
Image:Alpine
| アルピーヌ、ブランド史上最強の1000馬力スーパーカーを計画中 |
アルピーヌ、真のグローバルブランドへ飛躍なるか?
フランスのスポーツカーブランド Alpine(アルピーヌ) が、1000馬力を誇る次世代スーパーカーの開発を正式発表。
この発表は、2025年に開催された新型EV「アルピーヌ A390」のお披露目会にて、ルノーグループCEOのルカ・デ・メオ氏によって行われたものです。
-
-
アルピーヌがブランド史上初の電動SUV「A390」発表:実用性とスポーツ性能を両立したワイルドな5ドアファストバック、ポルシェ・マカンと直接対決か
Image:ALPINE | 新型アルピーヌA390とは? | その価格は現地で1170万円から、まだまだEVは高価な乗り物であることを痛感させられる フランスのスポーツカーブランド、アルピーヌが新た ...
続きを見る
エンジンとEVの融合:V6+2モーター構成のハイブリッドパワートレイン
アルピーヌのCEO、フィリップ・クリエフ氏がイギリスのTop Gear誌に語った内容によると、このスーパーカーは以下の特徴を持つとされています。
- カーボンファイバーとアルミニウム製シャシー
- ターボチャージャー付きV6エンジン(後輪駆動)
- フロントに2基の電動モーター(トルクベクタリング機能付き)
- システム総出力:約1000馬力
つまりはV6エンジンと2モーターによる「ハイブリッド」で、おそらくはガソリンエンジンをリアミッドに搭載し、後輪をガソリンエンジンで駆動しつつ、前輪をエレクトリックモーターで駆動する「4WD」ということに。
構成は微妙に異なるものの、フェラーリSF90ストラダーレやポルシェ918スパイダー、ランボルギーニ・レヴエルトと似たパッケージを持つと考えてよく、内燃機関とエレクトリックモーターとの高次元な融合によるパフォーマンスが期待されています。
パワートレインは「Hypertech」が開発中
このV6ハイブリッドパワートレインは、ルノーグループ傘下の「ハイパーテック(Hypertech)」部門にて開発が進められ、その開発拠点は、世界耐久選手権(WEC)を視野に入れた技術拠点「ワールド・エンデュアランス・テクニカル・センター(World Endurance Technical Centre)」。
つまり、モータースポーツでのノウハウを活かしたスーパーカー(あるいはハイパーカー)になる可能性が高いと見られていますが、近年では「市販車とレーシングカーとの間でパワートレーンの基本設計を共有する例」がフェラーリ、ランボルギーニでも見られ、これはひとつのトレンドなのかもしれません(もともとスーパーカー / ハイパーカーは販売台数が少なく、開発コストを吸収しようとなるとこの方法が有効である。されにモータースポーツ参戦のためのエクスキューズとしても機能し、近年のモータースポーツブームのひとつの恩恵でもあると考えられる)。
Image:Alpine
-
-
全然ハイパーカーじゃない!アルピーヌがル・マン24時間レース「ハイパーカークラス」に参戦するA480を公開。結局ハイパーカーの参戦がほとんどないハイパーカークラスになってしまったな・・・。
| ル・マンを走るレーシングカーはほかカテゴリに比べ、ずいぶん特異な形状を持つようだ | さて、アルピーヌがル・マン24時間レースのハイパーカークラスを走るレーシングカー、A480を公開。当初ル・マン ...
続きを見る
アルペングロウ・コンセプトとは「全く違う」デザインに
気になるデザインについて、 フィリップ・クリエフ氏は「Alpenglow(アルペングロウ)コンセプトとは全く異なる」と明言。
「どう違うのか」は現時点ではわかっておらず、「新しいデザイン言語を採用するのか」あるいは「より実用的なデザインになるのか」はナゾのまま。
Image:Alpine
-
-
アルピーヌが自然をイメージしたハイパーカー「アルペングロー」コンセプトを発表!ヘッドライトは「彗星」をイメージ、その名は日の出前に赤く染まる山々を意味
| そのアグレッシブなルックスとは裏腹に、自然から得たインスピレーションが視覚化されているもよう | アルピングローの市販の予定はないものの、そのデザインは細分化され、今後のクルマに採用される可能性が ...
続きを見る
スーパーカー開発の3つの目的とは?
このプロジェクトの意義について、 フィリップ・クリエフ氏は以下の3点を挙げています。
- ブランド価値の強化:
「スーパーカーはブランド全体を牽引する象徴的な存在」 - イノベーションの実験場:
「技術革新はまずスーパーカーで試し、やがて量産モデルやルノーグループ全体に波及する」 - ビジネスとしても成立:
「開発コストに見合う収益性を見込んでいる」
Image:Alpine
デビューは2028年──アルピーヌの未来を担うフラッグシップ誕生へ
このアルピーヌ初の1000馬力級スーパーカーは、2028年に正式発表予定。
電動化とモータースポーツの融合というテーマを背負い、「次世代フレンチ・スーパーカーの象徴」となる日が近づいています。
現在アルピーヌの存在感は「強い」とはいえず、ルノーとしては「ルノーR.S.」にて展開していたプログラムをすべてアルピーヌへと移管した以上、アルピーヌには「もっと頑張ってもらわないと」ならない状態です。
とくにスポーツカーやスーパーカーにとって最大となる「北米」において、そのプレゼンスは「まだまだ弱く」、モータースポーツでの参戦範囲の拡大、そして成功とともにその名を広げ、市販車の販売とリンクさせるという手法は納得ができるもの。
ルノーグループの戦略の中で、アルピーヌは単なるスポーツカーブランドから、技術と感性を両立した革新の象徴へと進化するという使命を課せられており、1,000馬力というスーパーカーは、その旗印となるべき存在なのかもしれません。
あわせて読みたい、アルピーヌ関連投稿
-
-
アルピーヌが水素エンジン搭載のハイパーカー「アルペングローHy4」発表。すでに実走可能、「私たちは水素内燃エンジンが非常に有望な解決策であると考えています」
| アルペングローコンセプトからデザインが変更されるも「より未来的に」 | ルノーグループはどうやら水素を全面に押し出しサバイバルレースを走るようだ さて、アルピーヌが水素内燃エンジンを搭載するハイパ ...
続きを見る
-
-
アルピーヌがはやくも2024年のル・マン「ハイパーカークラス」で戦うA424_βを公開!来年はランボルギーニ、BMWも参戦して一層アツくなりそうだ
| アルピーヌはモータースポーツとの関わりを強める意向を持つようだ | 使用するシャシーはオレカ製、搭載されるエンジンはV6シングルターボ さて、アルピーヌが(気の早い話ですが)2024年のル・マン2 ...
続きを見る
-
-
アルピーヌが自然をイメージしたハイパーカー「アルペングロー」コンセプトを発表!ヘッドライトは「彗星」をイメージ、その名は日の出前に赤く染まる山々を意味
| そのアグレッシブなルックスとは裏腹に、自然から得たインスピレーションが視覚化されているもよう | アルピングローの市販の予定はないものの、そのデザインは細分化され、今後のクルマに採用される可能性が ...
続きを見る
参照:TopGear