| EV時代になれば、エンジン冷却が不要になるため「通常、グリルレスになる」傾向があるようだ |
ただしグリルがブランドを印象づけるのも間違いのない事実
さて、ピュアエレクトリックカー時代に突入すると、大きく変わると思われるのがそのエクステリアデザイン。
大きな理由としては「ラジエターによってエンジンを冷やす必要がない」からで、つまりは「グリルレス」になってゆくであろうということですね。
たとえばホンダe、マスタング・マッハEなどはグリルが閉じており、それがまた「EVである」という主張を行っているようにも思われます。
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アウディはEV時代でも「シングルフレームグリルを採用」
ただ、そんな中でもアウディのデザイン部門は「EVであっても、ガソリンエンジン車と同様のグリルを搭載する」とコメント。
その理由としてはもちろんシングルフレームグリルを押し出すことによるブランディング、さらには「競合他社のモデルとの差別化に役立つ」ためだと述べており、グリルがどんどん閉じてゆく他社の中において、グリルを開けておくことによって一定のプレゼンスを確保できることになると認識しているようですね(そして、やはりグリルは自動車の”顔”でもある)。
大きなグリルは販売を有利に?
なお、アウディ特有のシングルフレームグリルは2004年のA8にてはじめて採用され、それ以降すべてのアウディに搭載されています。
多くの自動車メーカーが「ボディ側」「バンパー側」とで分割されているのに対し、アウディの場合は「ボディからバンパーまで突っ切った」デザインを持つことが特徴となっているわけですね。
ただ、最近はBMW 4シリーズやM3/M4、レクサスのスピンドルグリルのように「ボディとバンパーぶち抜き型」も珍しくはなく、しかしこれらはアウディのシングルフレームグリルのあとに登場しているので(レクサスだと2007年のGS)、アウディを意識したものかもしれません。
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そしてレクサス自身、「スピンドルグリルが我々を成功に導いた」とも述べているので、やはり「大きなグリル」は、なんだかんだ言われつつも販売面では有利に働くのだと考えて良さそう。
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アウディは今後もシングルフレームグリルを継続
そしてアウディに話を戻すと、上述のように「今後もシングルフレームグリルを採用する」。
実際のところ、これまでに発表されたEV、エレクトリックパワートレーンを搭載するコンセプトカーにおいてもシングルフレームグリルが採用されており、さらにステアリングホイールにもシングルフレームグリルを模した加飾を施しているところを見るに(さすがにBMWやレクサスもここまではやってない)、今後もこの傾向が続くのは間違いなさそうです。
参照:Motor Trend