東洋経済にて、「日本市場において、唯一アメ車の中でジープ好調」という記事が公開に。
記事によると現在日本市場の新車において輸入車(外国メーカー)の割合は7.1%にとどまり、とくにアメ車の販売は0.32%とのこと(輸入車においても4.5%のシェア)。
その中でもジープが勢力を伸ばして、2016年においては2015年比で31.6%増加の9392台を販売し、もちろんこれは「過去最高」。
なお、この5年で販売台数は3倍になった、としています。
この好調の背景には「FCAジャパンとディーラーとの共同投資」があるとしており、2014年には66拠点だったディーラーが2017年3月には74拠点へと増加。
さらにはCI導入に伴い店舗の改装を急ピッチで進めている、とのことです。
トランプ大統領は「日本がアメ車を買わないのは不公平」としており、それよりも以前にフォードも日本市場から撤退を決めていますが、基本的にアメリカの商売として「アメリカのやり方にあわせろ」というものがあると思われます。
ハリウッド映画の典型「白人男性が世界を救う」が示すように、アメリカ(とくに白人)のやり方が正しく、他の市場はそれに合わせろ、合わせないほうが悪い、と考えているフシがあるのでは、ということですね。
スターバックスやマクドナルドも同じで、アメリカのやり方をそのまま日本に持ち込んでいるわけですが、それが「日本市場に合致」した場合は良いものの、ウォルマートのように日本に合わないと「まったく受け入れられない」ことに。
家電も同じで、「デカい車でスーパーにまとめ買いに行く」アメリカのスタイルを反映させた巨大な冷蔵庫が日本で売れるわけはなく、そういった国ごとの差異を理解しないのがアメリカの企業だと考えています。
正確に言うならば、「日本はアメリカ風スタイルを変更してまで獲得するに値しない市場」と認識されており、逆に中国は「中国のスタイルに合わせてまで獲得すべき市場」ということになりますが、要は「ビジネスライクに」切り捨てられている、合わせるまでもないと判断されているのが日本市場、と言えますね。
そんな状態でフォードやシボレーはどうしても力が入らず、力が入らないと販売も伸びないということで「負のスパイラル」が生じ、そのスパイラルに飲まれる形でフォードは撤退。
ただしそのスパイラルから脱するには「先行投資」が必要で、たとえば(欧州自動車メーカーですが)ランボルギーニやロールスロイスは販売拠点を増やすという先行投資を行うことで販売を増加させており、仮にこの投資を行わければ「ジリ貧」となるわけですね(いかに商品力が高くとも、それを消費者に知らせるプロモーションが行われず、買う場所がなければ売れない)。
その点「ジープ」は上述のように比較的日本市場に対して「投資」を行っており、これが結実している、とも言えます。
商品(ジープ)そのものも他社製品と差別化が明確で、加えて近年のアウトドアブームも後押ししているという好条件が重なっているとも考えられますが、逆に「正のスパイラル」にあると考えても良さそうですね。
差別化ができているということは排他性が高いということになり、要は「個性が強い」ということになりますが、こういった車は中古相場も高値推移する傾向にあり、これもまたジープの人気を下支えしていると言えるのかもしれません。
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VIA:東洋経済