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ブガッティがW16ミストラルの開発最終段階に突入したと発表。「時速420kmで走れるかどうかが問題です。いや、クルマは問題ないのですが、それを実現できるコースがない」

ブガッティがW16ミストラルの開発最終段階に突入したと発表。「時速420kmで走れるかどうかが問題です。いや、クルマは問題ないのですが、それを実現できるコースがない」

Image:Bugatti

| W16ミストラルはブガッティがこれまで発売してきた中での「究極のロードスター」である |

そしておそらく、ここでの経験は今後発表されるであろうトゥールビヨン「ロードスター」に生かされるであろう

さて、ブガッティは「W16エンジン搭載モデル」としては最後のバリエーションとなるW16ミストラルを発表済みですが、現在そのW16ミストラルは発売に向けてテストが継続して行われており、そして今回ブガッティは「そろそろ開発も終焉に近づき、デリバリーまでの秒読み段階に入った」とアナウンスすることに。

このW16ミストラルは、2015年以来ブガッティから出荷される最初のオープントップモデルで、しかしもともとブガッティはシロン世代においてオープンモデルを想定しておらず、よってこのW16ミストラルは「当初の計画にはなかったモデル」です。

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その価格6.9億円!ブガッティ最後のW16エンジン搭載車「W16ミストラル」が発表。過去へのオマージュが散りばめられ、今後100年の使用を想定して製造される
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ブガッティはW16ミストラルのためにモノコックを完全に刷新

よってW16ミストラルの開発作業は容易ではなく、しかしW16ミストラルはブガッティ「最後のW16エンジン搭載モデル」「シロン世代で唯一のオープンモデル」としての矜持を保つ必要があり(でないと発売する意味はない)、そのために「420km/hを超える最高速度を可能にしながら、絶え間ないパフォーマンス、優れた音響、究極の贅沢を実現する」ためにモノコックが完全に刷新されています。

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加えてブガッティは、パフォーマンス、安全性、耐久性の最高基準を実現するというコミットメントにおいて、ミストラルの設計段階から「ブガッティの究極のロードスターを創り出すために」あらゆる手段を尽くすこととなり、ブガッティ・リマックCTO、エミリオ シェルボ氏は以下のようにコメントしています。

現在、W16ミストラルはテスト プログラムの最終段階に差し掛かっており、その終わりが近づいています。最初の検証段階から徹底的な耐久テストまで、W16ミストラルの開発のあらゆる側面が正確に計画され、実行されています。W16ミストラルは、ロードスター設計の新しい基準を設定するという当社の取り組みの究極の例なのです。

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ブガッティが「最後のW16エンジン搭載ロードカー」「シロン世代唯一のロードスター」、W16ミストラルについて語る。「単なるシロンの再開発モデルではない」
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すでにブガッティは国際安全基準に準拠するための厳格な衝突テストを終え、これによって北米はもちろん欧州はじめ世界中の各市場において合法に登録できるようになりますが(これは非常に重要な要素であり、いくつかの新興ハイパーカーメーカーのクルマは合法に登録できない場合がある)、現在のテストはシャシーダイナモによって期待どおりの数値(出力のみではなく排気ガスも)が出ているかどうか、そして実際に路上でそのパフォーマンスを発揮できるかどうかという段階にあるのだそう。

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ブガッティのテストは過酷を極めることで知られている

これまでにもブガッティ各モデルの開発状況については様々な形で報じられていて、その内容が徹底的であることが知られていますが、W16ミストラルではプロトタイプだけでもすでに32,000kmを走行しているといい、もちろんこれらのロードテストでは「単に走るだけ」ではなくさまざまな地形、山岳地帯、海抜、さらには交通量の多い状況での走行を経験しています。

そしてW16ミストラルは今後サーキットにて5,000kmの走行テストを予定しており、合計だと(発売までに)4万キロを走ることになる、ともアナウンスされています(顧客に納車されたブガッティで、いまだ4万キロを走行した個体は存在しないらしい)。

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なお、路上テストで最も困難なのは「最高速度の検証」だと予想され、ただし困難の理由は「クルマの性能」ではなく「W16ミストラルが安全に時速420 kmを超えることができる適切なコースを見つけることが難しいから」。

私たちは、安全な条件でテストを実行できる世界でも数少ないトラックの1つで、最終的な高速テストを実行する予定です。そして実際にそのトラックにアクセスできるようになると、最高速度を達成することはもはや問題ではなくなります。

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ブガッティはミストラルの開発テストを通じ、「ブガッティに期待される性能基準を満たすだけでなく、ハイパースポーツロードスターの安全性と信頼性の新たなベンチマークを設定し、比類のない贅沢さと運転体験を提供するクルマを提供する」術を身につけることになりますが、この経験はおそらくトゥールビヨンのオープンモデルにも生かされることとなるはずで、今後のさらなるブガッティの展開に期待したいところでもありますね。

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参照:Bugatti

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