トヨタのスポーツカーにおける原点は2000GTに通じる
ロシアのサイトにて、新型GRスープラとトヨタ200GT、80スープラ、BMW Z4、そしてFT-1コンセプトとの比較検証が掲載に。
まずは新型スープラと2000GTとの比較ですが、こうやって見るとサイドウインドウのグラフィックが良く似ていること、そしてフロントウインドウからサイドウインドウに至るデザインに「ラップアラウンド」が採用され、やはりよく似ていることがわかります。
実際に、新型スープラのデザインについては「トヨタ2000GTの要素を取り入れた」とアナウンスされており、こうやって見ると、それが一層明確になっていますね。
BMW Z4や80スープラとの比較は?
そして同サイトが行っているのがBMW Z4との比較。
新型GRスープラ、BMW Z4ともに同時に設計され、かつ多くを共有し、同じ工場で生産されることを考えると、その類似性は否定できない部分があります。
なお、生産はオーストリアのマグナ・シュタイヤーにて行われ、工場内の生産ラインを紹介する画像を見ると、BMW Z4とトヨタ・スープラとが同じラインで製作されており、ということは同じ工作機械を使用しているということに。
となると自ずとディメンション、各サイズの位置やサイズについても制限があり、つまり「似たようなものになる」というのはやむをえないのでしょうね。
もちろん、コストを投じて「差異を設ける」ことも可能ではありますが、それはBMWとトヨタとが共同開発を行う本来の趣旨とはかけはなれていて、かつそれによって価格が高くなってしまうのもまた無意味だと思います。
なお、BMW Z4のホイールベースは2470ミリ、GRスープラのホイールベースも2470ミリで「同一」。
そしてこちらはGRスープラと80スープラとの比較。
GRスープラのホイールベースは80スープラに比較してかなり短いということが理解できますが、実際にGR(A90)スープラは2470ミリ、80スープラのホイールベースは2550ミリ。
ちなみに86のホイールベースは2570ミリなので、GRスープラのホイールベースはかなり短く、旋回性能を重視しているということになりますね。
こちらはGRスープラと80スープラとのデザイン類似性。
ヘッドライトとヘッドライトとの間隔やフロントフェンダーとの位置関係など。
「似ている」といえば「似ている」のかもしれません。
こちらはリア。
こうやって見ると、左右に向かって下がるデザインには類似性があるようです。
GRスープラと80スープラとのコクピット。
これも「どうしてもBMW Z4と同じ配置になってしまう」ために自由度が高くはなかったと思われ、しかしドライバーオリエンテッドという意味では80スープラの考え方を継承しているのでしょうね。
なお、新型スープラは「80スープラを意識した」というよりも、「FT-1コンセプト」を市販に結びつけたクルマ。
よってFT-1コンセプトから多くを引き継いでいるので、GRスープラを80スープラと比較するのは無理があるのかもしれません。
ただし、70スープラはデビュー当時に「3000GT」という呼称を用いるなど、「2000GTへのオマージュ」という部分も見られ、その後継たる80スープラも多少なりともその側面を持っているとも考えられます。
さらにFT-1コンセプトはもともと「2000GTを意識」したデザインが採用されていると言われ、よって歴代スープラ、FT-1、新型スープラは「遠からぬ縁(ルーツはすべて2000GT)」を持つとも捉えて良いのかもしれません。
こちらは新型スープラとFT-1コンセプトとのコクピット比較。
雰囲気的にはけっこう似てますね。
そしてこちらはGRスープラとFT-1コンセプトとを混ぜたレンダリング。
かなり格好良いと思いますが、このスタイリングを実現するため、BMW Z4との共同開発という道を選ばず、たとえばレクサスLCをベースにこのクルマをつくり、1500万円くらいで発売していたとしたら(市場の反応など含め)どうなっているたんだろうな、と思います。
VIA:Autoreview