| 踊る象があまりにリアルすぎてちょっと怖い気も |
ブガッティはこれで一つの時代を終え、同時に新しい時代を迎える
さて、ブガッティは先日「W16エンジンを搭載する最後のモデル」としてW16ミストラルを発表していますが、このミストラルはシロン世代で唯一のオープンであり、ブガッティは”W16エンジンの最後を締めくくるにはオープンモデルしかない”、とも考えていたようですね。
ブガッティのデザイン担当副社長、フランク・ハイル氏によれば、ブガッティの顧客はシロンのオープン版を熱望していたといい、ヴェイロンのモデルライフ末期にリリースしたヴェイロン16.4 グランスポーツ・ヴィテス同様の記念モデルを求める声が多かったといいます。
なお、そういった声がいかに多かったのかについては、「99台」というかなり多めの限定台数を見れば理解することができ、そしてこの99台が「全て完売」していることから確信に変わります。
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ブガッティW16ミストラルは単にシロンの屋根をカットしただけではない
なお、このW16ミストラルについては、単純にシロンのルーフをカットしただけではないといい、それは先日公開されたヴェイロン16.4 グランスポーツ・ヴィテスに関するコンテンツでも示されたとおり、オープンモデルは衝突時の衝撃の伝わり方がクローズドモデルとは根本的に異なるため、ほぼ再設計に近いほどの労力を要する、とのこと。
よって(最初からクーペと同時設計されているならともかく)オープンモデルが高価になってしまうのは理解ができますが、このW16ミストラルの登場によって、多くのコレクターがそのラインアップを完成させることができたと考えているのかもしれません。
ブガッティW16ミストラルはどんな小さなところにもコストを惜しまない
このブガッティW16ミストラルは、ガソリン世代最後を締めくくるにふさわしい性能やディティールが与えられており、たとえばそのイメージカラーであるブラック、そしてアクセントのイエローについては、ブガッティ創業者であるエットーレ・ブガッティが愛したカラーコンビネーションです。
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そしてもうひとつ特筆すべきディティールが「エットーレ・ブガッティの実の弟、レンブラント・ブガッティが作成した”踊る象”がシフトレバーに埋め込まれていること。
この事実については、W16ミストラル発表時にブガッティ発行のプレスリリースにて言及されていたものの、今回はじめてその画像がMotor1によって公開されており、その様子を確認することが可能となっています。
これを見るとたしかに「踊る象」が琥珀を模したアンバーの樹脂に埋め込まれており、これはまるでジュラシックパークにて登場した、「琥珀に閉じ込められた蚊」を取り付けたジョン・ハモンドの杖のようでもありますね。
ちなみにこの「踊る象」はかつてブガッティ・ロワイヤルのフロントを飾るマスコットとしてレンブラント・ブガッティがデザインしたもので、現代のブガッティにおいても「ヴェイロン・レンブラント」の内装に用いられているほか、数々のブガッティのクルマやアクセサリーにおいても見ることが可能です。
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ちなみにエットーレ・ブガッティの父親であるカルロ・ブガッティは高級家具のデザイナーであり、上述の通り弟は彫刻家。
そしてエットーレ・ブガッティは芸術的な価値を持つ自動車メーカーを立ち上げており、つまりは「創作活動に特化した」一家だったといえそうです。
ちなみにレンブラント・ブガッティは彫刻家ではあっても「動物に特化した」作品を作り続けたといい、動物園にて動物を観察し、多くの動物の彫刻を世に残したようですね。
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参照:Motor1