| さすがはブガッティ、こういった点がオーナーに支持されているのだと思われる |
現時点では本件にかかわるトラブル、事故は報告されていない
さて、ブガッティが米国道路交通安全局(NHSA=National Highway Traffic Safety Administration)へとリコールを届け出。
内容としては「ボルトの締め付けトルク不足」というもので、緊急を要したり重大な事故につながるものではないようで、かつ対象となるのは2017年11月16日に組み立てられたシロンのみ。
さらに細かく言うならば、フロントフレームサポートを固定するボルトにつき、本来のところ「最低19Nm」で締め付けられるはずであったものの、実際には「9Nm」で締め付けられていた、とのこと。
いったいなぜこの問題がわかったのか?
そこで気になるのが「なぜこの問題がわかったのか」。
ボルトの脱落でもないとこういった問題を把握することは難しそうですが、ブガッティによると2022年3月3日に「問題のボルトが規定トルクにて締め付けられていないこと」を発見したといい、その日のうちに社内の「ボルト締め付けデータベース」にアクセスして作業内容を調べたところ今回の事実が発覚したとされ、3月21日に「リコールが必要である」という判断に至ったようですね。
ただ、なぜボルトのトルク不足を発見したのかにまでは言及されておらず、しかしおそらくは点検かなにかで入庫した車両の整備中のできごとであったのかもしれません。
なお、ブガッティはその速度域が「常識をはるかに超えていて」、その速度域でも安全性を確保できるよう、通常のクルマはもちろん、スーパーカーをも軽く超える独自の安全基準を設定し、それを満たすために設計や製造を行っているといいますが、今回の対応を見るに、「ボルトの締付け」までをデータベース化しており、何日に製造された個体の、どの部分がどれくらいのトルクにて締め付けられていたかまでを記録しているということになりますね(ほとんどの自動車メーカーにおいても、主要パーツの組立における締め付けトルク管理記録は残しているとは思うが)。
ちなみにブガッティのクルマには、これまた常軌を逸した数のセンサーが取り付けられているとも報じられ、これによって早期のトラブル発見ができるといいますが、これらセンサーの発する情報はリアルタイムでブガッティに送られ、ブガッティは24時間体制にて「納車したブガッティに問題が出ていないか」をチェックしている、とも報じられています。
参考までに、ブガッティのディーラー数は非常に少なく、よってなんらかの修理の際にも顧客が遠方までクルマを輸送しなくてもいいように「フライングドクター」が文字通り飛んできてクルマを修理してくれる、という話も(まるでロールスロイスの都市伝説のように)。
とにかく何もかもが常識を超えているのがブガッティということになりそうですが、さすが「その値段を出す価値はある」ということなのでしょうね。
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