスペンションの強化、ランフラットタイヤの採用など、さまざまな部分が補強されることに。

こういった防弾・防爆化は鉄板や分厚いガラスなど「非常に重い」素材を使用することになり、よってドアがその重みで下がったり、サスペンションやそのジョイント部が耐えられなくなったり、ブレーキの容量が足りなくなったりするため、「総合的に」車両を改造する必要があるわけですね。

クラッセンではインテリアのカスタムにも対応

なお、クラッセンではインテリアのカスタムにも対応しているといい、VIPも納得の高級素材を使用したオーダーメイド内装の提供も可能だ主張していますが、この車両ではおそらく「ノーマルのまま」の内装にとどまっている模様。

こういった防弾車を必要する人々は「過度に目立つことを嫌う」傾向にあり（もちろん目立ちたい人もいる）、よって内外装を「防弾仕様だと」悟られないようにカスタムすることが大半だといいますが、常人には想像もつかない苦労があるのかもしれませんね。

今回紹介されているロールスロイス・カリナンと同程度の「防弾・防爆レベル」だと、改装に3ヶ月ほどを要する、とのこと。

その他にはこんな防弾車も

なお防弾仕様車にも様々なものが存在し、面白いものだと「水冷化に反対する空冷ファンからの襲撃から身を守るため」にポルシェ重役がオーダーした防弾911も。

やはりVIPにも自らスーパーカーのステアリングホイールを握る「息抜き」タイムが必要だと見え、防弾仕様のスーパーカーも存在します（フェラーリやアストンマーティンなど、けっこうこういった例が多く見られる）。

こちらは見るからに防弾防爆な「レズバニ・タンク」。

ルイ・ヴィトングループ総帥は「襲撃を避けるため」見た目普通のプジョー205（しかし念のため防弾仕様）を愛用していた模様。

セレブ系チューナー、マンソリーはセレブを対象にした防弾仕様メルセデス・ベンツGクラス（ゲレンデ）をリリースし、あらたにセキュリティ車両ビジネスに参入していますね。

参照：Klassen